ヒラメ vol.1
つ抜け釣果続出の人気赤丸急上昇中のターゲット!
ヒラメは、砂地、砂泥地、砂地と岩礁とが混じる岩礁地帯にいる。海底にはりついてエサとなる小魚が目の前を通るのを待つ。しかも、ただ待つだけではなく、自分のカラダを海底の色や模様に酷似させる。まさにカムフラージュの天才といったところだろう。
ヒラメ釣りは難しいというイメージがあります。ですが、この時期のヒラメはサイズこそ超大型ではないものの、数が釣れるという絶好のチャンスタイム。ビギナーでも型を見ることはかなり確率高く、うまくすれば4~5枚も釣れることすらあるほどです。この時期のヒラメはあまりおいしくないという俗説がありますが、誰がこんなこといい始めたのでしょう。実際に釣って食べてみればわかりますが、実においしくいただけます。こんな絶好機を逃してはもったいない。まずヒラメとはどんなサカナなのかを知ることで、ぜひヒラメ釣りにチャレンジしていただきたいと思います。
ヒラメは待ち受け型の捕食

ヒラメは、岩礁帯に隠れる場合、岩の表面の色はもちろんのこと、そこに付着する海藻の色などもきちんと判断して、完璧なカムフラージュを完成させる。

砂地の海底では、砂の色、またそこに混じる黒い砂なども判断し、完全に周囲環境にまぎれてしまう。これでは小魚も、ここにヒラメが隠れているとはわかるまい。

ヒラメの目はまちがいなくクオリティが高い。自分の周囲の環境を正確にとらえることができる。おそらく、エサに対しての視力も優れているはずである。
あまり知られていないのですが、ヒラメは完全なる夜行性とまでは言えないものの、かなり夜間に積極的に捕食活動を行ないます。夜間は自分のテリトリー周辺を滑るように海底ギリギリを泳ぎ、海底で寝ているサカナを襲って捕食しています。では、日中はどうしているかというと、砂地の海底なら砂をかぶり、岩礁の海底なら岩の表面にはりつくようにしています。おそらくエサとなるサカナを追いかけて捕食したりするのはもともと苦手なのでしょう。海底にカムフラージュして潜み、自分のすぐ目の前を通過しようとするサカナをゲリラ的に襲い、捕食するタイプのサカナです。カムフラージュも実に巧みで、海底の砂の色、岩礁の色に体色を変化させます。白い砂に黒い砂がパラパラと混じっているような場合も、見分けがつかないぐらい巧妙に真似することができます。おそらく、目がとてもいいサカナなのでしょう。その状態で、自分で適度に砂をかぶりますから、そうなるとほぼ完璧と言えるカムフラージュとなります。あちこち泳ぎ回らない分、体力は温存できますし、かなり省エネな、エコなサカナと言えるでしょう。だからといって、場所を選ばずにただボォーッと待ち受けしているようではなさそうです。潮通しが良かったり、小魚が群れているような場所を選んで待機します。この辺はぬかりがありません。
跳びかかるときは、ものすごく俊敏
また、跳びかかるときは、カラダを内側に反らせ、大きな尾びれで海底をたたいて飛び上がります。まさかそこにヒラメが潜んでいるとは気づかなかった小魚は、ふいを突かれる形となります。しかし、そのときには、ヒラメの小さいながらも鋭く切れる牙状の歯で噛まれているか、大きな傷を負ってその場でもだえ苦しんでいるかのどちらかです。ヒラメは、口をもぐもぐさせながら、サカナの向きを整えます。もちろん頭から飲み込むような向きです。昔から、よく言い伝えのように言われる「サカナが小魚を捕食した際は、尾から飲むとヒレやウロコやエラが引っかかりやすいので、きちんと向きを整えて頭から飲み込む」というような話がありますが、このヒラメだけではなく、カンパチなども行っていて、まんざらいい加減な話ではないようです。ただ、ヒラメは口内が広いわけではないので、向きを整えるのにそれなりに時間がかかってしまいます。これまた「ヒラメ40」という言い伝えがあります。これは、ヒラメのアタリがあったら、40ぐらい数えてからアワセなさいという意味の言い伝え。これぞまさしく、ヒラメのこの捕食方法を言い当てたもの。目の前のサカナに跳びかかったヒラメが、そのサカナに噛みつき、飲み込もうとする。前述のように、不器用ながらもサカナの向きを変えて飲み込む。それにはそれなりに時間を要します。そこで焦ってアワセてしまうと、まだ半分ぐらいしか飲み込んでないとすると、強く引かれたハリはヒラメの口には掛からず、空を切るように抜けてしまいます。つまり、ヒラメがエサのサカナを飲み込むことで、はじめてアワセたときにハリが口にかかるようになるのです。
掛かってからのヒラメは・・・
アワセてハリがかりすると、大型の場合はズシンとまるで根がかりしたような感触があります。小型や中型は、掛かるといきなり暴れます。ヒラメもヒキの強いサカナですから、リールのドラグ調整は事前にきちんと行っておくことは重要です。また柔らかい胴調子のサオを使うのも、船の動揺でオモリが海底をたたかないようにするというねらい以外にも、この強いヒキを柔らかいサオで吸収してしまおうというねらいがあります。だからといってサオがのされてしまっては意味がありません。のされず、しかもサオは立てすぎずが基本。サオの弾力でヒラメの強いヒキを吸収し、疲れさせてからあげれば、憧れの良型ヒラメを見事ゲットすることができるでしょう。あといくつかコツをつけくわえておくとするなら、やはりエサ付けでしょう。エサのイワシを弱らせないことが大切です。そのためには、つかまえるときも熱帯魚用の目の細かい柔らかいネットを使うこと。また可能な限り手で触る時間を短くすること。すべての作業は水の中で行い、エサ付けしたらただちに仕掛けを海に入れること。いままで解説したように、ヒラメは海底で虎視眈々とエサを狙っています。やはりそのときにエサがより元気に暴れているほうが、ヒラメに対してのアピール度は強くなり、捕食意欲も強くなります。これらの点に注意し、今年こそヒラメ釣りにチャレンジしてみてください。
※釣魚水中生態学入門より移設
※釣魚水中生態学入門より移設