メジナ Vol.3
木っ葉放流は釣り人のエゴにしか過ぎない?
メジナほど狡賢いというか、性格の読めないサカナも珍しい。基本的にメジナは臆病なサカナ。ところが、ある時点でスイッチがはいってしまうと大胆な行動に出て、エサを独占して喰いまくる。
例えば、最近トーナメント志向が高まり、釣った魚体のサイズ制限が確立されつつある。それにともない、ボクたち磯の上物釣り師たちの間にも、手のひらサイズは放流だとか、25cm以下は放流だとかということが習慣になりつつある。たしかに資源保護、生態系の維持など、大義名分は明確である。だが、本当に小型放流が役立っているのだろうか?
木ッ葉は血をはき、息絶え絶え!
とある有名な伊豆の釣り場でのことである。ボクは、仕掛けとコマセの同調について撮影するためにそのポイントを潜っていた。その日は大型の姿は見えずに、25cm前後のサイズの木ッ葉中心の群れの中に30cmオーバーが何尾か混じるという感じだった。磯に立つ釣り師A氏は、コマセと仕掛けとを見事に同調させ、連発してヒットさせた。かかってくるのはやはり木ッ葉ばかり。ハリをはずしてすぐに海に返す。そのとき、ボクはビックリするようなことを目撃した。放流された木ッ葉メジナは、まず海底まで必死に泳ぐ。海底に着くと、大きくあえぐようにエラを動かして荒い呼吸を繰り返す。そのときに何度ものどがつまるような行動の後、プァーッと血をはくのだ。特にのどの奥にハリが刺さったときは重傷のようで、血を吐いたあとそのまま横になって動かなくなってしまうものもいる。どうやらこのようにして海底で死んでしまうものも少なくないようなのである。また、唇にかかった場合でも、かなりの確率で血を吐くものがいる。これは、アワセによってハリ先がのどをひっかき、切り傷を作った状態で最終的にハリが唇に刺さるという現象が起きているのではないかと考えられるのだ。つまり、ボクたちからしてみると、たいしてダメージを受けているとは思えなくても、サカナたちにとってはかなりのダメージを受けているのだ。


大きなウツボが木ッ葉を丸呑み!

釣って楽しみ、おいしくいただくのが本当の釣りのマナーでは?
※釣魚考撮より移設