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HEARTLAND 701ULF/RS-ST16 【SAEGAKE Midge direction ST】
ハートランド 701ULF/RS-ST16 【冴掛 Midge direction ST】

6101ULLX/RS-SMT16

6101ULLX/RS-SMT16

奇才というより鬼才。村上ワールドに限界はない。
画像 誤解を恐れずにいえば、村上晴彦は実にわがままな男である。気に入らないことは絶対にやらない。好きなように生きている。だが、自分の世界を切り拓く時は超人のごとく集中する。1997年にハートランドZが誕生して以来、村上晴彦はその「ノリ」で幾多の傑作を生み出してきた。

「こだわりの釣り、こだわりの竿」という一貫したコンセプトのもとに、さまざまな提案を繰り返してきたハートランドは、釣果至上主義に対するアンチテーゼとして完全にひとつのジャルンを築いたのかも知れない。魚なりに遊べる竿があることを気付かせてくれたのである。だからこれだけ長い歴史を刻むことが出来たのだろう。

村上晴彦の原点は琵琶湖である。ハマからの遠投、そして漁港でのセコ釣り。その両極端から全ての発想がスタートしてきたが、最近では海釣りなどの別ジャンルからインスパイアされたテイストがふんだんに漂ってくる。

例えばベイトキャスティングタックルでのシーバス釣りなど、当初は異端的な存在だったものも、いまではすっかり定着している。アジングやカワハギ釣りなどの感覚も、氏にかかるとバスロッドにおける可能性を模索するファクターのひとつだ。

同時に、村上晴彦は意外と新技術に目ざとい。自分の発想を具体化できるテクノロジーを見つけると、躊躇なく採用する。それで過去の作品をブラッシュアップできるとなれば、意欲的に採り入れる。DAIWAの技術力が可能にさせた、カーボン素材で成型されたガイド「AGS」をバスロッドで初めて採用したのもハートランドだった。

2013年に発表された「冴掛レベルディレクション」は「AGS」の革新的な感度とキャスタビリティーとメガトップによるしなやかさで、全国のアングラーの度肝を抜いた。その村上がスーパーメタルトップという超弾性チタン合金による次世代穂先に着目して「使わない手はないやろ」と動き出したのは当然すぎるほど当然である。そもそも村上は無類の穂先フェチだからだ。たとえベイトキャスティングロッドでも、繊細な穂先に仕事をさせることを是としている。そんな村上が2016年、2つの個性的作品を生み出した。
元祖「ツネキチスペシャル」、「別誂ツネキチスペシャル」と続いたセコ釣りロッドの集大成である、’03にリリースされた「冴掛ミッジディレクション」が新しい穂先を得て生まれ変わった。いわば「超繊細なセコ釣り」ともいうべき世界を開拓したのである。

「日本一、いや世界一面白い竿が出来たで。こんな竿、DAIWAでしか出来んやろ。変な竿やで。最初に手にした時は『?』という感じやろ。でも、使ってもらったら分かってもらえる。細糸の良さを生かしたセコ釣り竿は、大きい魚に行きがちな釣り人の目からウロコを落としてくれると思う。小さい魚でも、十分楽しめるんやで。」

しかしこれらのアイテム、単に穂先の進化だけから生み出されたものではない。それをフォローするガイドセッティングなどにも新技術が採用されている。まさに留まることを知らない村上ワールドの真骨頂がここにある。
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史上最軟調子の竿が生み出す釣り味とは
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この竿も「冴掛ミッジディレクション」の進化版。「より軽いルアーを使って気持ちよく遊びたい」という願いを叶えるべく、バスフィッシングで考え得るもっとも柔らかいロッドを主眼に置いて開発されたのはSMTと同じだ。しかし、テイストは完全に異なる。そもそも、穂先が違う。こちらはカーボン成型技術の粋を集めて完成されたメガトップ・カーボンソリッドモデルである。というと、SMTとは穂先だけが違うように思われがちだが、それぞれに専用設計されている。

振り比べただけでその違いは理解されるが、ルアーを泳がせてみれば「ハハーン」と納得してもらえるであろう。穂先の働き方が根本的に違うし、全体的なフィーリングもまったく別物である。ガイドはAGSと超小口径チタンフレームトルザイトリングガイドのオリジナルハイブリッドガイドセッティングでSMTモデルと同じだが、こちらも当然、独自にアレンジされている。
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ガイドセッティング

冴掛 MIDGE DIRECTION SMTよりもさらに柔らかいチューブラーと組み合わせても竿先がブレない気持ちの良いキャストフィール、そしてソリッド穂先とは感じさせないスムーズな繋がりを実現させたのはESSの賜物だ。ESSとは、DAIWAが創造したエキスパートの感性を数値化し、思い通りの次世代ロッドを作り上げる設計システム。これもバス部門ではハートランドが先陣を切った。

この2アイテムの「使い分け」を気にする方もいるかと思われるが、村上にいわせると「そういう発想は捨ててほしい」ということだ。つまり、同じリグでも十分に使えるが、釣り味が違うということだ。「強いていえばSMTモデルは1gぐらいのシンカーを使ったリアクションスプリット、そしてSTモデルはノー感じな釣り、具体的には極小ワームのノーシンカーに向いているかな」と村上は補足してくれた。加えて「SMTはいままでまったくなかった竿、STはいままでの竿がさらに洗練された感じかな」とも語っていた。

