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TECHNOLOGY STORY

STORY #03

防水・防塵と回転性能。矛盾の両立。防水・防塵と回転性能。矛盾の両立。

初動が軽い。いつまでも軽い。

  • パッキン防水あり

    パッキン防水なし

    メインシャフトの軸受け部にはマグシールドが配されている。「液体」の磁性流体「マグオイル」で作った膜を磁力で保持することにより、摩擦が生じず回転性を阻害しない構造を実現

  • パッキン防水なし

    パッキン防水あり

    パッキンによる機構は、防水・防塵性能こそ高いレベルで果たしてくれるが、どうしても駆動部に「固体」を接することで密閉するため、摩擦抵抗が生じてしまい、リトリーブ時の巻き重りや回転性能の低下に繋がっていた

  • ローターの軽量化あり

    ローターの軽量化あり

    マグシールドが完全な防水・防塵を果たすことでローターのカバーとしての役割が不要となり、大胆な軽量化が試みられた。後のエアベールにも繋がる画期的な変革

  • ローターの軽量化なし

    ローターの軽量化なし

    マグシールド以前のローターには水の飛沫や砂塵を防ぐカバーとしての役割もあった。安心感はあるがローターの重さが増すぶん、自重が増えるだけでなく、慣性の力が働くことによって巻きはじめに重さを感じてしまう

滑らかで軽くノイズのないリトリーブは、多くの釣り人がリールに求める最も必要な性能のひとつ。鋭い衝撃としての感度は竿先でも感じ取れるが、水流のわずかな変化や潮目など繊細な情報は、リトリーブ中にハンドルをつまむ指元にこそ伝わってくる。だからこそ、釣り人は巻き感にこだわる。

ところが、理想的な巻き感は、思いのほか簡単に損なわれてしまう。初期状態が良くても使い続けるうちに砂塵や結晶化した塩が駆動部のわずかな隙間に入り、嚙んでしまえばそれで終わり。水の浸入がギアを錆びさせるような深刻なトラブルには至らずとも、防水・防塵が甘ければ簡単にリトリーブ時のノイズは生じてしまうものだ。

2001年、ダイワは初代ソルティガにパッキンを用いた新たな防水機能を施した。それは防水・防塵機能こそ十分に果たしたが、駆動部とパッキンとの摩擦が抵抗となりハンドルの回転がわずかに重くなるという課題があった。

さらに開発を重ねること9年。パッキンを用いず、だからこそ摩擦抵抗も生じない、革新的な防水・防塵性能が世に降りた。それがマグシールドだ。

マグシールドによる防水・防塵への自信は、開発陣をローターの大胆な軽量化に向かわせた。軽量化のみならずローターの慣性の力が大幅に軽減され、初動時の巻きが格段に軽くなった。

これにて滑らかで軽くノイズのないリトリーブが手に入り、しかも長期的に損なわれない夢の時代に突入した。

それがマグシールドの時代である。