紅牙テンヤゲーム MXKOHGA TENYA GAME MX

スライダーで表示する
一覧で表示する
  • MH-235MT

  • MH-230MTB

閉じる

鯛に魅せられたすべてのアングラーに。

ブランド名の由来は、鯛をイメージした美しい“紅色”と獲物に食らいつく鯛の鋭い“牙”。我々を魅了してやまない特別な魚だからこそ、敬意と真剣勝負の駆け引きで鯛との真っ向勝負に挑む。「紅牙」には、そんな想いがこもっている。その領域はタイラバとタイテンヤ。どちらも一尾の鯛に向き合い一対一の勝負に挑むスタイル。「より確実に掛け、そして獲る」そんなアングラーの想いに応えるため、DAIWAは釣りを研究し、具現化する。
鯛に魅せられたすべてのアングラーに勝機と高揚感をもたらすため、「紅牙」はこれからも進み続ける。

ダイワ一つテンヤ竿として最高レベルの目感度と、 クラスを超えた操作性を追求

これまでにない目感度と操作性を追求すべく、調子を一新。穂先部ソリッドは目感度、食い込み、操作性の最適バランスを追求しセッティング。そして、軽量で手感度に秀でた『AGS』を穂先部に搭載することで、群を抜く持ち軽さと軽快な操作性を実現。ブランクに高密度カーボンSVFを採用することで、軽量化に伴う圧倒的な操作性と疲労軽減をサポート。リールシートはパーミング性能と軽量化を実現するエアセンサーシートを採用。多彩なアイテムで全国の一つテンヤ釣りを網羅する、ハイスペック一つテンヤ専用竿。


メタルトップモデル:目感度と手感度を追求した”メタルトップ”採用。
M-240MT,MH-235MT,H-230MT,XH-225MT,MH-230MTB,H-225MTB

メガトップモデル:目感度と操作性を追求した”メガトップ”採用。
MH-240,H-235,H-215

ダイワテクノロジー

感性領域設計システム [ESS](エキスパートセンスシミュレーション)
ロッドは曲がると、その方向と反対側に起きあがろうとするエネルギー(復元力)が発生します。これは、変形した(ひずんだ)ブランクが元に戻ろうとする「ひずみエネルギー」であり、竿の性能を左右する極めて重要な要素と言えます。DAIWAは「ひずみエネルギー」を解析・設計するシステムを独自に開発し「どこが優れているか」「どこが足りないか」を数値で明確に把握するだけでなく、釣り人がもつ感性の領域をも設計に反映する事が可能となり、より釣り人が求めるロッドへと近づいていきます。
SVFカーボン
SVFカーボンは、HVFより更にレジン量を減らすことで、より多くのカーボン繊維を密入し、軽さ・パワー・細身化を実現しました。
メタルトップ
SMT同様の超弾性チタン合金穂先を穂先に取り付けたことで、チタン合金ならではの金属的な超高感度を得ることが可能になりました。その感度の高さにより、通常カーボンでは得ることのできない領域の振動(アタリ・モタレ)をカバーします。
MEGA TOP
メガトップは繊維と樹脂が均一に分散するカーボンソリッドであり、どの方向にも同様の曲がりを見せます。結果、通常のカーボンソリッドに比べて強度が飛躍的に向上しました。これにより細径で柔軟、ハイテーパーな穂先を作ることが可能になり、手に響く感度はもとより穂先に表れる視覚的感度に優れるアタリのとれる穂先を実現します。
X45
キャスティング、アクション、フッキング、ファイトなどの動作の中で発生するネジレを防ぐため、長年の研究によりネジレ防止の為には従来構造(竿先に対して0°、90°)に加え「45°」のバイアスクロス(±45°に斜行したカーボン繊維等)を巻くことが最適であるとの結論に至りました。X45の搭載により、ネジレを防止し、パワー・操作性・感度の飛躍的な向上を実現しました。
AIR SENSOR SEAT
カーボンファイバーの入ったエアセンサーシートにより、軽量化・高強度・高感度を実現します。ロッドの用途に応じて専用設計がなされており、汎用リールシートでは体験できない操作性をもたらします。
AGS
軽量・高感度を実現するAGS(エアガイドシステム)はカーボンフレームを採用しており、チタンと比較して約3倍の剛性をもつカーボンの特性から、ラインを通して伝わるわずかな信号を吸収することなくダイレクトにブランクに伝える高感度を有します。また、カーボンの軽量性によりロッド全体の軽量化にも貢献し、特に穂先部の軽量化につながることで感度の向上にも追加の効果が見込めます。
V-JOINT
ロッドの継部にバイアス構造のカーボンシートを採用することで、あたかもワンピースロッドのような歪みの少ない美しい曲がりを実現します。未搭載のものに比べてパワー・張り・曲がりからの戻りの早さが大幅にアップし、理想的な調子を生み出します。

