2021.12 DEBUT
高強度真鍮をドライブギアに、そして、
高耐食銅合金をピニオンギアに採用した
新たなHYPERDRIVE DIGIGEAR搭載で、強く滑らかな回転を実現し、
HYPER ARMED HOUSING(FULL AL)でコンパクトながら、
強靭なボディ剛性を実現。
新開発Φ34mmG1ジュラルミン製超高精度MAG-Z BOOSTスプールを搭載し、
ロングキャスト性能を極める。
Feature 01
MAGFORCE-Zブーストは
MAGFORCE-Zの遠投性能を極限まで引き出した飛距離重視のセッティング。
MAGFORCE-Zは遠心力でインダクトローターを作動させる特性から軽量級ルアーには不向き。
一方で中・重量級ルアーの遠投には最適で、入力した分だけ飛距離が伸びる。
そこにBOOST革命。
バックラッシュゾーンを回避した後、瞬時に1段階戻ることでキャスト中盤~着水間際まで
伸びやかな弾道で最大飛距離を実現させた。
TWS
TWSは、スプール回転数が一番上がるスプール至近のラインガイドでの抵抗を大幅に削減し、バックラッシュの少ない、快適な釣りを約束する。よく飛び、コントロール性が上がり、フォールも速く、バックラッシュが少ない。TWSはベイトリールの全ての基本性能を向上させる。
UTD
ドラグ効き始めの初期の食い付きを解消し、スティック(ムラ)のない滑らかさを実現しながら締めれば締めるほど効く最大ドラグ力を兼備する。
G1ジュラルミン製スプール
マグネシウムの2倍、超々ジュラルミンの1.3倍の強度を発揮するG1ジュラルミンという特殊アルミ系合金。その超軽量かつ優れた剛性を維持するマテリアルは、航空機の構造材や精密機器等にも採用される軽量合金の最上級グレード。同強度を維持するなら圧倒的な軽量感を実現するため、スプールの巻糸面にブランキング加工せず肉薄化のみで存分な強度の維持が可能だ。軽さがもたらす回転レスポンスの高さ、高剛性による正確無比な回転は他の追随を許さない。
ゼロシャフト
スプールはBBによって支えられているのみ。シャフトレスにより余分な抵抗がゼロになり理想のスプール回転が得られる。つまりはキャスティング性能を最優先した高出力エンジンの要。かつてスピードシャフトと呼ばれたスプール機構は2021年、その名も新たに「ゼロシャフト」と名付けられる。
ゼロアジャスター
はじめに“ゼロアジャスター”を調整し、“スプールガタ ゼロ”設定を実施することで、マグネットブレーキの進化により全てのルアーをマグダイヤルのみで制御することが可能となった。
“ゼロアジャスター”は、釣りを開始する前に“ゼロ設定”に調整することで、釣りの間に誤作動が起こることなく、快適に釣りを楽しんで頂くための機構。
※“スプールガタ ゼロ”設定とは、微細なガタつき(0.2mm程度)を残した状態で、スプールを押さないギリギリの設定のこと
ドラグ引き出しクリック
ドラグ引き出しクリックとは、魚とのファイトでラインが引き出される際、ドラグ作動を音で判別できるようにクリックが鳴る構造。
品名 | ギア比 | 巻取り長さ (cm/ハンドル1回転) |
自重 (g) |
最大ドラグ力(kg) | スプール寸法 (径mm/幅mm) |
標準巻糸量 | ハンドル長さ(mm) | ベアリング (ボール/ローラー) |
価格(¥) | JANコード | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ナイロン・フロロ(lb-m) | PE(号-m) | ||||||||||
1000H | 7.1 | 75 | 200 | 6 | 34/24 | 16-100 20-80 |
1.5-200 2-155 |
100 | 10/1 | 51,700 | 4550133215643 |
1000HL | 7.1 | 75 | 200 | 6 | 34/24 | 16-100 20-80 |
1.5-200 2-155 |
100 | 10/1 | 51,700 | 4550133215650 |
1000XH | 8.1 | 86 | 200 | 6 | 34/24 | 16-100 20-80 |
1.5-200 2-155 |
100 | 10/1 | 51,700 | 4550133215667 |
1000XHL | 8.1 | 86 | 200 | 6 | 34/24 | 16-100 20-80 |
1.5-200 2-155 |
100 | 10/1 | 51,700 | 4550133215674 |
*スペック表は横スクロールしてご覧ください
■巻取り長さはハンドル1回転あたりの長さです。
■巻糸量は目安であり、メーカー・アイテム・テンションにより異なります。
前田 純 & 内山 幸也
その名は「無限の耐久性」
酷使によって現れる真価
2020年12月の発売直後からZILLION SV TWは「先代より明らかに飛距離が伸びる」という評価を得てきた。巻き心地に関しても「なめらかでパワフル」「リールから得られる情報量が増えた」と絶賛する声が多い。「飛びのSV BOOST」と「巻きのHYPERDRIVE DESIGN」を多くのアングラーに体感してもらえたことはDAIWAのリール開発陣にとって至上の喜びだ。そして現在、発売から最長1年間使い込まれてきたZILLIONは、もうひとつの真価を発揮し始めている。それは「耐久性」だ。