こうして完成されたハートランド史上最軟調子の冴掛 MIDGE DIRECTION ST。今回も意表をついた登場で、初めて手にしたアングラーは若干戸惑うだろうが、それも村上の想定内。投げて、ルアーを操作して、コツンとアタリを感じれば、一気に村上ワールドに引きこまれることだろう。 このロッドを気持ちよく使いこなすためにフロロなら2〜2.5lb.を、PEなら0.2〜0.3号を村上は推奨する。
曲がり比較
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6101ULLX/RS-SMT16
701ULF/RS-ST16
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仕様詳細
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■MEGATOP・・・繊維と樹脂が均一に分散、強くしなやかで超高感度な穂先を生み出した
■AGS・・・至難の業とされてきたカーボンでのガイド成型を実現させたのはDAIWAの技術力の賜物
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■X45・・・ダイワ独自のバイアスクロスを巻くことでネジレを防ぎ、ロッドの能力を向上させた
■リールシート・・・軽量化を追求しながらも、手の形状に合せて握りやすくフィットするリールシート
DAIWA TECHNOLOGY
 画像 ■ESS(Expert Sense Simulation=感性領域設計システム)
ロッドは曲がると、その方向と反対側に起きあがろうとするエネルギー(復元力)が発生する。これは、変形した(ひずんだ)ブランクが元に戻ろうとする「ひずみエネルギー」であり、竿の性能を左右する極めて重要なファクターである。「ESS」はこの目に見えない「ひずみエネルギー」を解析・設計するダイワ独自のシステム。「どこが優れているか」「どこが足りないか」を数値で明確に把握するだけでなく、エキスパートの感性と呼ばれる領域まで解析・数値化し、ロッドに反映する事を可能にした。
画像■AGS(エアガイドシステム)
村上晴彦にとってガイドは単に「ラインを通す穴」では決してない。竿づくりに際して、ブランクと同じようにガイドに対するこだわりがある。たとえば、今なお語り継がれるツネスペやハマスペのように一世を風靡した作品も、研究し尽くされたガイドセッティングが類まれなアクションに貢献したのだ。機能だけではない、村上晴彦は見た目にも人一倍こだわる。竿の曲りを点々と演出するガイドの並びは、それだけで氏の美学なのだ。

AGSとは、読んで字のごとく「空気のように軽い」カーボンガイドのこと。至難の業とされてきたカーボン素材によるガイドの成型をDAIWAの技術力が可能にしたのだ。従来のガイドより約40%の軽量化を実現したAGSは、当然のように竿自体の軽量化をもたらし、飛距離とアキュラシーの向上につながった。それだけではない。チタンと比較して約3倍の高剛性を有するAGSは、ガイドを通して伝わる信号をダイレクトにブランクに伝えるので、抜群に感度が良くなる。

「付き合えば付き合うほどAGSの良さが分かると思うで。まったく新しい感覚や…」村上晴彦もそう太鼓判を押す。「理想は竿と100%一体になったガイドや。つまりブランクとの一体成型によるガイド。それは夢やろうけど、AGSはそこに一歩近づいたといえるんやないかな」
村上晴彦は恐ろしいことを考える男である。だがAGSは確かに理想のガイドに一歩踏み込んだといえるのではないだろうか。
画像 ■X45
竿は操作時・やり取り時・引き抜き時など釣りの一連の流れにおいて、僅かではあるが「ネジレ」が発生する。竿がネジレると、操作性やパワーの低下など、様々なデメリットが発生する。そこで、ネジレを防いでくれるのが「X45」。±45°のバイアスクロスがネジレを徹底的に防ぐ事で、操作性・パワー・安定性が向上し、竿の性能が飛躍的に向上する。
画像 ■MEGATOP
繊維と樹脂が均一に分散するカーボンソリッドで、通常のカーボンソリッドに比べ強度が 飛躍的に向上。これにより細径で柔軟、ハイテーパーな穂先を作ることが可能となっている。カーボン素材特有の手に響く感度はもとより、穂先に表れる視覚的感度も大幅に向上。
画像 ■高密度HVFカーボン
ロッド性能に最も影響を与えるカーボンシートにおいて、ダイワはカーボン繊維そのものの高弾性化はもちろん、カーボン繊維を取りまとめる接着剤的な樹脂(レジン)量に着目。贅肉とも言えるレジンの量を減らして代わりにカーボン繊維の密度を高めた「高密度HVFカーボン」はより筋肉質でパワフルな素材となっている。
画像 ■V-ジョイント
ロッドの継部にバイアス構造のカーボンシートを採用することで、あたかもワンピースロッドのような歪みの少ない美しい曲がりを実現。未搭載のものに比べてパワー・張り・曲がりからの戻りの早さが大幅にアップし、理想的な粘強調子を生み出している。繊細さと強引さの絶妙なバランスで千載一遇の大物も余裕を持ってあしらえる。
画像 ■TUBULAR POWER SLIM(チューブラーパワースリム)
高密度HVFグラファイトを肉厚にして細身で長くしたチューブラーパワースリムには、楽しみという余裕さえ感じ取れる粘りとパワーがあり、抜群のキャスティング性能を備える。
ハートランド 701ULF/RS-ST16 【冴掛 Midge direction ST】
全長
(m)
継数
(本)
仕舞
(cm)
自重
(g)
先径/
元径
(mm)
ルアー重量 ライン
PE
(号)
カーボン
含有率
(%)
メーカー希望
本体価格(円)
JAN
コード
(g) (oz.)
2.13 1 213 78 0.8(0.7)
/8.4
0.45-3.5 MAX
1/8
0.15-0.4 99 63,000 957410*
■先径は竿先から最も近く、部品・糸巻きのついていない外径、( )内は素材先端部の外径です。