製品詳細

■穂先素材とテーパーの最適化を図り、目感度向上
MTモデル:穂先の長さとテーパー(しなやかさ、曲がり)を改良
本作では調子ごとに最適なMTの長さに設定。テンションコントロールもしやすく、目感度も向上

メガトップモデル:MHはこれまでよりしなやかな船竿初の特殊メガトップ採用
レスポンスが必要とされるHアイテムには高弾性のメガトップを採用
ソリッドをより削り込むことで目感度も実現
■超高密度低樹脂カーボンSVF採用
これまでより持ち重り感が大幅に軽減され、操作性もよく誘いやアワセのレスポンスも向上
また、チューブラー部の伝達性能の向上により、手感度が増し、アングラーの思い通りの釣りを展開
■クラスを超えた、フラッグシップに迫るデザイン
カーボンカラークロスを使用した、存在感のある先鋭的なネーム部
二重の紅牙マークも採用
■穂先素材とテーパーを改良し、目感度向上
■存在感のある、先鋭的なネーム部
■実用性と細部にも拘った精巧なナット
■感度と軽さを両立したエアセンサーシート
■脇挟み可能なバット
■グリップ素材にも拘り、持ち重りを軽減

アイテム紹介

アイテム 説明
M-240MT 軽量テンヤにも最適で、ソフトなアプローチが食い渋り時を攻略。
MH-235MT 目感度・手感度、食わせ、誘い、掛けの最適バランスを追求。あらゆる状況に対応可能。
H-230MT 一つテンヤをハイレスポンスに動かすためのパワーを備え、思いのままの誘い、瞬時に掛ける操作性を実現。
H-215 リアクション釣法に最適な、シャープな操作性と鋭敏手感度に拘った瞬息“パワーショートモデル”。
XH-225MT ハイレスポンスかつアグレッシブなリアクション釣法もこなす、深場や急流エリアにも最適なパワーモデル。
MH-240 優れた目感度と、軽快な誘いの最適バランスを追求。あらゆる状況に対応可能。
H-235 一つテンヤをハイレスポンスに動かすためのパワーを備え、軽快な誘いと掛け性能を実現。
MH-230MTB スピーディーな手返しと細かなタナ調整が快適に行える、オールラウンドベイトモデル。
H-225MTB 手返しと細かなタナ調整が快適で、ロッドのパワーを活かしたリアクション釣法も容易にこなすパワーベイトモデル。
左にスクロール
右にスクロール

付属品

・ロッドベルト
・竿袋

テスターインプレッション

茨城県鹿島での大型

福田豊起テスター

全国各地で独自の進化を続ける一つテンヤマダイ。私のメインフィールドである関東では、季節によって違いはあるものの比較的軽いテンヤのフォールを意識して釣りを組み立てている。この軽いテンヤをナチュラルにフォールさせるシーンでテンヤの状況を伝えてくれるロッドとは?千変万化するマダイのアタリをより表現してくれるロッドとは?その中でも掛かるアタリを見極めさせてくれるロッドとは?これらの問いに応えるべく、基本を一から見直した上で導きだされたのが、今回の紅牙テンヤゲームMXのMとMHの目感度を突き詰めた穂先だ。本作はⅯとMHが関東の目感度の釣り、HとXHが関西の手感度の釣り、と狙いを明確に分けている。

