■6102LFS-AGS13 【冴掛 Level direction】
村上晴彦がAGS(エア・ガイド・システム)のアドバンテージを最大限に生かそうと研究を重ねた結果生み出された意欲作。ひとことで言えば0.8号のPEライン+1.5号のフロロリーダーで50アップを釣るための竿である。「軟らか強い」と、本人はいつものように独自の表現方法でこの竿を語ってくれたが、要するにパワーが変幻自在に移り変わり、釣り人の意図を忠実に反映してくれるということ。だから、軟らかい竿として使いたい時、強い竿として使いたい時、それぞれに言うことを聞いてくれる。「そやからリールを無茶苦茶巻け、魚の顔をこちら側に向けさせることができる」能力を持っている。
ベースは今なお名竿として語り継がれるHL-Z 682LFS-ti 冴掛 Midge direction。これにAGSをコラボさせることにより、PE PERFORMANCEコンセプトのさらなる進化を見た。PEラインにありがちなライントラブルを極限まで低減させ、超軽量リグを気持ちよく扱うため、2000番サイズ以下のスピニングリールと細糸PEの使用を前提に、ダイワ独自のAGSと村上晴彦の理論が融合したこだわりのオリジナルガイドセッティングを施した。AGSの軽さがブランクのポテンシャルを最大限に引き出し、キャスト時の空を切るようなシャープな振り抜けを実現させた。村上が「シュッとまっすぐに飛んでいくで」と評したように、そのフィールは異次元の気持ち良さ。そしてティップ部のブレの少ないライン放出はアキュラシーキャストを生み出し、一般のチタンやSUSフレームガイドよりも高剛性ゆえ、感度も向上。
さらに穂先にはしなやか且つ鋭敏なメガトップを搭載し、チューブラーにはブランクのネジレを極限まで抑えるX45を纏っている。感覚はオールソリッドに近いが、ベリー~バットはチューブラーなので驚くほど軽い。魚を掛けてからも、ガイドがたわまない分、竿がキチンと仕事をしてくれ、穂先から徐々に曲がって美しいカーブを描く。このよどみない曲りはダイワの技術の結晶であるV-JOINTとヘラ合わせの賜物。冴掛 Midge directionを6’10”という絶妙なレングスに延長することで、より幅広いフィールドに対応できるようになった。驚くのはシャッド等のプラグのトゥイッチやジャークにも穂先が負けないこと。したがって、使用ルアーの幅は意外に広い。結果として、これ以上ないと思われるライトリグ万能の「遊び竿」が完成。「今日はこの竿で気持ちよく遊んでみたい…」そんな趣味の世界を最高に満喫させてくれる一竿である。 |