物質であり機械であるリールは劣化を避けられない。しかし、1年間酷使したくらいで感じられるほどの性能の衰えは、ZILLIONには起こっていないはずだ。HYPERDRIVE DESIGNは「初期性能が長く続くことを目指した設計思想」。その真価は、使い込むほどに現れる。
前田純「僕が1年間で釣りをする時間や道具の酷使の仕方は、一般的なアングラーの数年分、もしかしたら一生分に匹敵するかもしれません。そんななかで僕は、ZILLION SV TWを2020年の冬からあえてノーメンテで注油もせずに使ってきました。これはテスターの仕事として、ですので、皆さんはちゃんとメンテしてください(笑)。でも、ノーメンテで使い込んだZILLIONが今どうなっているかというと、ノートラブルで、使用感も新品のときとほとんど変わんない。この“変わんない”ところが、17モデルからイチバン変わった部分ですネ」
さらなるタフユースを想定
ガイド前田の酷使にも耐えるZILLION SV TWをベースに、さらなるタフユースを想定した強化版がZILLION TW HD1000だ。高強度真鍮製ドライブギアと、高耐食銅合金製ピニオンギアの組み合わせは、重量は増加してしまうものの、耐久性の面においてはDAIWA最強のセットアップである。このギアを活かしきるために、アングラーからの入力値を上げる装置として100mmのロングハンドルを標準装備。パワーラウンドEVAノブも“つまむ”というより“握る”感覚で力強いリーリングを可能にする。シャローのパワーゲームが身上の内山幸也にとっては、ニーズのド真ん中を衝くリールだ。
耐久性と軽さにおいてバランスのとれたG1ジュラルミン製ドライブギアに比べ、高強度真鍮製ドライブギアは強度アップを実現し、パワーフィッシングに対応。ZILLION TWHD1000においては、迷わずこれを搭載。ここぞの信頼性はピカイチ。
内山「このリール……、やりすぎですヨ(笑)。せっかくマットカバーの中で掛けた55cm・3kgオーバーだったのに、ゴリ巻き&ぶち抜きでファイトが一瞬で終わっちゃった。1時間も撃ち続けてやっと掛けたバスなんだから、もうちょっと楽しみたかったヨ!ぜんぜんよくないですヨ、このリール!」
翻訳すると「すごくイイ! 最高!!」ということなので、具体的な用途について尋ねた。
内山「僕はこんな時代に魚探も積まないバンクビーター(岸際のカバーなどを専門的にねらうスタイル)だから、そもそも使う場所がシャローに限定されるんですけど、それでもこのリールは出番がかなり多い。僕はパワーゲームが主体でもあるので、個人的にはすべての釣りに使うといっても過言じゃないですネ。ロングキャストはもちろん、ミドルやショートディスタンスのキャストでも、しっかりロッドを振り切ればブレーキが働いてくれますし。フロッグもシャロークランクも、ジグやテキサスといった撃ちモノも、すべてHDでイケる。より快適に釣りをするために使い分けるなら、やや軽めのルアーやスキッピングを多用する釣り場ではSV TWがメイン、ヘビーカバーが絡んだりロングキャストが求められたりする釣り場ではHDがメイン、という感じになると思います。マニュアルな指ブレーキ(サミング)ができる人は、HDのMAG-Z BOOSTで“伸びるスキッピング”を楽しんでほしい。気持ちイイですヨ」
MAG-Z BOOST×深溝スプール
前田「ZILLION TW HD1000の第一印象は“すっごく嬉しかった”ですネ。心待ちにしていたスペックがついに来たな、って。もともとブレーキはMAGFORCE-Zのほうが好きなもんで。去年、SV BOOSTを搭載したことで、ZILLIONもだいぶ僕が求めるリールになりました。だから実際に1年間メインリールとして使ってきました。けど……、このZILLION TW HD1000でロッドをスパーンと振り切ったら、やっぱりこっちだな、と。飛距離も、キャストフィールも、僕はこっちが好き。従来のMAGFORCE-Zよりもさらに好きですね。
ラインキャパが増えたのも嬉しいです。僕は18lb.や20lb.ラインで遠投して巻きモノをやるので。去年のプロモーション動画でも言っていたように、ZILLION SV TWだと太いラインを使うときに巻糸量が心もとなかった。実際、ディープクランクでラインを放出しきってしまうくらい飛距離が出るリールなので。SV TWは、すっごく完成度の高いオールラウンダーではあるけれど、自分のビッグレイクスタイルにとっては、ベストではなくベターでした。このHDがベストです。
HDは、今のところギア比の設定が7.1と8.1の二つなので、僕の用途としてはジグ、テキサス、ヘビキャロなど、ワーム系のメインリールになるでしょう。スピナベのスローロールも7.1でイケますね。
HYPERDRIVE DESIGNのパワフルさや耐久性は、ディープクランクやマグナムクランクといった巻き抵抗がキツいルアーを使ったときに100%活きてきます。ビッグレイクのクランカーとしてはHDにも、SV TWのようにギア比6.3や5.5がラインナップされたら嬉しいですネ」