シロギス Vol.2
最もポピュラーな海釣り入門魚。しかし、この釣りの奥は深い!
姿の美しいサカナの名を挙げると、必ずベスト5には入るシロギス。銀白色でスレンダーなその体形は、色白の美しい女性的な姿を連想させられる。船釣りはもちろん、投げ釣りや堤防からのちょい投げでも釣れる。
海釣りを始めたいという場合、入門魚としてポピュラーなのは、アジ、そしてシロギス。どちらも堤防でも釣れますし、手漕ぎボートでも狙えます。さらに本格的なのは船釣り。ファミリーでも十分に楽しめることうけあいですね。このシーズンなら、ボウズはよほどのことがないかぎりありませんし、うまくすれば初心者でもつぬけ(10尾を超えること。ひとつふたつと、数える場合「つ」の文字がつきますが、10を超えると「つ」の文字がなくなることに由来しています)できることも多くあります。おまけに釣ったサカナを料理する場合、どちらも簡単においしくいただけます。 今回は、シーズン突入するシロギスについていろいろと考えてみようと思います。
下側に「ろうと状」に伸びる口で捕食します
30尾ほどの群れを形成して回遊します


シロギスは、もちろん単独で行動する場合もありますが、やはりそれでは外敵に狙われやすいため、群れを作ることをよくします。とはいっても、大きな群れではなく、たいてい10尾から30尾ほどの群れで行動します。そのことによって、群れにはたくさんの目が存在することになります。群れの中の1尾がなにか外敵を発見した場合は、なんらかのメッセージを発しているかまではわかりませんが、仲間はそのことで緊張し、警戒します。昔、1尾のアオリイカがシロギスを狙ってその群れに接近したのですが、その中の1尾が接近に気づき、そのことで群れ全体が警戒し、アオリイカはイカパンチの触手を伸ばしたものの、簡単に避けられてしまった場面を目撃したこともあります。また、シロギスはエサを求めて徘徊するようなスタイルで回遊します。その回遊も、潮の流れをどのように察知しているのかは不明ですが、潮が止まると活性は落ち、潮が動くと活発に回遊します。あと、よくヨブと呼ばれる海底のくぼみに集まると言われますが、海に潜って観察するとたしかにいます。特に砂地や砂泥の海底は、砂紋といって、おそらく波によって作られる海岸線に対して平行となるような段々の模様があります。投げ釣りで仕掛けを引いてくると、ガタンゴトンという感触や、ジワリと重くなる感じの後に軽くなるのは、この砂紋の影響です。その砂紋が作られる過程でできるのか、ちょうど月の表面のクレータのような形をしたくぼ地がいくつもできます。たぶん波や潮の流れの関係なので、そういったところにはエサがたまりやすいのかもしれません。それを経験的にシロギスたちは知っていて、そういった場所を好んで捕食するということは十分に考えられる話です。

冬は深場に落ちます
※釣魚水中生態学入門より移設