 まずはオールラウンドモデルとして最も守備範囲が広く、なおかつ今回のMXの根幹となるMHの2アイテム、MH-235ⅯTとMH-240からご紹介しよう。それぞれ穂先をよりしなやかに、なおかつしなやかな部分を長く取ることによって目感度の向上に努めていることは共通。DAIWAテンヤロッドを使ったことのある釣り人なら、その穂先を一見しただけでしなやかさを大幅に増幅したことに気付くであろう。このしなやかな穂先を生かすべく、ロッド全体の調子にまでメスを入れてブラッシュアップを図った。さらに、あえてメタルトップとメガトップを採用した2モデルをラインナップ。それぞれの穂先のマテリアルの特性を生かした個性は見逃せない。
■MH-235MT(メタルトップモデル)
MH-235MTはメタルトップのしなやかさからくる目感度と食い込み性能、響くような手感度の良さに加えて、ロッド全体としてスムーズな調子からくるバランスの良さが魅力。こだわりのメタルトップの穂先から穂持ちのチューブラ部をスムーズにつなぎ、きれいなカーブを描いて強力なバット部へとパワーを伝える。遊動テンヤのボトムステイ釣法時にも、そのスムーズな曲がり故の目感度の表現力が生きてくる。微妙な負荷の変化に応じて穂先の各々の部分がしっかり仕事をしてくれるイメージだ。今までのDAIWAテンヤマダイロッドとは一線を画すバランスの良さはあらゆる場面で実感できることだろう。フォールの釣りは勿論、ボトムの釣りも含めたあらゆる状況で活躍してくれるバーサタイルモデルだ。

■MH-240(メガトップモデル)
 もう一方のMH-240の穂先はカーボンソリッドのメガトップ。このメガトップだが、メガトップの中でも船用ロッドには初となるしなやかで反発の少ないものを採用。そのしなやかさによって目感度と食い込みの良さが大きく向上した。一方で、カーボンソリッドならではの操作性の高さは健在。その操作性を生かすべく、ロッド自体も軽快感と操作性優先の調子を狙った。キャストが決まることはもちろんだが、エキスパートであればその操作性の高さから意図的にテンヤの状態をアピール方向へも、ナチュラル方向へも自在に演出が出来る非常に新鮮な感覚のロッドとなっている。遊動テンヤのボトムステイ釣法時にも、カーボントップのMH-240であればその操作性と鋭い手感度が輝きを増す。DAIWAロッドファンにはメタルトップの印象が強いかもしれないが、テンヤマダイをやり込んでいるエキスパートにこそ、このロッドを一度手に取って欲しい。
 また、カーボンソリッドの持ち軽さは、モタレアタリや潮の流れを穂先の負荷で感じる際も一役を買い、宙での釣りにおいても絶大な威力を発揮する。

