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未来を拓く源流新時代の幕開け ~全国源流の郷協議会~
全国各地の河川の最上流に位置する自治体が結集し、平成17年11月に「全国源流の郷協議会」が発足しました。 日本の源流域は、国土保全や環境保全の最前線に位置しており、河川の流域だけでなく、我が国にとっても非常に重要な地域となっています。 会員一同その責任を自覚し、源流域の環境などを保全に務めておりますが、源流の恵を共有する流域の皆さんと一緒に活動していくことが必要です。 当協議会では、源流地域の重要性を多くの方々に理解していただき、源流域が存続していけるよう源流基本法の制定などを提案し、その実現に取り組んでおります。
サケの川を守るオーガニック牛乳とグリーンベルト (網走川)
源流域で始まった日本初の有機酪農(網走川)
サケの水揚げ量日本一を誇るオホーツク海。 その豊かさを支えるのが、網走川だ。津別町の阿幌岳から始まるこの川は、美幌町や大空町を流れ、網走湖を満たしてからオホーツク海へ注ぐ。この壮大な流れを旅するサケに倣い、源流探検部は網走川を遡ってみることにした。  オホーツク海に面した網走市から源流域の津別町までは車で約50分、網走川の川岸から100mも離れていない場所に山田牧場があった。 父からこの牧場を受け継いだ山田照夫さんは、日本で初めて酪農家として有機J A S認証を取得した人物として知られる。ピンと伸びた背筋とハリのある声が、大地にしっかり根ざして生きている人の強さを感じさせる。 「有機酪農を始めたのは20年前です。(食品メーカーの)明治さんから『一緒にオーガニック牛乳を作ってくれないか』と言われたのがきっかけでした」
日本の酪農家として初の有機J A Sを取得した山田照夫さん。
オーガニック牛乳とは、有機栽培のエサで育てた牛から摂れる牛乳のこと。 「津別は網走川の上流でしょう。どうしても農地から土砂混じりの水が流れ込み自然を汚してしまう…。それが気になっていました。その点、有機酪農は環境に優しいですから」 と、有機酪農に踏み切った理由を山田さんはそう教えてくれた。 しかし、当初周囲は大反対だったという。 なぜならば、有機酪農は牧草だけでなく、エサとなるデントコーンも化学肥料や除草剤も使わずに育てるため、畑に次から次へと生えてくる雑草との戦いに明け暮れるという。その労力はあまりにも大きく、「少数精鋭の日本の酪農では無理だろう」というのが大方の意見だった。 しかし、「やると決めたらやるんだ」と山田さんは譲らなかった。 賛同する仲間と試行錯誤を重ね続けること5年。ついに、有機J A S認証にこぎつけた。 「やってみて分かったのは、有機栽培だとデントコーンも牧草も糖度が高くなること。それと、有機栽培の畑の土は雨が降るとスポンジのように水を吸ってくれるんです。化学肥料を使うと土が固くなって、雨が降ると表面を流れていってしまうけど、有機栽培では土が団粒構造になって、水を吸収するんですよ」  団粒構造とは、土が土壌生物や微生物の働きによって小さな土壌粒子が団子状に結び付いている状態のこと。団子状に結び付いているため、大小さまざまな隙間ができることから水を蓄えながら酸素も通し水ハケがいいのだ。保水能力が高い森林に多いのも、この団粒構造の土だ。森林と同じような土の有機栽培の畑は、雨が降ってもしっかりと水を蓄えてくれる。従って、化学肥料を含んだ土砂や水が川に流入することも防げることとなる。 山田牧場では牧草地とデントコーン畑を次第に広げ、現在は全部で54ヘクタールとなった。有機J A S認証を受けていると、いつ、どんな肥料を使ったかなど、すべて記録しておかなければならないという。牛舎には、どうしてもハエが寄ってくるが、殺虫剤は一切使わずに虫取り紙をこまめに張り替えることで対応するなど、あらゆる面で手間がかかるのだ。 「それでも、私たちは恵まれていると思いますね。今、津別町の8軒でオーガニック牛乳を作っているのですが、メーカーの明治さんがその付加価値を理解して購入してくれています。一方では、有機農業の労力や農作物の付加価値をなかなか理解してもらえないケースも多いようですから」  山田さんの奥さんが、オーガニック牛乳を振舞ってくれた。ほんのり甘くて優しい味がする。興味津々、この牛乳が作られる牧場を見せてもらうことにした。
