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未来を拓く源流新時代の幕開け ~全国源流の郷協議会~
全国各地の河川の最上流に位置する自治体が結集し、平成17年11月に「全国源流の郷協議会」が発足しました。 日本の源流域は、国土保全や環境保全の最前線に位置しており、河川の流域だけでなく、我が国にとっても非常に重要な地域となっています。会員一同その責任を自覚し、源流域の環境などを保全に務めておりますが、源流の恵を共有する流域の皆さんと一緒に活動していくことが必要です。 当協議会では、源流地域の重要性を多くの方々に理解していただき、源流域が存続していけるよう源流基本法の制定などを提案し、その実現に取り組んでおります。
民話のふるさと遠野が生んだ間伐材で作った絵本(北上川水系源流)
目と手で読む間伐材の木の絵本とは
 柳田國男の遠野物語で知られる岩手県遠野市。花巻市との境にある薬師岳で猿ヶ石川が生まれ、やがて北上川に合流して太平洋へと注ぐ。市の面積の約8割を森林が占める市内には、カッパが棲むと言われるカッパ淵や重湍渓などが今も残る。  民話の里であり、源流の町。そんな遠野市で生まれた、小さな木のキューブが人気を集めている。サイコロのように見えるが、「木の絵本」だ。  無垢の木のキューブの各面には、「おばあさんが」「ねこが」「いえで」「たんぼで」「せんたくものを」「あらいました」などの言葉と、それに合わせたイラストが描かれている。キューブは、子どもの両手にすっぽり収まるサイズ。木の温もりを感じながら四つのキューブをコロンッと転がし、出てきた言葉を組み合わせていくと、物語ができあがるというわけだ。まさに、目と手で読む絵本だ。  発売以来、日本全国、さらには海外でも愛されている。2020年には1年間で1,000セットが売れるなど、息の長いヒット商品となっている。秀逸なアイデアが光る木の絵本には、もう一つの特徴がある。それは、地元の間伐材を使い、製造をすべて地元で行っていること。間伐材を使った木の絵本は、源流の町でいかにして生み出されたのか。木の絵本を製造販売する合同会社もくもく木絵本研究所代表社員の前川敬子さんに話を聞いた。
源流の街であり民話のふるさと遠野市。(遠野市観光協会ご提供)
プロジェクト参加者全員がモノづくり未経験
 はじまりは2004年。遠野市で、新たな事業を創出しようという企画が持ち上がったことだという。そこに集まった30人の中にいたのが前川さんだ。  「その会議ではいろいろなアイデアが出たものの、具体的な事業は生まれませんでした。けれど、その際に遠野市の約80%以上が森林であること、木を使った玩具など子ども向けのものがないことを知りました。その企画で知り合った療育士の女性から『子ども、特に障害を持つ子どもには、五感を育むモノが良い』と聞き、木の絵本を作ろうとなったのです」  参加者を募ると5〜6人が集まり、プロジェクトが動き出した。  しかし、それは長い道のりの始まりだった。  「最初、合板で木の絵本を作ろうと考えていました。しかし、薄い合板づくりの本もすでに出ており、グループの中から『合板じゃ・・・つまらない。無垢の木を使おう』という意見が出まして。ただ、木はとても重いんですね。何ページもあるものは難しく、早々に壁にぶつかりました」  動き始めた前川さんたちは、「商品化を目指すならプロのプロダクトデザイナーの指導を受けた方が良い」と考えた。そこで、メンバーの徳吉敏江さんと親交のあった多摩美術大学の安次富(アシトミ)隆教授と久美子さん夫妻を招いて指導を受けることになった。  「安次富先生ご夫妻が、『ページをめくるものは紙ベースに任せて、木に合わせた形にすれば良い』とおっしゃって・・・、『それはそうだ』と目から鱗が落ちましたね」  木に合わせた形とは何か。  メンバーそれぞれがアイデアを出し、木や紙で試作品を作って安次富夫妻に送ることになり、その試作品を見て安次富夫妻がコメントを返す、こんな繰り返しの中から出てきたのが「キューブ型の木の絵本」だった。  「キューブならば、木ならではの形です。手触りも良く、木の香りも感じられます。材料には、製材所から購入した間伐材を使うことにしました。そして、安次富先生ご夫妻とやり取りした30以上のアイデアの中から、二つに絞って第一号商品としました」  こうして生まれた二つの木の絵本。  一つは、「どこで・だれが・何をした」を各面に描いた、冒頭の「だれがどすた?」シリーズ、もう一つは遠野に伝わるお話を一つのキューブで表した「キツネとシシガシラ」だ。これは遠野弁の「むかす あったずもな」で始まり、「どんど晴れ」で終わるもので、語り部が語る民話そのものだ。
「キツネとシシガシラ」は遠野に伝わる民話、もちろん遠野の言葉で表現されている。(合同会社もくもく絵本研究所ご提供)
一歩進むごとに壁に当たった木の絵本づくり
