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未来を拓く源流新時代の幕開け ~全国源流の郷協議会~
全国各地の河川の最上流に位置する自治体が結集し、平成17年11月に「全国源流の郷協議会」が発足しました。 日本の源流域は、国土保全や環境保全の最前線に位置しており、河川の流域だけでなく、我が国にとっても非常に重要な地域となっています。会員一同その責任を自覚し、源流域の環境などを保全に務めておりますが、源流の恵を共有する流域の皆さんと一緒に活動していくことが必要です。 当協議会では、源流地域の重要性を多くの方々に理解していただき、源流域が存続していけるよう源流基本法の制定などを提案し、その実現に取り組んでおります。
日本有数のクレソン産地は都市を潤す水源林(道志川源流)
源流から東京に毎日届けられるものとは
 道志みちと呼ばれる国道413号沿いの建物で車を停めると、遠くの山に笠雲がかぶっているのが見えた。笠雲の下は別の雲に覆われていて、山の姿は見えない。けれど、山に沿ったこの雲のフォルムは、もしかして…。 「ええ、富士山です。雲がなければ、このクレソンの田んぼ越しに富士山が見られるんですけどね」  山梨県道志村で鉄工所を経営する傍ら、道志村クレソン栽培組合で出荷を担当する佐藤建蔵さんが言った。 「俺が子どもの頃、クレソンは水路沿いに自生していました。当時は『ドカタゼリ』って呼ばれていました。よそから来た砂防工事の人が持ち込んだものが根付いて増えたらしいですよ。当時はニワトリのエサにしていたんですよね」  実は人間の食べ物だとわかり、佐藤さんの父がクレソンの栽培を始めたのは1978年のこと。父は栽培組合の初代組合長となって仲間を増やした。その結果、今や道志村は日本有数のクレソン産地となっている。それを支えたのが水だ。 「クレソンは水の中で育つんですよ。だから、畑じゃなくてクレソンの田んぼ。水を張った田んぼで育てて、収穫するときは水面から出ている部分だけ刈り取るんです。すると、また伸びていきますから」  クレソンの田んぼに常に張っておくための水の供給源は、もちろん道志川だ。道志村では、東西に伸びる道志山塊と丹沢山塊が150以上の沢を生み、道志川を形づくる。道志川沿いに集落が連なるこの村は、クレソン栽培にぴったりなのだ。 「ここから1kmほど上流で取水した農業用水は、田んぼに入れてからまた水路に戻します。そうすれば、どのクレソン農家でも水量が確保できますから。ただ、田んぼにどのくらいの水を張るかは人によって違うんですよ。水は少しでいいという人もいれば、たっぷり使う人もいます。同じ田んぼでも、水路から水が入ってくる水口と水の出口とでは、水口付近の方がよく伸びるんですよ。流れてきた水には酸素がたっぷり含まれていますからね」
日本有数の産地・道志村では源流がクレソンを育む。
毎日クレソンの出荷を行っている佐藤建蔵さん。
 自慢のクレソンの美味しい食べ方を、佐藤さんが教えてくれた。 「生で付け合わせにするのが一般的だけど、オススメは胡麻和え。それから、茹でたクレソンをシーチキンやコーンと混ぜて青じそドレッシングをかけると美味しいですよ。ぜひ試してみてください」  谷間を流れる間に酸素をたっぷりと含む道志川によって美味しく育つ道志村のクレソン。しかし、クレソン産地としての道志村には一つだけ弱点がある。それは寒さだ。 「クレソンは朝晩の寒暖差で美味しく育つのですが、ここは標高630mなので冬は寒いんですよ。すると、葉が黒ずみ、苦くなります。その苦味が好きな人もいますが、やはり見栄えも良くないので、寒い時期は田んぼに寒冷紗(霜除けの布)をかけ、収穫するときだけ外します。クレソンは水の中に入って刈り取るので、冬は大変ですよ。父から田んぼを受け継いだうちの姉ぇ(甲州弁で姉のこと)は、刈るのがすごく上手でね。俺が刈ると長さがバラバラになるけど、姉ぇはどの芽を残せばすぐ収穫できるか考えながら、全部同じ長さで刈るんです」  組合長を務めるお姉さんをはじめ、組合員の農家さんが収穫したクレソンは一ヶ所に集められる。小売用の束にしたものを大田市場まで運ぶのは、佐藤さんの仕事だ。道志川が育むクレソンを多くの人に届けるため、今日も佐藤さんは鉄工所の仕事を終えた後、東京へ向かう。
道志村の森林を横浜市が買った理由
 神奈川との県境にある源流の郷、道志村。実は、この村の総面積の36%の山林を所有しているのは神奈川県横浜市だ。なぜ、山梨の村の山林を横浜市が所有しているのか。  きっかけは明治時代に遡る。当時、横浜港周辺は人口が急増したが、埋立地ゆえに井戸水に塩分が含まれ、飲み水に不自由した。そこでイギリス人技師に依頼し、日本初の近代水道を完成させた。それが明治20年のこと。当時は相模川と道志川の合流地点で取水していたが、明治30年からはその上流の道志川から取水するようになった。その理由を、横浜市水道局 浄水部 水源林管理所長 温井浩徳さんはこう語る。 「当時、人口の増加は止まるところを知らず、水量不足は急を告げていました。