MHの両モデルそれぞれ目感度は、今までエキスパートがPEラインのマーカーや糸フケを見て得ていた情報をも、穂先の目感度でカバーできる領域に達したと言えるだろう。
M-240MT大型ファイト時
■M-240MT(メタルトップモデル)
その目感度の究極形がM-240MTだ。秋の極浅場(シャローエリア)で5号以下の超軽量テンヤが最高に面白いマニアックなモデルだ。浅場の小型マダイはアタリが多い一方でフッキングに持ち込むのが難しい場合が多い。ただアタリを出すのではなくより掛かるアタリを導き出すための穂先の表現力と食い込み性能。その一方で、大きくリフトしてからのフォールさせる動きのなかでのアタリでも、しっかりフッキングさせる操作性とパワーを兼ね備えており、不意にヒットした極浅場の大ダイにも臆することは無い。浅場のテンヤゲームを真剣に遊ぶロッド、それがⅯ-240ⅯTだ。ここ数年釣れ盛っている大原の秋のテンヤゲームをより楽しくしてくれるワクワクするようなロッドだ。
当初は軽い固定テンヤのフォール、すなわちバーチカルの釣りを想定して目感度を突き詰めていった穂先であったが、横の釣りにおいてもそのポテンシャル高さには驚かされた。飯岡や鹿島では遊動テンヤをメインとしキャストしてボトム付近を広く探る釣法が多用されている。シェイクしながらサビいてボトムに砂煙を上げてアピールするのか?ラインのテンションをマイナス方向にコントロールしてしっかりヘッドをステイさせるのか?フリーフォールでストンと着底させヘッドとエサを離すのか?カーブフォールでスローに着陸させフォール中のアタリを意識するのか?しっかりとその日の状況に合わせた戦術を探っていく必要がある。その際も目感度にこだわった穂先はボトムのテンヤの情報を生き生きと表現してくれる。ロッドから得られる確かな情報を基に戦術を選択して戦略を組み立てることのなんと楽しい事か。
■MH-235MTB(メタルトップモデル)
MHにはベイトモデルのMH-235MTBもラインナップ。こちらもメタルトップの目感度と響く手感度は同様。こちらは一転、春の東京湾の深場で重いテンヤを使う場合でも、力強いリフトが可能。速潮でテンヤが吹き上がるような時でも余分な糸ふけを出さずにタナを細かく微調整できる、ベイトのオールラウンドモデルだ。
これらの特徴を最大限生かすべくクラスを超えたDAIWAテクノロジーが奢られていることも今回の紅牙テンヤゲームMX見どころだ。こだわりの穂先に搭載されたAGS、カーボンチューブラ部にはシリーズ初の超高密度低樹脂カーボンSVFを採用、ESS理論設計、エアセンサーシート、並継ぎ設計といずれも操作性、感度、パワーの向上に大いに貢献している。

さらにその細部の意匠にも我々がこのロッドに思いを込めた表れが見て取れるだろう。アイキャッチとなっている紅牙ピンクのカラーカーボンクロスで彩られたネームと二重の紅牙マークが、性能の高さと存在感を主張する。ナット部はリールの脱着しやすさとデザイン性を両立しながら手当たりの良さとブランクスタッチにこだわった。

今回の紅牙テンヤゲームMXはあえてⅯとMHが関東の目感度の釣り、HとXHが関西の手感度の釣り、と狙いを明確にすることで大胆な調子の見直しに成功した。
また、ロッドはテスター陣をはじめ企画、設計を含む多くの人の想いを乗せて形になる。その中でも、今回の紅牙テンヤゲームMXの開発では若い世代の力を大いに感じることが出来た。忖度なしで釣りの理(ことわり)に準ずるロッドをひたむきに追及する彼らの姿を私は眩しく感じた。DAIWAの新世代テンヤマダイロッド第一弾となる今回の紅牙テンヤゲームMX。DAIWA最先端のテンヤマダイロッドを是非体感いただきたい。
瀬戸内テスト

畑口将大テスター

紅牙テンヤゲームMX開発にあたって
全国各地に普及したテンヤマダイだが、対象魚が同じ真鯛であるにもかかわらず、各地で真鯛の性質が異なるためにご当地メソッドが確立されている。そのため、本作は各地のメソッドにコミットするようラインナップごとに合理的なコンセプトをもとに企画、各地でのテストを行った。
私が本作を開発するにあたってテーマとして上げたのが「操作性の向上」である。
私のホームである西日本各地では、瀬戸内のリアクションテンヤといった、ご当地メソッドが確立され楽しまれている。最近では関西明石エリアでも人気となり更なる盛り上がりをみせている。
西日本テンヤマダイの特徴の一つと言えば、活エビを使ったリアクション釣法だろう。
リアクション釣法とは素早いロッドワークでテンヤを機敏に動かし、リアクションバイトを誘う釣法だ。また急流エリアを狙うことが多いことも西日本エリアの特徴だろう。
リアクション釣法をするため、急流エリアに対応するためには必然的に、ロッドの操作性は最も重視される要素となる。