「文句を言いにきた」相手と手を組んだ理由
「今は搾乳牛が60頭、育成牛(子牛)が40頭。自家繁殖させ、母乳で育てているんですよ」と、牛舎の入り口で山田さんが教えてくれた。 搾乳牛の大きさにもに驚いたのが、牛舎の明るさと清潔さにはビックリした。牛の糞と尿は別々に集められ、糞は堆肥に、尿は微生物を活性化させて緑のクロレラが湧いてきたら畑に撒くのだという。 次に見せてくれたのは、牛舎の裏手の広大な牧草地だ。夏色の草がどこまでも続く牧草地で、牛たちは思い思いに佇んでいる。 「うちはアニマルウェルフェア(動物福祉)を遵守した飼い方に徹しており、5月10日から10月30日までは放牧しています。牧草地で自由に動き、好きな時にエサを食べているから、牛乳も美味しんですよ。夏は牧草のβカロチンが3倍になるから、夏の時期の牛乳は特に美味しいですね」  先ほどごちそうになったオーガニック牛乳を思い出した。ここで育った牛のものならば、問題なく美味しいワケだ。
牛の尿は一ヵ所に集めてクロレラが湧くまで活性化し畑に撒く。
牛のエサとなるデントコーン畑。有機農業は雑草との戦いだ。
 津別町の有機酪農を牽引してきた山田さんは、網走川流域農業・漁業連携推進協議会(略称:だいちとうみの会)にも早くから参加している。 「最初に漁業者が津別にやってきた時は、何を言いにきたんだって思ったんですけどね。何度か話しているうちに漁業者の言いたいことが分かったんです」  津別町にはサケの孵化場が2つあるJ Aつべつでは162戸のうち8戸が有機農業を手がけているほか、20戸が減農薬に取り組むなど、環境保全型農業を推進している。 「津別町のそうした農業を、網走漁協や西網走漁協の人たちも評価してくれたんです。私たち農家も水なくして農業は成り立たないですし、自然を守らなければなりません。『だいちとうみの会』や『網走川流域の会』の活動は、J A つべつの会報誌『北の農職家』で報告して、みんなに広めるようにしているんです」  例えば、9月号では網走川流域の会が取り組んでいる農地崩落プロジェクトチームが国会議員の現地調査に同行したこと、議員同席のもと、農林水産大臣に要請書の提出を行なったことを報告している。  こうした農地は、今から30〜40年前に沢などを埋めて整備したもの。寒い地域ならではの傾斜した農地には、暗渠排水の設備が整えられていた。 しかし、もともと雨の少ない地域に近年の異常気象で集中的に大雨が降るようになり、そして設備の老朽化などもあって、網走川流域だけでも30カ所以上で農地崩落が起こっている。元々、国が整備した農地を農家が譲り受けたこと、また崩落の規模が大きいことから、農家や市町村だけでは対処できない事態になっているのだ。 この農地崩落対策プロジェクトチームには、J Aつべつをはじめとした網走川流域のJ Aに加えて、網走漁協や西網走漁協、北海道漁連といった漁業組合が参加している。サケが遡上する網走川で結ばれた農家と漁師が一緒に自然を守っていることがわかるだろう。  有機酪農、流域連携と走り続けてきた山田さんだが、牧場の経営はすでに息子さんが引き継いでいる。山田さんの今の楽しみは、最近になって始めた海釣り。漁業者との出会いが海との出会いになり、新たな世界が広がったのだ。海の人が山を訪ね、上流の人が下流に行ってみる。そうした小さな出会いこそが、つながりの第一歩になるのだろう。
大学生の一言から生まれた川を守る秘策
