歴代CERTATE
20年間の軌跡
2004年に初代CERTATEが誕生してから20年、
CERTATEは一貫して「剛」と「快」、
つまり剛性と快適な操作性を突き詰め、改革を遂げてきた。
それは同時に、
初代CERTATEとともに掲げられたREAL FOURコンセプトのたどる、
さらなる進化の軌跡とも言えるのだ。
20年前、それまでのダイワの常識を覆す小型スピニングリールが誕生した。
REAL FOURコンセプトを掲げて世に放たれた、初代CERTATEである。
基本性能を磨き上げ、すべてのアングラーに愛着をもって、末長く使ってもらえる
スピニングリールを作ることが、CERTATEの出発点だった。
20年前――。
初代CERTATEに託された想い。
既存イメージからの脱却
CERTATEの歴史を語るならば、まずは初代CERTATEとともに、ダイワが世に問いかけたREAL FOUR(リアル・フォー)コンセプトについて、語らねばならない。
それ以前のダイワの小型スピニングリールは、TOURNAMENT(トーナメント)を頂点に、バスフィッシングではT.D.(チームダイワ)シリーズが隆盛を極めていた。持ち前の軽さと軽快な操作性は、時代とともに精細さが増すルアーフィッシングのニーズにマッチし、多大なる人気を博す。「軽くて操作性が軽快」というイメージは、名実ともに、ダイワが長年かけて培った大切なアイデンティティなのである。
一方で、そのイメージゆえのジレンマもあった。各々のリールは、必要十分な回転性能と巻き上げパワーを持ちながら、「質感」の部分で軽んじられる風潮もあった。「もう少し滑らかな巻き心地が欲しい」。当時、そんな声があったのも事実だ。
今はいい。でもこの先の未来を考えたときに、スピニングリールの在り方が問われた。釣るだけでなく、心を満たす釣り道具として、スピニングリールに必要な性能とは……。
こうした葛藤のなかで、未来基準を求めて生まれたのがREAL FOURコンセプトであり、これを備えた最初のスピニングリールこそが、初代CERTATEだったのだ。
4つのREALとは?
REAL FOURは、スピニングリールにあるべき性能を突き詰めるための設計思想。4つの性能とは、REAL ENGINE=「圧倒的なパワー、シルキーな回転を誇る駆動性」。REAL CONTROL=「実釣での高い実績を積んできた本物の操作性」。REAL ENDURANCE=「時間を越え、使い込んでわかる耐久性」。そしてREAL CUSTOM=「自分の最適空間を作り上げるカスタマイズ」とされた。
この4つの性能を満たすために、初代CERTATEには、当時の最先端テクノロジーが存分に注がれた。なかでもそれまでと一線を画したのは「圧倒的なパワー、シルキーな回転を誇る駆動性」と謳うREAL ENGINE。これにより、ダイワのスピニングリールは大きく革新を遂げた。未来のスピニングリールとして、CERTATEが誕生した瞬間だった。
設計思想の4つの性能
REAL ENGINE
圧倒的なパワー、シルキーな回転を誇る駆動性
REAL CONTROL
実釣での高い実績を積んできた本物の操作性
REAL ENDURANCE
時間を越え、使い込んでわかる耐久性
REAL CUSTOM
自分の最適空間を作り上げるカスタマイズ
基準としての矜持
CERTATEの名は、TOURNAMENTから着想を得た。フラッグシップの血統を受け継ぎつつ、新たな時代を拓くスピニングリールの基準でありたい。その想いから、TOURNAMENT(競技・競技者)のラテン語である「CERTATER」から転じた、CERTATE(セルテート)という名を受けた。濁音を持たない雅で優美な響きには、技量や釣種を問わず多くの釣り人に、いつまでも飽きられずに長く愛されてほしいとの願いが込められた。
長く愛されてほしいとの想いは、デザインやカラーリングにも表れている。あえて尖ったシャープさを抑えた流麗なボディラインや、初代の「セルテート・ブルー」に端を発する落ち着いたカラーリングは、歴代CERTATEを通じて、脈々と受け継がれている。
はたしてCERTATEは、ダイワのスピニングリールの基準となった。この事実はなによりも、その後のダイワのスピニングリールの歴史が証明している。CERTATEを基準として、軽さを突き詰めたLUVIASやAIRITYが存在し、CERTATEによる技術革新は、CALDIAやFREAMSなど幅広いラインナップにフィードバックされた。そしてCERTATE自体は、このような歴史の奔流の中で、あくまでも基準としての、一貫した正統進化を遂げていったのだ。