相模川と道志川の合流地点で取水していた時は、石炭を燃料とする揚水ポンプで水を汲み上げて送水していたのですが、水量が安定しなかったため、安定した流量を確保するために取水地点を道志川上流に変更したのです。また、道志川上流は標高が高いため、ポンプを使わずに地形の高低差だけで横浜市まで送水できるようになりました。横浜市はこの道志川の水質を守るため、大正5年に道志村内の恩賜県有林を購入して水源林として管理を始めました」  その後、森林を買い増しして、現在は2,873ヘクタールと横浜市都筑区とほぼ同じ面積に広がった。林野庁が選定する「水源の森100選」にも選ばれた「源流の森」を温井さんが案内してくれた。  村の西端にある「源流の森」は、モミなどの針葉樹とブナをはじめとした広葉樹が混じり合う天然林だ。水源林の間伐材でつくられた木道を歩きながら、温井さんが言う。 「前はココに橋が二つかかっていたのですが、2019年秋の台風19号で流されてしまったんです。普段は小さな沢ですが、増水して道も随分と削られてしまいました」  ところどころ台風の爪痕が感じられるが、きちんと管理されていた水源林だから、この程度で済んだのだろう。散策路に沿って流れる沢の水は、葉を落とした広葉樹林から注ぐ日差しで清冽さを増している。5分ほど歩くと、木のベンチが並ぶ広場に到着した。まるで森の中の教室だ。落ち葉が降り積もった足元の土がフカフカして気持ちがいい。
「私たちが目指すのは、水源涵養や生物多様性保全などの環境保全機能を重視した環境林です。そのために間伐等を行っているのですが、健全で豊かな森林は、降った雨を蓄える保水能力が高いんですよ。これは、落ち葉や落ち枝が堆積したスポンジのようなフカフカな土壌が形成されるからなんです。蓄えられた雨水は、ゆっくりと地中に浸透し、時間かけて湧水として流出させます」  これを見てください、と温井さんが二つ並んだコンテナボックスを指さした。左のボックスは土だけ、右のボックスには土と稚樹が入っている。 「水源涵養機能をわかりやすく伝えようと、うちの職員が自作したんです。どちらの土も水源林のもので、右のボックスの稚樹は水源林に落ちていた実生から育てています」  ということは、右のボックスは水源林のミニチュア版だ。温井さんたちが左右のボックスに同じ分量の水を同時に注ぐと、土だけの左のボックスからは、あっという間に泥水が出てきた。右のボックスからはなかなか水が出てこない。やっと出てきた水は、透明だ。森の土が水をいったん蓄え、濾過してから少しずつ出している証拠だ。
横浜市水道局 浄水部 水源林管理所長 温井浩徳さん。
森林が水を蓄える様子が判る装置「森の宝箱」は職員の方々の力作。
 「生き物が生き生き暮らす山林は水源涵養機能が高く、土砂崩れも抑えられます。ブナなど広葉樹の森林は緑のダムと言われるように、水源涵養機能が高いもの。ですから、横浜市の水源林では、人工林を間伐したところに広葉樹が生えてくるのを待ちます。10年前と比べて広葉樹がずいぶん増えましたね」  水質の良さは、大正時代から大切に育ててきた水源林のおかげ。横浜市では水源林を所有・管理するだけでなく、手入れが行き届いていない村内の民有林を市民ボランティアと協力して整備する「道志水源林ボランティア事業」も行っているそうだ。
村の子も都会の子も源流文化を体験
 道志村では、横浜市が開放している源流の森の散策以外に、源流の自然や文化を体験できるプログラムがある。  その拠点となっているのが、廃校になった小学校を改築した「みなもと体験館」だ。個人でも楽しめる木工体験のほかに、学校や団体向けに生活体験や環境学習などを行っている。道志村子ども農山漁村地域協議会・事務局の池谷譲さんが言う。 「横浜市の小学校は4年生で水道、5年生で林業について学ぶため、その内容に合わせた体験学習を提供することも多いですね。村内の旅館に宿泊して、旅館でウドンづくりや餅つきなどを体験することも。宿ごとに子どもたちを安全に川遊びできる場所に連れて行ったり、川の流れを観察する理科の授業を手伝ったりすることもあります。やっぱりここは源流の村ですから、川に触れてもらえたら嬉しいですよね」
道志村子ども農山漁村地域協議会・事務局の池谷譲さん。
廃校を活用した「みなもと体験館」では個人でも団体でも木工体験が楽しめる。
 道志村出身の池谷さんも、川で遊んで育ったという。 「この村の子どもはみんな、棒の先に針をつけて魚を獲る『カジリ』をやって大きくなるんです。僕もガキ大将に教わりました。道志川の魅力はやはり水の美しさ。最近は子どもが少なく、川遊びの機会も減っているので、釣りなどを通して地元の子どもに川に親しんでもらいたいと思っています。地元に限らず、下流の子どもたちも源流の自然や生活を実際に体験することで、きっと感じるものがあるはず」  以前はもっと水量が多く、遊び場となる淵がもっとたくさんあったという道志川。  その変化に気づくのは、源流の川や山の変化を見つめ続ける人がいるからこそ。源流と下流の人々が守る水と山林は、これからまた進化していくことだろう。 写真=田丸瑞穂 取材・文=吉田渓
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