ダイワアングラー
船フィールドテスター
FUNE FIELD TESTER
船
SPECIAL INTERVIEW
スペシャルインタビュー
継承者の使命感。
3人の“先代”から脈々と受け継がれる
船釣り師のスピリットを次の世代へ。
高槻 慧
受け継いだプロ魂
太刀魚を極めようと決めたのは、
亡き師匠が残したプロフェッショナル魂。
僕はDAIWAの『スーパーフレッシュアングラー』というオーディション経由でテスターになりました。最終選考の釣り種が船釣りで、実はそれが船釣りデビュー。そこから「船って面白いなぁ」と思うようになり、ハマっていきました。今日まで船釣りを続けてこられたのは、人との出会いが本当に大きいです。師匠として尊敬している人が何人かいて、その一人が元DAIWAテスターの大塚貴汪さん。初めてお会いしたのは、テレビ番組「ザ・フィッシング」のロケでご一緒させていただいた時でした。当時まだ勉強中の身だった僕に、先生役の大塚さんが「こういう流れで撮って行こう」とか、「仕掛け作っといたよ」とかプロらしいアテンドをしてくださって、さりげない優しさがすごくカッコよかったんです。その時に大塚さんから、「プロというのはただ釣るだけじゃなく、釣りの面白さを発信していかないといけない。どう撮られたいか、何を発信したいかを考えること。それが仕事の9割だよ」と金言をいただきました。収録後すぐに大塚さんは亡くなられてしまいましたが、その時のテーマが太刀魚釣りでした。それ以降、大塚さんの遺志を継いで「太刀魚釣りを盛り上げていきたい」という思いが強くなり、太刀魚釣りを自分の主戦場にすることに決めたんです。
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釣り部屋の収納棚にはシンデレラフィットにこだわったトレイでタックルを整理。実はコレ、100円均一の優れモノ。
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船釣りと一口に言っても釣り種は約40種にのぼる。一覧性と効率性を重視して整理するのが高槻流。
クラフトマンのDNA
伯父から受け継いだ釣り人の情熱。
父から受け継いだクラフトマンの遺伝子。
バス釣りに夢中だった少年時代。親戚の伯父さんに何度か釣りに連れて行ってもらったことがあり、それがきっかけで釣りにのめり込んでいったのを覚えています。伯父さんは釣りをやり込んでいて、こだわりのある人でした。伯父さんが亡くなったときに形見としてもらったDAIWAのリール「ミリオネア」は今も大事にとってあります。僕が道具や釣り方にこだわりを持つようになったのは、伯父さんの影響が大きいです。一方で、父は釣りをしない人でした。小学生の頃、釣りがしたくても移動手段がないので連れて行ってくれと父におねだりしたら、「仕方ねえなぁ」と言いながら、電車で連れて行ってくれたことも。数か月に一度、やれてもたったの2時間程。父はお酒を飲んで待ってくれていましたが、その時間が何より貴重で、ルアーを投げて泳がすだけでとても楽しかったんです。父は天文系雑誌の編集長をする傍ら、観測機器を自作するような人でした。実家に工作部屋をつくり、機械で金属を削ったりネジを加工したり、休日は朝から晩まで部屋に籠りきり状態。そんな父を見て育ったので、中学生の僕もハンドメイドルアーを作る際はリューターという専門工具で削ったり、エアブラシで塗装したりするほどこだわるように。仕掛けや収納道具を自作したくなる僕の創作意欲の原点は、父から受け継いだクラフト魂によるものかもしれません。
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年季の入った『ミリオネア』は、思い出の形見として今もリール棚の大切な場所に保管。
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棚や壁掛け網をカスタマイズして、手に届く範囲にすべてのタックルを美しく収納。
船釣りの未来と夢
ITの観点から、釣りの未来を創りたい。
太刀魚釣りの魅力を、アジアにも広めたい。
普段の僕はスマホアプリの開発を手掛ける会社で、アプリ設計全体の進捗管理などを担当しています。現在、DAIWAの公式アプリのアドバイザーとしても参画させていただいていまして、テクノロジーで釣りの未来を考えていくことも僕のミッションのひとつです。アプリやDX化を通して、釣りをもっと面白いものにしていきたい。釣れる説得力やメソッドをデータやテクノロジーを駆使して、すべての釣り人に還元する。そこにやりがいを感じています。将来のビジョンとしては、専門分野である太刀魚釣りを盛り上げていくこと。太刀魚釣りは韓国や台湾でもホットな釣りになりつつあるので、その楽しさを世界に広げていけるような活動にも挑戦していきたいです。そして何より、船宿さんや船頭さんに恩返しできるよう、船釣り業界そのものを盛り上げていくこと。僕にとって釣りとは、先代の思いを次代へと受け継ぐ「使命感」そのもの。師匠、伯父さん、父から受け継いだものを胸に、これからも海と向き合い続けていきたいと思います。
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DAIWAメンバーと定期的にディスカッション。新しいアプリ開発に関するアドバイザリー的ポジションでアイデアを出す。
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テスターとしての釣りノウハウと、ITプロデューサーとしての知識を活かし、新しい釣りの楽しみ方を模索。