スピニングリールの新たなる価値観。
強さと質感が、
唯一無二の信頼性を育んだ。
オシレートギアへの大転換
ダイワのスピニングリール史は「CERTATE以前・以後」と分けて語られる。初代CERTATEの登場は、それほどまでにエポックメイキングなものだったのだ。その基幹とも言えるのが、オシレート機構の大転換である。
オシレートとは、ラインの巻かれるスプールを上下にスライドする、スピニングリールの要となる機構である。当時、多くのスピニングリールが、シャフトに切った溝に沿ってスプール軸を上下駆動させるウォーム式を採用していた。そもそも歴史的に、ダイワが先陣を切って開発を進めたウォーム式には、それ以前のカムを用いたギア式よりも上下動の精度が高まるという利点があった。その一方で、内部機構が複雑化することにより、パワー伝達にロスが生じ、巻き上げ効率が下がってしまうという弱点もあった。
正確な上下動、巻き上げパワー、
耐久性そして質感の獲得
CERTATEの開発にREAL ENGINEの思想を掲げたダイワは、この弱点を解決するために、改めて過去のギアオシレート方式を見直す試みを始めた。そして試行錯誤の末に、常識を捨てた既成概念にとらわれない自由な発想による世界初の独自機構「サイレントオシレーション」が誕生した。これにより正確なスプールの上下動と巻き上げ効率の向上という、両立を果たしたのだ。さらに大型化したドライブギアを搭載し、歯面精度も大幅にアップ。これらの心臓部を、頑強なアルミ製フルメタルボディで保持することで、それまでとは段違いのパワーと耐久性を手に入れた。そのうえ、歯面精度からくる、滑らかでシルキーな巻き心地までも、実現することができたのである。
ボディの中央に鎮座する大きな円形のエンジンプレートにも秘密がある。デザインのシンボルであることに加え、もう一つの重要な役割を秘めているのだ。従来、精緻なギアの噛み合わせ調整は、作業者にかなりの難易度を強いていた。これがエンジンプレート構造の採用によって、容易に行えるようになったのだ。いくら高剛性で高精度のギアが作れたとしても、噛み合わせ調整が悪ければ、意味をなさない。高性能リールであればこそ、最終的に性能の良し悪しを決めるのは、熟練した作業者の手による、精緻を極めた調整なのである。
目覚ましいテクノロジーの進化に加え、ギア調整のしやすさにおける飛躍的な改革を遂げたことが、CERTATEが本格志向のアングラーをも唸らせた、真の理由なのである。
タフで強く、
愛着を持って長く使い込めるリールとして
アルミ製フルメタルボディ、大口径ドライブギア、ギアオシレート、エンジンプレート構造など、パワー・剛性・耐久性・質感を突き詰めた初代CERTATEは、ユーザーに、これまでとは違うものを作るというダイワの強い意志を感じさせた。当時のフラッグシップだったTOURNAMENTや、バス用ブランドのT.D.で第一義とされた軽量路線を離れ、「強さ」を大きな持ち味の一つとしたCERTATEはまず、リールをタフに酷使するコアアングラーに選ばれた。同時に、それまでダイワのスピニングリールにはなかった、シルキーでしっとりした質感溢れる巻き心地が、多くの幅広いアングラーの心に響いていく。人を選ばないシンプルで流麗なデザインや落ち着いた「セルテート・ブルー」も、好意的に受け入れられた。CERTATEは唯一無二の存在となり、強さと質感をベースとした、小型スピニングリールの新しい価値観を創り出した。
年月を重ね、長く使い続けるアングラーが増えるにつれて、CERTATEが創った新たなる価値観は、より一層、広く深く醸成されていく。スピニングリールの未来基準として誕生したCERTATEは、「タフで強く、愛着を持って長く使い込めるリール」としての信頼性を、確立していったのだ。
歴代CERTATE
20年間の軌跡
2004年に初代CERTATEが誕生してから20年、
CERTATEは一貫して「剛」と「快」、
つまり剛性と快適な操作性を突き詰め、改革を遂げてきた。
それは同時に、
初代CERTATEとともに掲げられたREAL FOURコンセプトのたどる、
さらなる進化の軌跡とも言えるのだ。
2004
04CERTATE
04CERTATE
