“TWS meets SV”その絶大なる相乗効果とは
2016年、初代から10年の時を経て、いよいよSTEEZが第2世代へと突入する。
ロッドはここまでに解説してきた通り、全7モデルが登場することになった。全機種を一気にフルモデルチェンジすることはなく、初代の風格を残しながらも最新のテクノロジーで武装。初代と並べて使っても違和感はない。時代のニーズに応え、従来機種にファインチューンを施したモデル、また新たな釣法に対応するモデルを、いわば追加したとも言える展開だ。
一方で、STEEZベイトリールは革新的な進化を遂げることになった。初代モデルの後期、世に大きな話題を呼んだ画期的スプール構造・SV機構を搭載。バックラッシュ皆無で、超軽量ベイトフィネスクラスからビッグベイトまでと実に守備範囲が広い。素材は超軽量のG1ジュラルミンを採用したΦ34mmで、さらなる高回転性能を発揮すると共に高い強度を発揮する。またタトゥーラやNEWジリオンに搭載されたターンアラウンド式のTWSを搭載。大口径のレベルワインドがラインの放出を妨げず、収束によるトラブルを防ぎながら遠投能力やフリーフォール性能を存分に発揮する。ここにDAIWAベイトリールが誇る最先端技術が融合したのだ。
TWSとSVの融合。はたしてそこには、どんなビッグバンが発生するのか。
「TWS+SVは足し算にとどまらない」DAIWAベイトリール開発エンジニアはこう語る。先にも解説したが、いずれの機構もトラブルレスがキー。SVは軽量かつ高精度スプールによって回転性能を向上すると同時に、使用するルアーに応じてブレーキ力が適宜決まる。一方のTWSはスプールから放出されたラインをT型のレベルワインドが抵抗なく先へと送り届けるものだ。バックラッシュとは、スプールに最も近い抵抗源であるレベルワインドがラインの放出を妨げる一方で、勢いを増したスプールが回転し続けることで発生するトラブル。最適なブレーキ力を持つSV、ライン放出力に優れたTWSという攻守が揃うことで、大きな相乗効果を生むことは想像に難くない。実に画期的な機構だ。
メカニカルブレーキはもはや最低限の操作で十分。一度スプールにガタが出ない程度に設定すれば再び触る必要はないゼロアジャスターを搭載。超軽量マグネシウム素材を採用したエアメタルボディで、高い支持剛性を発揮。手のひらに収まるコンパクトボディながら、従来よりさらに1サイズ大型のドライブギヤを搭載して巻き心地と耐久性をも向上。マット(艶消し)ながら光輝性を持つ新色を採用した2代目は外観のみならず、機能も存分に訴求したモデルに仕上がった。
気になる自重は、初代とほぼ同じ160g。TWSや大口径ギヤなど重量増は免れないパーツが増えたにも関わらず、同程度をキープしたのは各部素材の見直しの成果。一時は130g台へのチャレンジも検討したというが、「最高の使いやすさ」を求め不用意な軽量化には挑まず、存分な剛性感と高い耐久性、確かな質感を追求したのだ。 |