2015年秋、16STEEZ最終プロトを仕上げたばかりのDAIWAエンジニア陣は太平洋を渡る。現地で待っていたのは過酷なツアーを終えたばかりのB.A.S.S.エリートコンペティター達。アンディ・モンゴメリー、イッシュ・モンロー、大森貴洋、コディ・メイヤー、セス・フェイダー、ブレット・ハイト、ブレント・エーラー、宮崎友輔、ランディ・ハウエル、そして清水盛三。錚々たる面子がフィールドテストの開始を待ち受けていた。 「EXCELLENT!!」。関心を強く抱いていたのは、我が国とフィールド事情が似通った西海岸出身のブレント。軽量ルアーでのキャストアキュラシーは特筆だと笑顔を交えて語る。ボートドックなど複雑なストラクチャー周りでの戦略を得意とするアンディもしかり。そのスキッピングのしやすさに舌を巻いていたことが思い出される。しかし、誰もがその優れた性能を賞賛する中でただ一人、難色を示す者がいたのも事実だった。 「コンパクトボディは日本人の僕には実にうれしい。ただ…」 清水盛三がその人だ。日本人でも手のひらに収まるサイズが軽快な操作性を実現することは間違いない。飛びと巻きも想像以上の仕上がりだという。ただ、やはり彼にとって堅牢性は何よりの及第点。それまでメイン機としていたT.D.ジリオンLTD Jドリームからコンバートするには、最低限でもフルアルミボディの剛性感は譲れない。翌年、デッキに並ぶことになったのは、コンパクトながらもSTEEZ SV TWより微かにサイズが上回るジリオンSV TWであったことは誰もが知るところだろう。 SVとTWの相乗効果による遠投性能とトラブルレスは、そのコンパクトジリオンを使い込む中で、清水は存分な有効性を実感した。時にSTEEZ SV TWを手にして、同様の感触を得ていたのだという。両者で何が異なるのか。いずれも耐久性に不備はない。ほんのわずかな差だが、サイズが異なるだけだ。強く握り込みができるほどに、より安定感のある巻きを実現することは明らかだった。 DAIWAエンジニアは2016年秋、STEEZ SV TWのコンパクト感はそのままに200gを切る軽量感を加えたプロトを抱え、再び海を渡る。メインフレームのみならず、サイド&セットプレートのいずれもAluminum仕上げ。高強度であることはもちろん、メイドインジャパンならではの超高精度がそこにある。 「カッチリした剛性感。巻き心地も滑らか。何より巻いている時の感度が期待通り!」 世界で戦う日本の男が選んだワールドスタンダード『STEEZ A TW』。 「今後、間違いなく主軸になる。」 その誓いが何よりのコンフィデンスだ。
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