このモデルの開発を手がけた長谷川耕司がセッティングするリグは2.5グラム以上のシンカー、最重量級で14グラムも辞さないダウンショット。フックはオフセット#2。リアクション要素が強いようにも映るが、食わせとの両面での攻略を可能にする2WAYワームであることを強調する。
「リーダー部分のラインスラックを弱く弾けばワームはその場でヒラ打ち、いわばロールを続け、強ければ前後にトリッキーに移動」。
まるでハードルアーを彷彿とさせ、ワームでは他に類を見ない独自のアクション。ワーム設計の方程式上、通常では成立し得ない2つのアクションを両立。不可能を可能にしたのは、長年に渡り築き上げてきた長谷川の濃密な経験値によるところが大きい。
「ソフトなマテリアルを採用して食い込みやすさを実現しながら、背中側の両サイドに立てたタテ方向のリブ、腹側に設けたスリットが背骨の役割を果たしアクション時の曲がりを防ぐ張りをキープ」。
スラックを弾けば通常ウネるかのように思えるソフト素材のワームがまるで硬直しているかのようにも見える。
「上下のロッドワークで両リブに挟まれた背中のフラット面が水を受け、弱く弾けばワームが曲がれないために力は左右のロールへと逃げ、強ければ受け流して前後への移動を促す」。
ボディ設計に力学的エネルギーを応用した形だ。ネーミングの”クワトロ”とはラテン系の言語で数字の“4”を意味。由来は現物画像をご覧の通り、太陽光でボディを透かすと2重の濃淡で4層のカラーを見せているのが分かる。アクションを加えた時、それらが明滅及び色調変化でターゲットを誘う。
「特筆すべき性能は4つ以上」。長谷川の意欲作に今こそ刮目せよ。
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