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未来を拓く源流新時代の幕開け ~全国源流の郷協議会~
全国各地の河川の最上流に位置する自治体が結集し、平成17年11月に「全国源流の郷協議会」が発足しました。 日本の源流域は、国土保全や環境保全の最前線に位置しており、河川の流域だけでなく、我が国にとっても非常に重要な地域となっています。 会員一同その責任を自覚し、源流域の環境などを保全に務めておりますが、源流の恵を共有する流域の皆さんと一緒に活動していくことが必要です。 当協議会では、源流地域の重要性を多くの方々に理解していただき、源流域が存続していけるよう源流基本法の制定などを提案し、その実現に取り組んでおります。
魚を取り戻す川と倒木が育てる森(網走川)
なぜ? 魚が土手を上っていく川
オホーツク海に面した河口から、サケやマスが網走湖を経て、上流へと力強く上っていく網走川。下流の漁業者と上流の農業者が連携して守るこの川の支流で、魚を呼び戻す取り組みが行われているという。 そのキーマンは、網走川中流域の美幌町にいた。美幌町の自然や歴史を紹介する美幌博物館の学芸員、町田善康さんだ。  美幌博物館に着任してすぐ、地域の川を調べた町田さんは、あることに気づいたという。 「ある川にはイワナやサクラマス(ヤマメ)などがいるのに、別の川には魚がいないんです。同じような川なんですけどね」 町田さんの専門は魚類。原因を調べていくと、魚がいない川の途中には、大きな段差があったという。「この辺りには小さな川がたくさんあるのですが、農業生産を上げるため、蛇行していた川を直線にする工事がなされていました。蛇行していた川を直線にすると、どうしても急勾配になります。それを防ぐために作られたのが、段差1mの落差工です。その落差工を上れないため、魚がいなくなっていたのです」 こうした事態を気にかけていたのは町田さんだけではなかった。 川を直線にする工事を希望した流域の農家さんた地だ。「ある日、農家さんが『サケが土手に上がっている』と言うんです。よくよく聞いてみると、川を上ろうとジャンプした魚が土手に飛び出してしまった、ということでした。そこで、魚たちが自然のサイクルで生きていけるよう、魚道を作って欲しいと町や国にお願いしに行ったのです」
魚道作りに携わった美幌博物館の学芸員、町田善康さん。
魚道づくりに携わった方が作った模型をもとに説明してくれた。
 しかし、一般的な魚道はコンクリート製のため、工事中は水を止めなければならないし、魚道の整備で農地を傷つけてはいけない。しかも、魚道が必要なのは1ヵ所だけではない。予算の都合もあって、叶わなかった。「そんな時に知り合ったのが、道内で魚道を作っている技師の方でした。その方が提案してくださったのが、地元にある木や石を使った魚道です。この地域は木もたくさんあるし、畑を耕すと石が出てくるんですよ。地元にあるものを使えば補修もしやすいですし・・・」  この方法なら水を止める必要がないので、農地を傷つける心配もない。専門家が描いた魚道の設計図を提出すると、今度は役場から許可が下りた。しかし、町内には落差工が100ヶ所もあり、その全部に魚道をつくることはできない。そこで、場所を絞ることにした。 「魚道を作る場所の条件は、『地元の人が希望しているところ』『上流に魚が産卵できる場所があるところ』『稚魚や幼魚が生きられるところ』。遡上した魚が産卵し、その子供たちが生きていくために必要な場所が7ヶ所に、魚道を作ることにしたのです」
魚道ができて、川も人も変わった!
 魚道が作られたのは、美幌町内を流れる駒生川(こまおいがわ)だ。ちなみに駒生川は美幌川の支流で、その美幌川は町内で網走川に合流する。 「こだわったのは、複雑な水の流れを生み出すこと。コンクリートで作った箱のような魚道は、小さい魚は上れません。しかし、自然の川のような複雑な水の流れがあれば、魚は自分が通りやすい場所を探して上ることができるのです」  そうした魚道を2種類の方法で作ることにした。一つは、大量の石をネットで包んで沈め、水のたまりを作るもの。落差工にはパレットを立てかけてスロープを作り、小さな魚も上れるようにする。  もう一つは、川の中に木材を積み上げて壁を作り、プール状にして水を貯めるというもの。下流から落差工に向かって20cm、40cm、60cm、80cmの高さの木の壁を作ることで水深が次第に深くなる。すると、魚たちは階段を上がるように川を遡りながら落差工を超えられるというわけだ。「魚道工事に協力してくれた人は、平成23年から24年(2011年〜2012年)にかけてのべ230人になります。今考えると、一気に作って良かったですね。みんなで『作るぞ!』と盛り上がっているうちに、全部できましたから!」  とはいえ、手作業で重たい石や木材を川に沈めるのは相当な重労働のはず。しかも、作業ができるのは農閑期となる11月から4月まで。冬の北海道の川での作業の大変さは想像に難くない。 そんな町田さんたちの奮闘は、さっそく結果に結びついた。