テクノロジー面での進化
本作の紅牙テンヤゲームMXは、操作性を上げるためのDAIWAテクノロジーが各所に搭載されている。ブランクスにはぜい肉をそぎ落とした超高密度カーボンである「SVF」を採用。リールシートにはEXと同じ軽量化とホールド性の両立できるエアセンサーシートを使用。掌で直にロッドを持つリールシートのホールド性向上により、力を入れやすく握りやすいので、ロッドを上へ煽る誘いの多いテンヤマダイでの操作が非常にしやすくなっている。
このような様々な工夫と進化によって操作性が飛躍的に向上している。

これらのテクノロジーは操作性だけでなく、魚や地形のシグナルを感じる手感度向上にも繋がる。更に手感度を向上させるテクノロジーとして、穂先には軽量高感度のAGSを搭載。穂先素材には超弾性チタン合金のメタルトップやカーボンソリッドのメガトップが採用されている。
ここで、本作に搭載されるメタルトップとカーボンソリッドのメガトップの特徴について説明しておきたい。

■メタルトップ
メタルトップの特徴はなんと言っても目感度と手感度、食い込み性能の両立だ。
メタルトップはカーボンソリッドと比べしなやかだ。つまり、メタルトップはカーボンソリッドより食い込みや目感度が良いということだ。一方で、竿の基本原理としては、しなやかであるほど手感度は薄れ、硬いほど手感度が出る。
しかし、メタルトップはしなやかでありながら、手感度に優もれている。メタルトップの妙義はここにある。メタルトップは振動を増幅する性質があるため、しなやかであっても高い手感度を実現できるのだ。カーボンソリッドも手感度は良いのだが、これは素材の硬さに起因するものだ。
メタルトップモデルは目感度+手感度の総合感度と食い込み性能に優れていると覚えておいていただきたい。

■メガトップ
次にカーボンソリッドであるメガトップ。メガトップの良さはなんと言っても軽さと反発力からくる操作性の高さだ。
カーボンはグラスに比べ軽い。竿を立てて操作するテンヤマダイにおいては、この軽さは操作性の高さに直結する。
そして、カーボンソリッドは反発力が強い。反発力の強さは、テンヤを機敏に動かすために大きく役立つ。釣り人の入力に対し、レスポンスよく反応してくれるので自在にテンヤを操作できるのだ。
また、カーボンソリッドは硬いため、手感度にも優れている。メガトップモデルは操作性と手感度に優れていると覚えておいていただきたい。
これらの特徴は、勿論調子によって異なる部分もあることは留意してほしいが、以上が基本的な特性である。

さて、今回のAGS、前作では穂先に4.5サイズを使用していたが、PE0.6号~1号がメインラインのテンヤマダイにおいて最適化すべく4サイズに変更。ガイドの配置や高さも見直しすることで、ラインの抜け感を損なうことなく目感度と操作性の向上に繋げている。

リアグリップは前作と比べて長めに設定されているので、重心位置が手元に寄り、操作性の向上に寄与するうえ、脇挟みもしやすく、てこの原理で更に軽い力で魚とのやり取りを楽しめるようになっている。
このように、前作から劇的に生まれ変わることになる紅牙テンヤゲームMXだが、多くのテクノロジーを生かすも殺すもロッドの調子が重要である。
そこで本作はDAIWAならではのテクノロジー「ESS」を搭載。私たちテスターの感性を解析、数値化し、操作性が向上する調子(竿の曲がり方)とはどのようなものかを明らかにすることで、操作性の向上を追求できた。
前作は、ある程度の水深とテンヤの重さ、更には潮の重みが入ると誘いを入れたあと、穂持ちからティップの復元が遅く、抜けの悪さと操作感のダルさを感じていた。
それらを排除し操作性を高めるためには、穂持ちからティップにかけてある程度張りの強さが必要になる。しかし、張りを強くするだけでは手に掛かる負担が大きく本当の操作性の高さに繋がらなかった。
ロッドを何分割かに分け、調子の違うブランクスとソリッドを幾度と無く組み合わせ、何度も船上でトライ&エラーを繰り返した、そして、張りの強さを逃がす事無く復元力に変換することで、非常に快適で軽やかな操作性になる調子を各ラインナップモデルで引き出すことが出来た。
テストサンプルにおいて、特に慎重に吟味したのはがバットパワーと軽量感のバランスだ。真鯛の固い口を貫く為のフッキング力、早潮や深場でも損なわれない操作性、大鯛相手にもしっかりリフトするパワーを持ちながらも曲がりこみ、強烈な引きや鋭い首振りをいなしてバラシを防ぐ絶妙なバットパワーを各ラインナップに合わせて仕上げた。パワーを落として軽量を狙ったサンプルも作成したが、テンヤの操作感や大鯛とのやり取りでパワー不足感が否めなかった。
軽量な竿ほど、店頭で手に取った際に操作性が良いように感じるが、実際に竿を曲げこむとパワーのない竿がなんと多いことか。本作の軽さとパワーの絶妙なバランスは一度魚とのやり取りをしていただければすぐに感じ取れるはずだ。

