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PRO STAFF インプレッション
現場が導き出す”釣れる竿”の真実
俊敏アクションで決めるフロッグ竿2選 Yukinari Uchiyama
 BLACK LABELには5機種のFR(=トゥイッチン・フロッグ)モデルが存在しますが、今改めておすすめしたいのがSG7011MHXB-FRとLG5111MHXB-FRの2モデルです。
 いずれのロッドにも共通する特長はX(=エクストラファスト)テーパー。他のFRモデルはF(=ファスト)テーパーで竿に荷重を乗せやすく、まずはフロッグを軽快に投げることを主軸に開発したモデルですが、こちらは投げた後のルアーアクションを重視したモデルです。狙ったゾーンの中でより細かくテーブルターンさせることで、ターゲットの闘争心を掻き立てていきます。
 他の釣りのように、タフならばスローが効果的という常識はフロッグには通用しません。飽くまでもアグレッシブに、狭い範囲で如何に多くターンさせることができるか。少ない移動距離で如何に水中からコールアップできるかがこの釣りの醍醐味です。
 『SG7011MHXB-FR』はグラス絡みのオープンウォーター、リザーバーの岩盤際カバーなどをロングアプローチで強い味方になる1本。クリアウォーターはディスタンスを取って、遠くからでも小刻みなアクションを与えやすいモデルが理想です。
 元々が高弾性マテリアルを採用したSGかつエクストラファストテーパーで、感度に優れるブランクなのでテキサスなどの撃ち物でレングスを活かしたピッチン&フリッピンでも扱いやすい。ボトムでスタックしても移動距離の少ないすり抜けが、もう1バイトへと繋げます。同コンセプトの2ピース・SG7012MHXB-FRもラインナップ。用途に応じてお好みで選べます。
 一方の『LG5111MHXB-FR』はアンダー6ft.の取り回し重視モデル。レンタル艇では竿先が船縁を叩くことなく、岸釣りでも垂直方向のトゥイッチを可能にするショートレングスです。オーバーハング下やヤブの中でキャストフォームが制限される条件下でも、コンパクトなモーションでピンスポットを射抜けます。これって中弾性のLGだからこそしっかり乗せて投げることができるんですよ。とはいえ、エクストラファストテーパーのバットパワーで瞬時の掛けにも対応してくれますね。
 特に相性が良いのは、全長わずか38mmというコンパクトなチキータフロッグ。わずか5~6グラムでもこの竿の守備範囲。近年、アグレッシブなアクションに加え、サイズ感の差で(バイトの)出る出ないが決まる傾向が顕著。僕は最終手段としてチキータ専用ロッドとしての出番が多いですね。
 難しくなっている今だからこそ、サイズの差、そしてアクションの差。ほんのちょっとした差でキャッチの確率を上げましょう!

