清水 一成 清水 一成

ソルトウォーター オフショア フィールドテスター

SALTWATER OFFSHORE FIELD TESTER

オフショア

清水 一成

Kazunari Shimizu

清水 一成

1973年5月26日 愛知県在住
東海地方を中心に精力的に活動するスロージギングのエキスパート。その技術や人柄を慕って、氏が代表を務める愛知県のショップ「ポイント釣具」には、多くのエキスパート・アングラーが集う。「とにかく楽しむこと」が釣りにおける信念。

SPECIAL INTERVIEW

スペシャルインタビュー

笑顔を先導するキャプテンシー。

釣り具屋店主として、船頭として、開発者として、父として、
関わる人たちのもとへ笑顔を届けてきた熱血漢が進む航路。

清水 一成

店主と船頭の二つの観点

清水 一成

店主として、一緒に釣りの上達を楽しみたい。
船頭として、最高の笑顔に出会いたい。

家が釣具屋を営んでいたこともあり、物心ついた頃から釣りは身近な存在でした。十数年前に僕がその店を父から受け継ぎ、今では大阪や新潟など、遠方から足を運んでくださる方もいらっしゃって、本当にありがたいです。日々店頭に立っていると、僕がお客さまに釣り方をお伝えするだけでなく、「こういう状況でこういうジグで釣ったよ!」とお客さまから教えてもらうことも多いですね。僕にとって、みんなで答え合わせをしながら一緒に釣りが上手になっていくのが理想。そんな風に普段から接しているので、「DAIWAテスターの清水」ではなく、「釣具屋ポイントのカズさん」って感じで、皆さん気軽に話しかけてくれます。来てくれるのはなぜかメンズばかりですけど(笑)。
店舗という「釣具をお届けする場」だけでなく、「それを楽しむ遊び場」もご提供したいという想いから、ジギング船の船頭も手掛けています。自分が舵を取るときは「みんなが釣るまで帰らんぞ!」という気持ちで臨み、「釣らしてもらった」ではなく、「自分で釣ったんだ」という満足感をお客さまにお届けすることを大事にしています。全部教えてもらった通りにやって釣れても釣りが面白くないじゃないですか。なので、釣果につながるヒントを小出しにしてお伝えするようにしています。もちろん、人によっては、具体的な攻略方法を直接お伝えすることもありますけどね。釣り人って、自分で考えて魚を釣り上げた時、最高の顔で笑うんです。僕はこの笑顔を見るのが大好きで…。魚がバレたときでも、「ドンマイ!次のトライにいこうよ!」くらいじゃないと楽しくない。せっかくなら、同じ船に乗っている人同士で良い一日にしたいじゃないですか。そういう空気感で船を出していたら、釣れていない人が最後に釣り上げた瞬間はもう、みんな総立ちで大拍手ですよ(笑)。

  • 清水 一成

    釣り人が心から笑うシーンに立ち会えると、自然と心の距離も縮まり、自分も幸せな気持ちになると話す清水。

  • 清水 一成

    黒々と日焼けした肌は清水のトレードマーク。誰よりも釣り人の笑顔を追い求め、魚と対峙してきた証だ。

モノづくりへの熱量

清水 一成

人と人の化学反応から生まれる
“やけどするくらいの熱量”が本当に良いものを生む。

ジギングを本格的に始めたのは22歳の頃。DAIWAテスターとしての活動は40代前半からですが、製品開発には20代の頃から関わらせてもらっています。僕がモノづくりで大事にしていることは、「アングラーの心身に負荷をかけないプロダクトである」ということ。負荷が減ると、集中力が高まります。それが釣果につながり、釣りが好きになることにも繋がってくると考えています。「どうしたら楽に食わせられるか」「3時間ロッドを握っているとどこに痛みが走るか」などいろんなことを想像しながら、新製品のアイデア、ラフスケッチ、プロトタイプの成型、フィールドテストなども含めてトータル的に関わらせてもらっています。DAIWAの担当者とロケ移動の車の中で、ロッドのグリップ形状について2時間半延々と議論を交わしたこともありますし、時には上がってきたプロトタイプに対して厳しくフィードバックすることもあります。僕は釣具屋の店主や船頭として普段から釣り人とリアルに接するなかで、「本当に釣り人に響くかどうか」というのが肌感覚でわかるようになってきたので、釣り人が納得できるものじゃないと世に出したくないんです。僕が理想としているのは、人と人が本気になって「化学反応」を起こすことで生まれる熱量から出来上がってくるプロダクト。まさに、やけどするくらいの熱い想いでモノづくりに向き合いたいなと思っています。

  • 清水 一成

    機能の追求だけでなく、釣り人が何気なく手に取ってしまうような「無意識のデザイン」への探求心も忘れない。

  • 清水 一成

    店頭に立ち続けることで、釣りのトレンドや釣り人のリアルな声が耳に入ってくる。開発のヒントは店頭にある。

家族との絆と感謝の想い

清水 一成

どんな時も最後の一投まで絶対に諦めない。
大切な人たちの想いを背負い、今日も釣果に変えていく。

僕は子どもたちのおしめを1回しか替えたことがないくらい、釣りばかりやっているダメ親父です(笑)。妻が子育てや生活のことはほぼすべてフォローしてくれています。さらに店の手伝いもしてくれて妻には感謝してもしきれません。家庭のことは任せっきりですが、スポーツのこととなれば、釣りと同じ熱量で子どもたちと向き合います。3人の子どもたちがみんなバスケをやっているので、普段から練習相手になりますし、「父ちゃんに3回止められたら外周1周な!」と常にガチで止めに行きます。とは言え最近は、息子たちのフェイントに反応できなくなってきましたが(笑)。
ある時、長男がバスケの強豪チームのトライアウトに失敗して落ち込んでいたことがありました。その時、僕は彼に「自分が諦めない限り、バスケがお前を裏切ることはない」という言葉をかけました。ちょうど次の日、僕は「THE フィッシング」のロケでマグロを狙うことになっていて、潮が悪くて全くヒットが無い状況に直面していました。さすがに今日は厳しいか…と思いましたが、息子の顔がふとよぎり、「絶対に諦めない!最後の一投で仕留めてやる!」と気合いを入れ直し、ラスト一投で奇跡的にマグロをかけることができました。そうしたら後日、長男も補欠合格していて。諦めないことの大切さを少しは示せたかなと思っています。
僕の場合、「誰かのために釣るんだ」という気持ちが釣果につながることが多いです。DAIWAのスタッフ陣、お店や船のお客さま、何より大切な家族。いろんな人たちの想いを背負わせてもらっていますから、最後は技術ではない何かが釣らせてくれるのだと思っています。僕の船の名前は「39」号と言います。込めた意味はサンキューの「ありがとう」。シンプルな言葉ですが、この言葉を旗印に掲げ、大好きなみんなの想いを背負ってこれからも航海を続けていきたいと思います。

  • 清水 一成

    公私ともにサポートしてくれる奥様の存在感は絶大。実は奥様、鯛カブラでは抜群の釣果を上げる釣りガール。

  • 清水 一成

    漫画から人生の大切なことを学んだ清水。「スラムダンク」や「宇宙兄弟」は清水親子にとって心のバイブルだ。