そんなテストを重ねて拘り抜いたトップとバットを繋ぐ継部は、Vジョイントが採用されている。綺麗に曲がりこみ、力がスムーズに伝わることで、求めていた本当の操作性を纏うことが出来ている。
アイテムごとの特性
私がホームとする西日本エリアのリアクション釣法を始めとしたロッドワークを多用する釣り、ではHやXHのパワーランクをオススメしたい。
水深から考えてスピニングのMHを選択してしまいそうだが、スピニングのMやMHのは関東エリアを中心としたフォールの釣りに合わせたチューニングだ。HクラスやXHクラス、そしてベイトモデルは西日本のリアクション釣法に照準を合わせて、機敏なロッドワーク時の操作性が高くなるようにチューニングされている。

■H-235 「操作性重視の西日本オールラウンダー」
水深は2m~90m、テンヤの号数3号~20号と幅広く対応出来るオールラウンドなアイテムになっている。
穂先にはこれまでテンヤマダイに採用してこなかった高弾性のメガトップを採用。非常にレスポンスが良く、持ち重りのない軽快な操作性と突き刺さるような手感度が特徴だ。軽い力でテンヤを飛ばしたり、ティップや穂持ちでラインスラッグを弾き、機敏にテンヤを動かしたりと、リアクション要素を入れた誘いが多い西日本で活躍間違いなしと言えるモデルだ。ソリッドの先端だけを0.7㎜まで削り込んであるので、軽量テンヤの着底や低活性時の居食いなど、小さな穂先の動きを見逃す事も無く、目感度で捉えやすい。
抜群の操作性と感度を活かして、リアクション釣法では特に力を発揮するだろう。

■H-230MT 「感度重視の西日本オールラウンダー」
穂先にメタルトップが採用されている為、目感度、手感度ともに捉えやすくなっている。
H-235と同じく水深は2m~90mテンヤの号数3号~20号と幅広く対応出来るオールラウンドなアイテムである。しかし、水深の深いエリアなど、手感度だけでは捉えにくいシグナルも、メタルトップならではしなやかさにより、目感度でしっかり捉えることが可能だ。  
この目感度+手感度の総合感度の良さを活かし、若干深いエリア60m~90mでより威力を発揮するが、穂先と穂持がスムーズに曲がってくれるため、重たいテンヤをリフトする際には穂持ち部が力を吸収しながらもオートマチックに跳ね上げてくれることで非常に軽く操作することが可能となっている。

同じオールラウンダーのH-235とH-230MTであるが、操作性を求めるならH-235、総合感度(目感度+手感度)を求めるならH-230MTという考え方で選んでいただればと思う。