 ここで問題になったのが、イラストをどうするかということだ。安次富夫妻からのアドバイスは「絵が上手い人は世の中にたくさんいるから、上手でない人が一生懸命描いた絵の方が温もりがあっていいですよ」だった。そのアドバイスに背中を押され、「だれが・どすた」のイラストはメンバーの豊田純一郎さんが、「キツネとシシガシラ」のイラストは前川さんが描くことにした。  この次に「塗料」が課題となり、「子どもたちが口に入れても安全な塗料は外国産で非常に高価。これを使って極彩色に仕上げても、販売価格が高くなってしまいます。気軽に手に取ってもらえる商品にしたかったので、塗料ではなくレーザープリントにしようということになりました」  しかし、レーザープリンターは1台1,000万円と高価だ。  メンバーは前川さんをはじめ、子どものいるお母さんが多く、売れるか分からないもののために借金はできない。「そんな時、その機械のメーカーの方が『遠野市内に、この機械を持っている会社がありますよ』と教えてくださったんです。それがノッチアートという会社でした」  このノッチアート社によって問題も解決し、間伐材のカットと錬磨、そしてレーザープリントができるようになった。 「当初、5年くらいはヒノキの間伐材を使おうと考えていました。しかし、ヒノキは油が多いため、絵や文字がにじんでしまう油染みが出やすいうえ、歩留まりも悪いんです。そこで、遠野の山にたっぷり生えているスギの間伐材を使うことにしました。使ってみると油染みもしないし、軽くて温かみがあり、『これだ!』と思いましたね」  大きな問題が解決したところで、今度はパッケージだ。  ぴったりの箱をオーダーすれば、またコスト負担となる。  そこで、買ってきた和紙を自分たちでカットして折り、パッケージに仕上げた。  ひとつ解決すると、次の課題が持ちあがる。  その度にトライ・アンド・エラーで挑む。その繰り返しの末、2年の歳月の末「木の絵本」が完成した。その頃には、メンバーは前川さんと徳吉敏江さん、松田希実さん、豊田さんの四人だけになっていた。行政からビジネス支援を受けていたこともあり、市の勧めで『合同会社もくもく絵本研究所』を設立、2006年の販売にこぎつけた。
「だれが・どすた」シリーズ。4つのキューブを転がし、出た面の言葉や絵をつなげてお話を作って楽しむ。(合同会社もくもく絵本研究所ご提供)
木を育てるように長い目で商品を育てていく
 木の絵本は発売から間もなく、新聞の全国版に掲載されると、「孫に贈りたい」「幼稚園で使いたい」と全国から発注が来るようになった。2006年度 間伐・間伐材利用コンクールで審査委員特別賞や2020年には全国間伐推進中央協議会会長賞を受賞。そして2012年度グッドデザイン賞を受賞し同時にベスト100の栄誉を得たほか、2014年にはグッド・トイと数々の賞を受賞した。  木の絵本は手間もかかるが、利益率は高くない。  それでも続けるのは、未来の子どもや遠野への社会貢献をしたいという気持ちがあるから、という。  人気となった現在も、地元の製材所から地元の間伐材を購入し、加工はノッチアート社、パッケージは地元の福祉施設に依頼。すべて地元で行うメイド・イン・遠野を貫いている。     その理由を前川さんは、「『海外で大量に作って大量に売った方が良い』とよく言われますが、それは違うと思うんです。それでは検品もしっかりできません。少ししか売れなくても良いモノをちゃんと作りたいですし、何より子どもたちに木に触れて、たくさん遊んでもらいたい。木の絵本は、すぐに廃れるものでも飽きられるものでもありません。だからこそ、1〜2年で採算ベースに乗せることより、10〜20年のロングランを目指そうと考えました」と思いを語った。  前川さんをはじめ合同会社の全員、他に本業を持っている。本業と両立していくためにも、大事に作り続けることを選んだ。  「遠野市立博物館にも置いてあるのですが、10年以上経って何千人もの方が触って遊ぶうちに、角が丸くなっているんですね。何年もかけて人がデザインした、歴史を感じる美しさだなと感じます。また、おうちにある自分の木の絵本をクレヨンで塗ったり、転がして傷がついたりするのも、その子の思い出になるはず。五感を使って木の絵本で遊んだ思い出は一生残るもの。想像力を育むことが、いろいろな世界で活躍できる素養につながればと思っています。また、木の絵本を通じて子供たちが木に愛着を持っていただき、全国の方に遠野を知ってもらえたら、実に嬉しいことですね」  木を育てるように大切に育てられたキューブ型の木の絵本。「キツネとシシガシラ」の他にも遠野の民話も加わって、現在は「おはなし木っこ」シリーズとなっている。さらに、他にもリクエストから作られた外国語版や個人の名入れバージョンと広がり、SL銀河の車内で販売される「SL銀河版、だれがどすた?」など、その枝葉は前川さんたち作り手の予想を超えて伸び続けている。  この夏には、『子ども本の森』がオープンする遠野市。その源流の間伐材から生まれた木の絵本は世代を超えて愛されていくことだろう。1つのアイデアから次代へと繋がる遠野の試みは源流エリアの生き方の1つと思う取材であった。様々なアイデアが各地から届くことを応援し続けていきたい。 写真提供=遠野市観光協会 合同会社もくもく絵本研究所 文=吉田渓
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