【効率よくタナを釣れ!】
どの魚がもっとも美味いのか論議となると、アジは最強クラスではないだろうか。刺身でも、焼いても、フライでも、干物にしたって美味い。しかもスーパーで買うよりも、自分で釣って丁寧に処理したものの方が何倍も美味いことは、むしろアングラー諸兄の方がよくご存知だろう。ああ、想像しただけで…。ということで、食をグイグイと前面に押し出しつつ、みなさんをさらにアジングの世界へディープに引きずり込んでいくとしよう。アジがルアーターゲットの仲間入りをして随分経つ。最初はメバルタックルの流用から始まり、今ではアジにフォーカスした釣り方が生まれ、それに伴って専用タックルが数多くリリースされているが、代表的な釣り方としては3つある。
1.縦の釣り
まずは効率よく棚を縦に探ることのできる「縦の釣り」を挙げねばなるまい。もちろん常夜灯は夜釣りにおける最高のポイントであることは、誰にでもわかっている。つまり激戦区。イージーに口を使うアジは、まずいないと考えていい。けれどもアジは、エサの寄る明かりの限られた狭い範囲内にいる。そんな狭いエリアにひしめくアジを獲るためにはどうするか? アジの微かなバイトを鋭敏に察知するために軽量のジグヘッドリグを使うのだ。ロッドも短めの、感度がビンビンの張りのあるものを組み合わせる。リフト&フォールやシェイクといったテクニックを駆使し、少しでも違和感を感じたら積極的に掛けていくのである。 |
2.横の釣り
同じ常夜灯まわりのジグヘッドを主体とした釣りでも、アジが高活性で浮き気味のときは「横の釣り」の方が断然、効率がいい。これは着水したらそのままリトリーブしてくるという、いわばド定番の釣りである。「縦の釣り」に使うロッドでももちろん可能だが、張りのあるロッドだとバイトを弾いて乗せ切れない場面が出てくる。しなやかなティップを持ち、スイープにフッキングできるロッドが最適である。 |
3.マルチな釣り
どうしてもジグ単が出来ない場合、大物狙いの場合はどうか? ジグ単では攻めきれないディープエリアの攻略、沖の潮目や流れを狙うなどのポイントが遠い場合や、風の強い日にはリグに重さがほしい時などは、アジが吸い込みやすいように針まわりは軽量にしておきたい。つまりジグヘッドを重くするのではなく、キャロやスプリットなど、中間部分にオモリを組み込むリグを使用することになる。するとリグ自体が重く、長くなるので、ロッドは7フィート台中盤から8フィートの長さで、パワーのあるものを用意したいところだ。それにひと口にアジといっても、手のひらサイズから40~50cmのメガ級まで、サイズはさまざま。こういったリグや、初めから大物狙いのメタルジグを扱えるパワフルなロッドながら、「マルチな釣り」ができる。 |
3つの違うシチュエーションがある。この3つはひと晩のうちに十分起こりえることだ。さて、タックルはどうするのか?1セットでまかなってしまうのもひとつのやり方だ。その場合は、大は小を兼ねる方式で、「マルチな釣り」に使うタックルを選択するのがもっとも汎用性が高いだろう。もちろん「縦の釣り」しかやらないと割り切り、状況に対応できなければ潔く帰るという考え方もあるだろうが、せっかく出かけるのにちょっともったいない話ではないだろうか?アジンガーの間では、複数のタックルを持ち込むのはもはや常識なのだ。逆に、この何本かのタックルがあれば、アジングで起こりうるほぼすべての場面をカバーできると断言しよう。さて、この3種類の釣りに最適なダイワのアジングロッドシリーズに仲間入りした「月下美人アジング」。性能はどうなんだって?月下美人の名を冠するのだから、もちろん下手なものを送り出すつもりは一切ない。ロッドを使い分けることでアジングの奥深さを諸兄にもっと楽しんでいただける一助になれば、われわれとしても無上の喜びである。 |