フィッシングラインの進化は目を見張るものがあります。かつてはテトロン系、新素材などと呼ばれたPEラインが世に出て30余年。現在は投げ釣りやルアーなど多くの釣りに浸透しました。編み数も4本、8本は当たり前、現在は12ブレイドのハイテクアイテムも生まれ、進化の勢いは衰える気配も感じられません。

磯のフカセ釣りにおいては「糸質が軟らかくガイドに絡みやすい」「比重が小さく潮になじみにくいうえ、風にも弱い」との理由で、PEラインの普及はかなり遅れました。しかし「磯センサーSS＋Si」をはじめとする高比重で適度な張りを持たせたアイテムの登場により、フカセ釣りにもようやくPEラインを積極的に使う時代が訪れた感があります。

「磯センサーSS＋Si」は、PTFE素材の芯線の周囲に、4本のPE原糸を編み込んだ構造を採り入れることで、ナイロンに近いナチュラルな比重と適度な張りを実現しました。ここから一歩踏み込み、新たなるフカセ釣り用PEラインとして開発したのが「磯デュラセンサー×8 SS+Si2」です。

「磯デュラセンサー×8 SS+Si2」の特徴をひとことで言えば、PE原糸4本とエステル4本を合わせた8ブレイド構造を採用している点です。「磯センサーSS＋Si」が芯線の上にPEを編み込んでいるのに対して、「磯デュラセンサー×8 SS+Si2」は芯線を用いず、PEとエステルの合計8本の糸を編んでおり、構造が根本的に異なります。

エステルはアジングのメインラインや投げ釣りの仕掛けで多用される素材で、糸質が剛直かつ高感度で、絡みにくいという特性があります。 「磯デュラセンサー×8 SS+Si2」は、「磯センサーSS＋Si」よりエステルの比率を高くすることで張りを高めています。これによって不快なガイド絡みが軽減されました。また比重も約1.1とナイロンに近いため、ナイロンとほぼ同じ感覚で扱えるのも特長です。

PEのような編み糸はブレイド数が多いほど真円性が高くなり、直線強力と耐摩耗性がアップするうえ、トラブルも減少します。また、表面が滑らかになることから巻き上げ時のガイドノイズも抑えられます。

PEラインの感度と強さはそのままに、ナイロンに近い感覚で扱える新感覚の8ブレイドライン。「磯デュラセンサー×8 SS+Si2」は、かつてのPEラインが苦手だった向かい風や横風の中でも抜群のパフォーマンスを発揮してくれることでしょう。