■XH-225MT 「急流・ディープエリア対応の西日本パワーモデル」
XH-225MTは西日本での各エリアで増えている80mを超え、100mにも達するようなディープエリア、急流エリアに対応するアイテムだ。
ディープエリアの物理的に遠い場所からの魚のシグナルは、通常の穂先(カーボンソリッド等)では伝わりにくい。超弾性チタン合金のメタルトップは抜群のしなやかさ故に目感度に捉えることは勿論、その本当に小さな領域の振動を増幅し、手感度でも伝えてくれる。
そして、XHのパワーをしっかり活かせるように若干短めのレングスになっているので、深い水深や急流エリアでも潮の重みに負けることなく、思いのままに誘いを入れ続けることが出来る。フッキングのレスポンスが非常に高いのも魅力のひとつだ。
H-215テスト 水深2mにて
■H-215 「瀬戸内リアクション釣法スペシャル」
水深2m~30mのスーパーシャローエリアのリアクション釣法向けに開発したアイテムだ。リアクション釣法の真髄を味わうなら、このアイテムで間違いない。
2m15cmというショートレングスに加えて高弾性メガトップ搭載、最適な張り感で圧倒的な操作性と手感度を実現している。瀬戸内中央部では、リアクションの誘いも常にバージョンアップされていくなかで、近年では底から50cm以内というボトムベタベタでの多彩なアクションを組み合わせることでアタリを出し釣果を伸ばすのがセオリーとなっている。
ボトムから鋭く一度シャクリを入れてテンヤを飛ばし、フリーフォールで落とすボトムバンプ釣法。穂先で鋭くラインスラッグを弾きテンヤを初動だけ動かしてテンションを抜く慣性ダート釣法。ボトム付近でティップをフワフワゆらしてテンヤを小さく躍らせ続けるボトスト釣法。高活性時には2段シャクリでテンヤを1mほど大きく飛ばしてアピールする元祖リアクション釣法など多彩でテクニカルなアクションを使い分けて鯛に口を使わせるのが最新のリアクション釣法だ。

このような誘いを入れるのに支点が手元に近いショートレングスは取り回しやすく、繊細なロッドアクションを行いやすい。ショートレングスであるH-215は、操作性の高さが圧倒的に優位に働くだろう。
一般的なテンヤマダイ竿のレングスで機敏なアクションを入れ続けるには、腕に負担がかかる。一般的なレングスは上下の誘い幅を確保するために最適化されているが、ボトム付近を狙うリアクション釣法においては、H-215 のショートレングスは全くデメリットにならない。ショートレングスであるからこそ、より繊細で機敏なアクションを軽い力で入れ続けることが可能だ。この差がシビアな状況下で大きな差を生むことになる。
また、シャローエリアではキャストして広範囲に探りを入れることが定石だ。船べりの低い瀬戸内の遊漁船では満船時など竿を斜めに倒してのアンダーキャストが困難な場面もあるだろう。しかし、2m15cmのショートレングスなら取り回しやすく隣の方や船べり、水面に干渉することなく思い通りのアンダーキャストを行える。フリップキャストやピッチングもおすすめだ。
高弾性メガトップ、SVFチューブラーに加え、キャスト時のラインの収束にこだわったガイド配置と穂先部AGSによる爽快なキャストフィールでストレスフリーにキャストが決まる。
更には、ショートレングス化により物理的距離感も近いため、ロングロッドと比較して、目感度、手感度も非常に感じ取りやすい。フッキングに必要なパワーポイントへも瞬時に到達することで、圧倒的なフッキングスピードで即掛けが出来る超攻撃的テンヤマダイロッドとなっている。
■H-230MTB 「パワーオールラウンドベイトモデル」
ベイトモデルのメリットといえば、クラッチ操作による棚調整ができることと、巻き上げ力を活かした手返しとファイト性能だ。
このメリットを活かせるのは、水深30m~90mで、ボトムでの釣りを展開する場面だ。水深があるポイントでは、シャローエリアよりキャストの有効性は低い。またボトムを狙うポイントでは、水深の起伏に瞬時に対応できるベイトモデルを使うことで、タイムロスなくストレスフリーにタナをキープすることが可能だ。そして水深があるポイントで鯛とファイトする際には、長い距離を巻いてきても疲れにくいリールのパワーが必要となる。ベイトリールはスピニングリールより巻き上げパワーが強いため、ファイトではベイトリールに分がある。
瀬戸内エリアにおいて、シャローエリア用にスピニングのH-215、ディープエリア用にベイトのH-230MTBという組み合わせで持っていれば、幅広い状況に対応できるはずだ。
また、昨今流行りつつある「テンヤアマダイ」においても、重いテンヤに対応可能なベイトモデルが有効だ。