「魚道を作る前、駒生川には一生を川で過ごすハナカジカやシベリアヤツメしかいませんでした。ところが、魚道を作ったらサクラマス(ヤマメ)やイワナが戻ってきたんです。ただ、その一方でハナカジカの数は減りました。他の魚が戻ってきたことで競争が起き、川の生物に多様性が生まれたようです。また、川に魚が戻ってきたことで、川沿いにクマが現れるようになりました。これまで、秋になると山沿いの農地は、ヒグマに荒らされることがありました。でも、川に魚が戻ってきたことで、今後はクマによる農作物被害が減れば嬉しいですね」  魚道の効果はこれだけではなかった。 「木や石を使った魚道は一度つくったら終わりではありません。雪解け水や大雨などで崩れることもあるため、雨などが降った後は見回りをし、必要なら補修をします。でも、それがいいんですよ。みんなが関心を持ち続けてくれますから」  町田さんが地元の人々と作った魚道を見せてもらった。間違って畑に足を踏み入れたりしないよう、注意しながら魚道に近づくと、コンクリートの樋のような川の平坦な水の流れが、一部分だけ複雑になっているのが見えた。木と石で作った壁に水と土砂が溜まって階段のようになっている。そこを滑り降りる水は、激しく水しぶきが上がっているところもあれば、水が滑らかに盛り上がっているところもある。この複雑で多様な流れの中で、魚たちは自分にあったルートを選んで上っていくのだ。川を覗き込んでいた源流探検部のメンバーが小さく叫んだ。 「何か動いた! 魚がいる!」  人の手で直線になった駒生川は、人の手を借りながら、再び本来の姿を取り戻しつつあるようだ。
木や石で作られた魚道には自然に近い複雑な流れができ、魚が戻った。
左の魚道の模型。木などで壁を作って水を貯め、階段状にしている。
変化と再生を感じられる源流の森
網走川の源流域の津別町で、この豊かな自然を次の世代に伝えている人もいる。 町有林のノンノの森などを中心に活動しているNPO法人「森のこだま」代表の上野真司さんだ。森林セラピー®基地として認定されている「ノンノの森」は、小さな沢がいくつも流れる豊かな森だ。「ここは、森が森であろうとする力を感じられるところ。倒木も、あえてそのままにしているんです。というのも、倒木があればそこにコケやキノコが生え、新しい木の芽が出てきますから。森を歩くと、倒木が微生物に分解されて土になっていく過程や、地面からじんわりと水が湧き出しているところが見られるでしょう。また、遊歩道の素材もコンクリートから木道、土と変化させ、土の柔らかさを感じられるようにしています」
津別町で活動するNPO法人「森のこだま」代表の上野真司さん。
「ノンノの森」で見つけた倒木には萌芽やキノコ、コケがいっぱい。
上野さんは、町内の子供に向け、年齢に合わせたプログラムも行っている。幼稚園児は森で遊ぶところから始まり、小学生はクラフト、中学生はこの地域の農業、高校生になると環境について学ぶ。町内だけでなく、網走市の小学生がプログラムを受けに来ることもあるという。  もう一つ、上野さんが力を入れているのが観光客向けのツアーだ。 屈斜路湖を覆う雲海が見られる津別峠に近いとあって、早朝の雲海ツアーを行っているほか、津別町内の農地を訪れ、農業に欠かせない川の水の話やこの地域の農業の特徴などを紹介しながら、実際に農業体験をしてもらう「畑のガイドツアー」を行っている。「津別町は網走川の源流域にあり、水がキレイなので、農作物が病気になりにくいそうです。また、ここは海から上がってきたサケが海のミネラルを身体に蓄えたまま、この川で生命を繋いで力尽きるところ。つまり、この川の水で育つジャガイモはサケや海のミネラルが含まれているワケです。こうした津別町の自然や農業の関係を実感してもらうことで、この町と農産物のファンになってもらえたら嬉しいですね」 そう話す上野さんが大切にしているのは、お客さんを楽しませることで地域資源に還元・再投資すること。ツアーの収益の一部を使用料として町に貯え「ノンノの森」の木道や雲海が見える展望台の修繕費に当てているそうだ。 源流探検部も、この「ノンノの森」を歩いてみた。 木道の両側には、エゾマツやトドマツ、ミズナラ、ヤチダモなどがのびのびと枝葉を伸ばしている。倒れた木にはフカフカのコケが生え、その間を縫うようにキノコが顔を出し、エゾマツやトドマツの芽がまっすぐに伸びている。倒れた木の上は屋根を取り払ったように明るくなって、下草や低い木、幼い木は太陽光をたっぷり浴びることができるのだ。  少し歩くと、木々の間に水溜りのようなものが見えた。 湧き水だ。 多様な生き物が棲む森の豊かな土がたっぷり吸った雨水は森のあちこちで湧水となり、沢や小川を作っていく。  オホーツクの海から始まった今回の源流探検の旅。上流、中流、下流、河口の人々がともに守っている川の源流には、人々の思いまでたっぷりと蓄えたかのような豊かさが広がっていた。 撮影=田丸瑞穂 文=吉田渓
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