 網走市の隣の大空町にも、網走川流域の会に参加している農業者がいる。営農集団「株式会社大地のMEGUMI」だ。代表取締役副社長を務める赤石昌志さんを訪ねると、どこまでも続く広大な畑へさっそく案内してくれた。 「うちの会社は今、有機のカボチャとジャガイモをメインに栽培しており、また山田さんたち津別町の有機酪農家に有機栽培のデントコーンを提供しています。ここは食育の畑で、地元の小学生が有機カボチャを作ったり、東京農大オホーツクキャンパスの学生の実習にも使われているんですよ」  パワフルに語る赤石さんが有機農業に取り組み始めたは、今から30数年前のこと。 「道内のアトピーの子供を守る会から有機栽培の小麦を作って欲しいと頼まれたことがきっかけでした。我が家は酪農家でしたが、減農政策でやめることになって。牧草畑は農薬を使っていなかったから、有機栽培を始めやすかったんです」  有機農業を続けていくうちに仲間が増え「大地のMEGUMI」ができたというわけだ。取締役を務める5戸のほか、生産者として12戸の農家が参加している。
「大地のMEGUMI」の赤石昌志さん。有機農業の講演なども行っている。
広大な畑では有機栽培のカボチャがちょうど収穫期を迎えていた。
 赤石さんは早くから網走漁協や西網走漁協と対話を続け、「大地のMEGUMI」として網走川流域の会の活動にも関わってきた。しかし、実は「大地のMEGUMI」の農地がある場所は、厳密には網走川とは別の川の流域にある。 「網走川の流域でなくても、環境問題への思いは一つですから。最初に網走漁協や西網走漁協の人がきた時は、漁師と農家で喧々轟々でした。でも、喧嘩しながらも話してみると、実は表面的な問題で喧嘩をしていただけで、ちゃんと分かり合えたんですよ」  網走漁協の新谷組合長や山田牧場の山田さんと同じことを言いながら、赤石さんは笑った。 そんな赤石さんたちが川を守るために始めた試みがある。  「私が以前、東京農業大学オホーツクキャンパスで講師をしていた時、ある学生が『湖を汚したのは農家だ』という卒論を書いたのです。しかし、ただ農家が悪いというだけでは卒論になりません。そう伝えると、その学生が解決策としてグリーンベルトというものを考えたのです。農家は土地を有効利用しようと川岸ギリギリまで農地にしているため、雨が降ると農地の土砂が川に流入するんですね。そこで、川と畑の間にグリーンベルトとして3〜5m 幅の緩衝地帯を作ろうというのです。さっそく3.5 m 幅のグリーンベルトを作ってみると、畑の暗渠排水(※1)に含まれる窒素が3分の1に減ったのです。さらに、グリーンベルトを施した農地は、雨が降っても法面崩壊が発生しませんでした」  これは農家にとっても大きなメリットとなった。農地が崩れれば、その修繕のためにお金と手間をかけて直さなければならないからだ。  自然環境を守るための活動は、持続可能であることが大切だと赤石さんは指摘する。 「いろいろな人にとって短期的・長期的なメリットがあるからこそ、継続できるのです。例えば、私たちがやっている有機農業は農作物に付加価値が付くというメリットが、グリーンベルトは土砂が流れないというメリットがあります。さらに、これらによって地域の自然が守られるというメリットがあります。こうした取り組みについて私たち農家が話すと、どうしても生産者対消費者という構図で捉えられがちなんです。しかし、私たちも自分が作っていない農作物はスーパーで買いますから消費者ですし、農家ではない消費者の方も自分で野菜を育てて食べれば生産者です。だからこそ、自然を守ることは自分にも見返りがあるということを多くの人に気づいてもらえたら嬉しいですね。まずは、こうした活動に共感してくれる人を地域の中でどれだけ増やしていけるかが大切だと思っています」 安全で美味しい農作物を作ること、それを買って食べること。 その結果が川や自然を守ることになる。経済活動と噛み合っているからこそ、網走川の流域連携は持続可能なのだ。いまこそ、このような地域連携による環境保全を推し進める時なのだと、改めて思うこととなった。
(※1) 暗渠排水とは、田んぼや畑の水はけを良くするための設備とそこから出る排水のこと。
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