紅牙テンヤゲームMXに込めた想い
テンヤマダイはエビが付いていることでアタリも多く、軽量かつ手軽なタックルで引き味の強い真鯛などを狙えることから、初心者から上級者まで幅広い層に人気な釣方である。
しかし、若干のレンジの違い、誘いの入れ方、テンションの入れ方、フォールスピード、誘いとフォールの繋ぎ方などでアタリの数、アタリの質が変わってしまう。
繊細な誘いでアタリを引き出す操作性と、テンヤマダイの醍醐味であるアタリを感じてからのフッキングを行うための感度とバットパワーのバランスをまとめ上げることが出来ているのが紅牙テンヤゲームMXだ。
「こんなテンヤ真鯛ロッドが欲しかった!」と思って頂けるロッドに仕上がっているので是非とも手に取ってフィールドへ繰り出して頂きたい。

発売月

2025.02
2025.05=H-215

製品スペック

アイテム 全長(m) 継数 仕舞寸法(cm) 標準自重(g) 先径/元径(mm) テンヤ負荷(号) 適合ライン PE(号) カーボン含有率(%) メーカー希望本体価格(円) JAN
紅牙テンヤゲームMX M-240MT・J 2.40 2 125 104 0.6/10.7 1~12 0.4~1.2 98 48,000 4550133453366
紅牙テンヤゲームMX MH-235MT・J 2.35 2 122 107 0.6/10.7 2~15 0.4~1.2 98 49,000 4550133453373
紅牙テンヤゲームMX H-230MT・J 2.30 2 120 107 0.6/10.7 3~20 0.6~1.5 98 50,000 4550133453380
紅牙テンヤゲームMX XH-225MT・J 2.25 2 117 107 0.6/10.7 4~30 0.6~1.5 98 51,000 4550133453397
紅牙テンヤゲームMX MH-240・J 2.40 2 125 105 0.7/10.7 2~15 0.4~1.2 99 47,000 4550133453403
紅牙テンヤゲームMX H-235・J 2.35 2 122 108 0.7/10.7 3~20 0.6~1.5 99 48,000 4550133453410
紅牙テンヤゲームMX MH-230MTB・J 2.30 2 120 111 0.6/10.7 2~20 0.6~1.5 98 50,000 4550133453427
紅牙テンヤゲームMX H-225MTB・J 2.25 2 117 111 0.6/10.7 3~25 0.6~1.5 98 51,000 4550133453434
紅牙テンヤゲームMX H-215・J 2.15 2 112 93 0.8/9.8 3~20 0.6~1.5 99 47,500 4550133545900
  • メーカー希望本体価格は税抜表記です。
左にスクロール
右にスクロール
※メタルトップご使用上の注意
■メタルトップの温度変化について
超弾性チタン合金は素材の特性上、5℃以下の低温環境では弾性が低下し、穂先の戻りが遅くなってくるという事象が起こります。早朝・夜間の極端な冷え込みや風の影響で、気が付く程度の曲がりが生じることがあります。更に0℃以下の環境で弾性低下は、より進行し穂先が曲がったまま戻らない現象が起こります。いずれの場合も気温が上昇すれば本来の超弾性に戻り通常のご使用が可能になります。
■過度な屈曲を生じるようなご使用はお避けください
メタルトップは、通常操作においては快適にご使用いただけますが、巻き込み・穂先の糸がらみ等外的要因による過度な屈曲には、クセ(塑性変形)が残ったり、また金属疲労により破損する可能性があります。
■万一のクセは、手で修正できます
万一クセが残った場合は、曲っている側と逆の方向にゆっくり曲げることで、修正ができます。ただし、クセの修正を繰り返しますと金属疲労の原因となりますので、巻き込み等クセが残るような操作はお避けください。

快適にご使用いただくため、取扱説明書は必ずお読み下さい。