リザーバー釣行で応用が利く2本 Kazuki Orikane
 状況がわからないフィールドはさておき、勝手知ったる房総半島リザーバーでいつもボートに積んでいるBLACKLABELは全部で7本。
 ベイトは“SG701MHXB”、SG6101M+FB、LG6101MRB、SG661MXB-ST、スピニングがSG681ULFS、SG681ML/MHFS、“LG5111LFS”。どんな状況にも対応するためのセレクトで、SGとLGから特に出番が多い各1モデルを紹介したいと思います。
 まずは『SG701MHXB』。7ft.の存分な長さ、パワーはMH。しっかりとしたパワーがあるにもかかわらず、なぜか軽い。テクニカルなパワーゲームを楽しむ上で必要な要素がこの1本に詰まっています。
 テキサス及びリーダーレスダウンショットでのカバーフィッシングでは、その繊細なティップは操作感に優れます。先端から入り込まないファストテーパーなので、ワームをしっかり細かく操作できる。硬いけど繊細です。
 一方、オープンウォーターではヘビキャロやフリーリグの出番。シンカーが離れた状態のリグでも、ワームの挙動や抵抗を感じることができる感度の高さが秀逸です。
 例えば、フリーリグ。ワーム引っかかってシンカーが遊んでいる状態、感覚的に言うと半分根がかった状態ってよくあると思います。通常は引っ張ったらシンカーとワームもろとも引っ張ってしまうために本根掛かりを導く。ところが、そんな状態でもシンカーだけを暴れさせてワームを動かすことができる。ついには、スタックを躱して次も誘えるんです。
 ヘビキャロでは泳がせている時に同じスピードで追尾して“パクッ”の瞬間、確かな重みが伝わる。抵抗の変化に気付けます。他では不可能な繊細な操作性が可能なので、シンカーが密接したリグならさらに容易です。
 もうひとつのフェイバリットは『LG5111LFS』。クリアアップなど状況次第では飛距離重視のLG6101MLFSに変わる場合もありますが、やはりショートレングスは大きなアドバンテージですね。
 取り回しが良く、圧倒的にキャストしやすい。投げやすいテーパーも後押ししています。オーバーハング下などでは、キャスタビリティが極まります。多用するのはミノーやシャッド中心に、リップ付きの小型プラグメイン。i字系にも、シンキングプロップにもいい。
 一方でワームはできないのかといえばそんなこともない。全体的に曲がるのでLのパワー感。ダウンショットはもちろん、抵抗のあるJHワッキーでもティップセクション全体を使ってアクションを付けやすい。積極的に動かすノーシンカースティックベイトは、ミノーと同感覚で誘えます。
 いずれも投げやすさを追求するだけでなく、結果的にバーサタイル性を伴って他の釣りにも良い影響を与えてくれます。実に応用が利く、万能なロッドたちですね。

ビッグレイクの“今”を効率良く釣るために Takahiro Miyake
 私が推すBLACK LABELは、ホームフィールドであるビッグレイクの“今”を捕らえるために欠かせない2本です。共にSGでワームが主体となる高弾性ロッドで、ベイトとスピニング各1本を選びましたが、いずれも選出理由は似通っています。
 まず『SG671L/ML+FB』。こちらはパワフルなベイトフィネスロッドです。番手表記はティップがL、ベリー~バットはML+のパワーを意味しています。
 でかいフィールドにでかい魚、そしてカバーから引き剥がしての強引なやりとりが命題。通常、繊細な操作性を可能にしようとすれば、ロッド自体のパワーが消えてしまうもの。ですが、BLX特有の“への字テーパー”を描くLティップでラインスラックを活用した細かい操作が可能な一方で、ML+のベリー~バットがパワフルなファイトを実現します。
 背丈のあるエビモにスターリングシャッド3.3in.のネイルリグを撃ってフォールのバイトを狙ったり、ウィードフラットの上でネコスト5.8in.のネコリグをコロコロと転がしたり、沖のみならずシャローのリーズや消波ブロック撃ちにも。リグがスタックした際には、ハングオフするためにウィードを揺らし過ぎることもなく、ボトムでは障害物から引っ張り過ぎずに躱してくれます。
 もう1本はスピニング『SG641L/ML+XS』です。考え方のベースは同じで、こちらも繊細に扱えて、強く耐えてくれる1本です。
 エクストラファストテーパーの先調子とはいえ、こちらも先から曲がるのではなく“への字テーパー”。引っ掛けたら外す作業を容易にするテーパーです。
