キャスト時には広く、リトリーブ時には狭く。
TWSはベイトキャスティングリールによるキャスト距離を飛躍的にアップさせるダイワオリジナルのレベルワインド機構です。
ベイトキャスティングリール前部に配置されているレベルワインド機構は、リトリーブ時にラインガイドが左右にスライドすることで、スプールに均一にラインを巻くためにあります。一般的にラインガイドは円形状をしており、左右の内径が狭いほどスプールに対し、細密にラインを巻くことができます。
狭くすればするほど良いかと言えば、そうでもありません。キャスト時などのライン放出時には、逆にラインガイドを通過する際に摩擦抵抗が生じてしまいます。摩擦抵抗はラインガイドの幅が広ければ軽減されますが、そうすると今度は均一にラインが巻きづらくなってしまいます。
キャスト時には広く、リトリーブ時には狭く。
一方を立たせればもう一方が立たず。従来、ラインガイドの幅は、この相反する理想をできるだけ両立するように設計されてきました。ところがダイワは、そこにコロンブスの卵とも言える解答を求めたのです。
キャスト時には幅を広く、リトリーブ時には幅を狭く。
理想があるなら妥協せず、形状を合わせていけばいい。この大胆な発想の転換こそTWS、T-ウイングシステムを生み出した契機となったのです。
たどり着いたのはTシェイプのラインガイドを搭載したレベルワインド機構。キャスト時はクラッチレバーと連動して前傾し、幅の広い部分を使ってラインが放出されます。対してリトリーブ時は、クラッチが戻ると同時にTシェイプラインガイドも起き上がり、幅の狭い部分を使ってラインが細密に巻かれます。
これにより、キャスト時のライン放出時における摩擦抵抗は軽減され、TWS非搭載の場合と比較して、結果として5.3%(*)の飛距離アップに成功しました。アングラーの目前180度を射程範囲で考えると、なんと10.5%の拡大となります。さらにスムーズなライン放出はバックラッシュを軽減するため、ブレーキ設定も弱めにすることができます。このことも飛距離アップに繋がりました。
これらの効果によって、ライントラブルの減少はもちろん、フォール時の抵抗軽減等、TWSは多くの付加価値を生みました。
ダイワの大胆な発想力と技術力がなしえたTWSは、ベイトキャスティングリールの可能性を大幅に広げたのです。
*TWSの有無による社内テスト実測値
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