REAL FOURコンセプトを掲げ、数多くの最先端テクノロジーが注がれ、誕生した初代CERTATE。軽量スピニングリールが隆盛を極めた時代、フルメタル(AL)ボディの剛性からくる安心で高級な質感と、滑らかでシルキーな巻き心地は、多くのアングラーに驚きと感動を与えた。流麗なフォルムにシンボリックなエンジンプレートが光るデザイン、そして後に「セルテート・ブルー」と呼ばれる落ち着いたカラーリングも、独創性の象徴となる。質実剛健のたたずまいは、年を追うごとに「愛着を持って長く使い込めるリール」として、支持層を拡大する。その後、6年間もの間、モデルチェンジせずに愛され続けた異例のロングセラーは、ダイワスピニングリールの未来形を築き上げていったのだ。
2005
FINESSE CUSTOM
HD CUSTOM
FINESSE CUSTOM
初代CERTATEの性能をそのままに、ライトラインの使用に特化させたシャロースプール搭載のフィネスカスタムモデル。2004と2506の2機種がラインナップ。エアスプールの採用などにより、オリジナルよりも2000番で10g、2500番で15gの軽量化を果たし、滑り出しに優れたライトライン専用の「フィネストーナメントドラグ」を搭載するなど、随所にカスタマイズが施された。3〜4lbラインを用いるバスのフィネスフィッシングに加え、当時、人気急上昇中だったエギングや、ライトソルトゲームにベストマッチする一台として注目された。
HD CUSTOM
CERTATEのタフさを、より際立たせた、ソルトアングラー待望のヘビーデューティーカスタムモデル。3500番のPE対応スプールを搭載し、ドラグの剛性もアップ。さらに65㎜のマシンカットハンドルに、RCSパワーライトノブを標準装備。シイラやカツオのキャスティングゲームや、60〜80g前後のジグを用いたショアジギング、さらに船からのライトジギングまで、一台で対応できる汎用性の高さを備える。ハイパワーな小型スピニングリールの代名詞として、絶大なる人気を博した。
2006
R-CUSTOM
R-CUSTOM
2500番のスプールとローターに、3000番のボディを融合。軽快な操作性に、オリジナルの3000番をも凌駕する巻き上げパワーを備えたスペシャルパワーチューンモデル。初代CERTATE発売の初年度にカスタムモデルとして限定発売され、太めのナイロンラインやPEを用いビッグフィッシュに挑むランカーハンターの間で人気を集めた。熱望の声を受け、2006年に復活を遂げた。
2007
HYPER CUSTOM
HYPER CUSTOM
大型スピニングリールのフラッグシップであるSALTIGA-Zの心臓部だった高強度特殊合金マシンカットデジギアが、高精度小型化に成功したことを契機に「ハイパーデジギア」と名を変えた。これを搭載した2500番以上のCERTATEが、新たにHYPER CUSTOMと名を変えて、世に放たれた。激しいジャークを多用するエギングや、シーバス、さらにショアジギングやライトジギングなどのパワーゲームにも対応する、さらに強いセルテートとして、アングラーの心を鷲づかみした。現在、ハイパーデジギアの血脈は、タフデジギアとしてCERTATEの心臓部を支えている。
CUSTOMシリーズ
2004年の初代CERTATE発売以降、FINESSE CUSTOM、HD CUSTOM、R-CUSTOMなどアングラーに寄り添ったカスタムモデルをリリースしてきた。そのREAL CUSTOMの思想は、2011年に発足したカスタムサービスブランドのSLP WORKSとして、さらなる展開を確立している。
SLP WORKSによって、
その自由度をさらに高めた。
もっと自由に、愛着心を満たす
オフィシャル・カスタマイズ。
2010
10CERTATE
10CERTATE
6年間もの長き年月を経て、初のフルモデルチェンジを果たしたのが、この10CERTATE。なんと言っても最大のトピックは、すべてのリールに先駆けて初搭載されたマグシールドだ。磁性流体を活用した画期的防水・防塵構造が、脅威の耐久性と初期性能の持続を実現。これにより、REAL FOURコンセプトの一つである、耐久性を担うREAL ENDURANCEは、時代を飛び越えて革新的な進化を果たす。CERTATEの持ち味である、パワフルでありながら軽くシルキーな回転の初期性能が、極めて長い間持続する夢のような技術革新が実現した。また、ローターも改革を遂げた。最適リム構造により強さを維持したまま大胆な軽量化を果たしたエアローターは、マグシールドとともに、スピニングリールの新たな扉を開いたのだ。操作性の革新的な向上に合わせ、1000番の小型モデルもラインナップ。翌2011年には、ギア比5.8のハイギアカスタムモデルも追加されている。