 仮にベイトフィネスロッドを持っておらずスピニングだけで釣りたい人にもおすすめできる1本です。ミドストやi字系などで自分のリズムを出したいって方にもおすすめです。
 フロロ5ポンド直結がメインに、より飛距離を稼ぎたい場合は細径PE#0.8~1.0+リーダー5~6lb.セッティング。私の場合、ワカサギパターンでは、こちらのスピニングの出番が多くなりますね。
 スピニングはベイトフィネスに比べ、パワーに不安?ご安心を。バットには3DXが採用されて、キャスト時にブレはなく、掛けた後にも捻れなく瞬時に魚の顔をこっちに向かせることができます。ロクマルさえリフトできてしまうパワーを秘めているので問題ありません。難しくなってきている今だからこそ、むしろメインになる場合もあります。
 近年ではワカサギの群れを追ったボイル発生時にも多用します。ホバストやミドストはもちろん、i字系はワームもガストネード70Sなどのプラグで表層を、時にはSTEEZシャッド60EXDRで深めも狙います。
 いずれも今の琵琶湖を象徴する、必要不可欠なロッドたち。使用頻度は年々高くなって、わずか2本で全体の50パーセントを占めることも。やはり使う理由は『釣れる竿』だから。この竿だから獲れる魚は必ずいます。

2本のベイトで撃ちと巻きに全国で盤石 Yukinori Kusabuka
 『LG6101MRB』は私にとってのワイヤーベイトスペシャル。ハードルアーの中でもよく使うスピナーベイト、ブレーデッドスイムジグ、そしてバズベイトを最も多用するBLACK LABELの1本です。
 いずれも3/8oz.をメインに1/2oz.も守備範囲。イキイキと泳がせるにもいいし、キャスタビリティも掛ける際にもいいですね。スピナベサイトでのトリッキーなテクニックにも盤石です。
 なぜ中弾性カーボンのLGなのか?私の場合、ワイヤーベイト全般において高弾性カーボンのSGという選択肢はない。簡単に理由を言えば、高弾性=反発力が強い。速巻きするとティップが曲がった状態なので、スラックが出にくい。そんな時にバイトがあると、SGではティップの戻りが早いんで、食い込みにくいんですよ。
 対して、LGは中弾性の良さが出る。材料の力に加えて、“への字テーパー”によって食い込みしろを稼げるんです。スローに巻くならティップから先にラインスラックを出した状態でたるませ引きだってしやすいし、糸から先のルアーは無理矢理ではなく自然に泳ぐ状態を作り出せるんです。
 バズベイトは同じく3/8oz.を使っても浮き上がりを良くするためにトレーラーワームを付けると結構重くなる。投げることだけを考えたら、1ランクパワーの強いLG6101MHFBという選択になります。
 でも、ワイヤーベイト全般って、オープンで投げることは少なくて、カバー周りのピンを通すコースを狙うことが多いんです。気持ち柔らかいロッドの方がルアーの重みを乗せて投げやすいし、必要以上に速い初速にならないので著しくアキュラシーが向上します。リザーバーでオーバーハング下、マッディーシャローではアシ際と狙いどころは多く、狙い澄ましたキャストで好結果を招きますよ。
 ロクテン(6ft.10in.)はルアー着水までの間にラインメンディングしやすい長さ。短いと調整幅が少ない。またロングキャストにも向いていて、岸釣りでも活躍してくれる。多分BLXの中で一番魚を釣った竿かな。
 もう1本は『SG681MH/MFB』。これも通年持っていく竿です。MHティップにMバット、こちらはワーム&ジグ系のSGです。
 特徴としてティップの少し下から曲がり始める“への字テーパー”のファストテーパー。3.5~7g、特に5gジグでの使用頻度が高く、次に高比重バックスライド。どちらもカバー撃ちが軸で、ジグのスイミングにもいい。もちろんテキサスやリーダーレスダウンショットにも有効です。
 先端の少し下から曲がり、張りがあって入り過ぎない先端は、軽くスタックしても外しやすい。アクション時やスイミング時でも先端が曲がらないので、ティップがアクションを吸収しないから、イメージ通りの動きを出せますよ。
 ティップよりバット側が柔らかい番手表記とはいえ、軽負荷時はファスト、高負荷時のみパラボリック。つまり、投げる時は下から曲がってくれるので、多少軽いルアーでも飛ばしやすい。とはいえ、高弾性カーボンと3DXのスプリングバックでフッキング時の不安はありません。ボートでの優位性のみならず、岸釣りならこの1本を核に一日の釣りが楽しめると思いますよ。