MAGSEALEDによって、
その耐久性を劇的にアップさせた。
マグシールドだけに許された、
時代すら乗り越える耐久性。
2013
13CERTATE
13CERTATE
ラインローラーはスピニングリールの中で最も水に晒されている回転パーツ。特に海水使用時に塩分が固着し回転性を損なう「塩がみ」は、スピニングリールの耐久性を損ねる弱点とされてきた。13CERTATEは、ラインローラーにマグシールドを施すことで、この悩みを過去のものとし、革新的な高耐久を獲得した。さらにはエアローターの素材として、軽量で高剛性のカーボン含有樹脂「ZAION」を採用。2500番で10gもの軽量化を果たしつつ、巻き出しの軽さと、軽快な操作性を手に入れた。そのうえ、ZAIONによるローターユニットの剛性アップは、フルメタル(AL)ボディとの相乗効果によって、CERTATEが積み重ねてきた強さへの信頼を、なお一層、確かなものとしたのだ。
2016
16CERTATE
16CERTATE
新開発のマグシールドボールベアリングをドライブギア両端に装備。ピニオン部、ラインローラー部に加え、鉄壁の防水性と耐久性を獲得した16CERTATE。ローターユニットは、新形状で生まれ変わった超軽量エアローターの開発により、10%以上の軽量化を実現。ローターの大幅な低慣性化による回転性能の向上は、回転初動を10%以上も軽くし、巻き感度もアップさせた。また、全サイズに次世代ドラグのATDを搭載。そしてなによりも特筆すべきは、10CERTATEから姿を消していた、3500番以上のヘビーデューティー(HD)モデルのリバイバルだった。これこそが、一世を風靡して強さの代名詞となったモノコックボディの、記念すべき初搭載モデルだったのだ。
※写真はイメージです。
2019
19CERTATE
19CERTATE
PEライン全盛の時代に合わせ、またタックル全体の軽量化にともない、ダイワのスピニングリールには、新たなコンセプトが掲げられた。軽さと強さを両立する、LT(ライト&タフ)コンセプトである。LTコンセプトに基づき設計された19CERTATEにとって、全モデルへのモノコックボディ搭載は必然だった。一体成型のワンピース構造が、従来の2ピース構造の宿命だった、たわみや歪みを限りなく抑制。さらに、CERTATEが初代から一貫してこだわる高剛性のアルミ合金(AL)を、ボディとエンジンプレートに採用し、フルメタルで固めることで、剛性と耐久性、そして巻き上げ効率の飛躍的な向上を果たした。LTコンセプトで追求した「タフ」は、同時に初代CERTATEのREAL FOURコンセプトにおけるREAL ENGINEやREAL ENDURANCEの正統進化でもあったのである。また、忘れてはならないのは、モノコックボディがLTコンセプトの「ライト」、つまり軽量化にも大きく貢献したことだ。新旧の2500番で比較すると、実に35gという驚きの軽量化を果たしているのである。
MONOCOQUE BODYによって、
その剛性を飛躍的に向上させた。
モノコックボディだから実現できた
必然のパワーとシルキーな駆動性。
2024
24CERTATE
20年の歴史を通して、強さと快適な操作性を一貫して追求してきたCERTATE。初代で掲げられたREAL FOURコンセプトは過去のものだが、歴史を振り返れば、脈々とダイワのスピニングリールの設計思想として、昇華し続けていることがわかる。マグシールドでREAL ENDURANCEが、モノコックボディでREAL ENGINEが、革新的に進化した。REAL CUSTOMの思想は、2011年に発足したカスタムサービスブランドのSLP WORKSとして、さらなる展開を確立している。そして、CERTATEがさらなる未来へ進むための最後のピースがREAL CONTROL。そう、20年という節目にCERTATEが果たした革新的な進化こそ、REAL CONTROLの思想を受け継いだ、エアドライブデザインの搭載なのである。
AIRDRIVE DESIGNによって、
その操作性は革新的な進化を果たす。
エアドライブデザインが切り拓く、
未体験の快適な操作性。
誕生、NEW CERTATE。