軽さのために
エアドライブデザインが
生み出した新たなる軽さ
ベースとなるのは、AIRITYに搭載されたエアドライブデザイン。
巻き出しの軽さと、ハイレスポンスな回転性能を備えた上で、
フィネスフィッシングの精度を高め、
これまで手の届かなかった領域にまで到達するための、
セッティングを施した。
エアドライブデザイン。
巻き出しが軽く、ハイレスポンスな
回転を生み出す革新のテクノロジー。
ダイワスピニングリールの
新しい未来が、今、回り始める。
エアドライブデザインは、釣り人が求める、意のままにルアーを操作することを追求した次世代スピニングリールの設計思想。
それはスピニングリールのフロントユニットに関わる4つの要素から構成される。巻き出しが軽く、ハイレスポンスな回転を生み出す、エアドライブローターの搭載を必要条件とし、それを下支えする軽量でトラブルレスなエアドライブベール、綿密な強度設計のもと、軽量化を突き詰めたエアドライブスプール、回転ノイズの極めて少ない、軽くて滑らかな巻き上げを可能にしたエアドライブシャフト(※)。これらの相乗効果で、高次元の操作性を実現する。
まずはリーリング性能。軽い力で滑らかに回り出し、止めたいところでピタッと止められる。すなわち、ルアーを正確に操作できる。回し続けたときの疲労感も小さい。そして、感度。軽い力で回るということは、水中のほんの少しの抵抗でも回転に変化が生まれる。ハンドルを巻く手には、それがより鮮明に伝わる。これらはフロントユニットの軽量化で巻き出しが軽くなったことによる恩恵だ。同時にフロントユニットの軽量化は、持ち重りの改善にも寄与し、ロッドの操作性を向上させた。ロッド装着時に頭下がりになれば、自ずとグリップを握る手に余分な力が入り、僅かなブレとなって竿先に現れるが、その心配がない。エアドライブデザインは、自在なロッドアクションや高精度なキャスタビリティも可能にするのだ。
ダイワスピニングリールの新しい未来を、ぜひ体感してほしい。
※AIRITY SFではリニアシャフトを採用。
重量バランスの向上
フロントユニットを軽量化したことにより、ロッド装着時に頭下がりにならない、持ち重りを軽減した重量バランスを実現。ライン放出や巻き取りもよりスムーズになり、ロッドとリールの一体感を存分に味わえることだろう。
AIRDRIVE ROTOR
エアドライブローター
ダイワ史上、
かつてない低慣性ローター。
スッと巻けて、ピタッと止められる。
自らの思い描くタイミングでリールのハンドルを巻く、止める。
ローターの低慣性化によるかつてない軽い巻き心地。
エアドライブローターは、ルアーフィッシングシーンを一変させる。
スピニングリールのハンドルを回すと、精密な内部構造が次々と作動し、最後、ローターが回転してラインを巻き取っていく。このローターについて、ダイワは、軽量であるほどメリットが多いと考える。ローターを回転させるときに働く慣性力は、ローターの自重が軽量であるほど小さくなるからだ。
身近なものに置き換えて考えてみよう。例えば車だ。車重の軽い車ほど、止まった状態から軽い力で瞬時に加速し、ブレーキング時には短い制動距離で停止できるだろう。ローターも同様だ。重量が軽ければ巻き出しが軽く、止めたいときに止めたいところでピタッと止まる。つまりアングラーが意のままに操れるというわけなのだ。
一方、軽いものは、どんなものであれ、強度や耐久性に不安があるとされる。メリットを活かすためにデメリットを受け入れざるを得ないのか。そうではない。ダイワが目指すべきは「軽くて強い」という二律背反の実現だ。そして、その結実が、エアドライブローターなのである。独自理論により、回転体として理想的な球体形状を導き出し、さらに高精度の剛性解析により、従来と同等の剛性を維持しつつ、大幅な軽量化、低慣性化を実現した。その機能性は、外観からも見て取れるだろう。ビスのない美しい曲面は、ローターへの糸絡みを抑制する二次的効果ももたらせている。
ぜひハンドルをゆっくりと回していただきたい。静かに滑り出し、どこまでもスムーズに、上質な回転をその手に伝え続けてくれるはずだ。
ローターユニット重量比較
ローターユニット慣性比較
重量比較、慣性比較
2500番サイズで比較すると、23AIRITY SF搭載のエアドライブローターは、ローターユニットで約16%の軽量化に成功*1。ダイワスピニングリール史上、未踏の領域へと突入したのである。それとともに慣性力も最大約16%軽減*2。操作性や回転性の大幅な向上も図られている。
*1軽量化の比較値はサイズにより異なります。
*2慣性力の算出値はサイズによって異なり、2500番で最大化。
強度シミュレーション
赤くなるほど負荷が集中していることを示す。エアドライブローターの「軽くて強い」秘密は、綿密な高精度解析によって、負荷が集中するところは補強する一方、負荷の少ないところは肉抜きをすることで最適化を実現。これにより、従来のローターと同等の剛性を維持しながら、軽量化に成功した。
回転体として理想の球体形状
中心軸から両ベールアームへと、左右対称に円弧を描いて伸びていく、球体から切り出したかのようなアーチデザインに注目していただきたい。これによりバランスのいい、滑らかな回転が得られるのである。
AIRDRIVE BAIL
エアドライブベール
軽快な回転フィールと
ストレスフリーな使い心地を。
数十年以上も前に生まれた技術が脈々と受け継がれ、
今なお最先端であり続ける。
ダイワにはそんなテクノロジーがいくつかある。
送り出す釣り具は革新と継承の、積み重なる歴史の結晶だ。
エアドライブベールも、そのひとつである。
ダイワのスピニングリールのベールは、中空パイプ構造を採用している。このベールは長年にわたり、ダイワのスピニングリールに搭載されているテクノロジーで、エアベールと名付けられている。もちろん、中空パイプ構造であるのには理由がある。中身の詰まった、いわゆる中実構造と比べると、明らかに軽量で、かつ曲げやねじれに対して強く設計できるからだ。加えて、ベールとラインローラーを繋ぐラインスライダーも、ラインがスムーズに誘導され、トラブルレスな巻き出しを可能にする独自形状が採用されている。
そして、このエアベールの進化版がエアドライブベールである。エアドライブデザインによって一新されたローターユニットのさらなる低慣性化のためには、ベールの軽量化は至上命題のひとつだった。
ダイワは、そこにメスを入れた。必要強度を維持しながらも小径化かつ新構造化することで、ベール単体で約33%の軽量化を達成したのだ。それだけではない。ラインがラインローラーへと、よりスムーズに移行できるよう、ベールの角度に傾斜セッティングを施すことで、ライントラブルのさらなる低頻度化も実現したのである。
エアドライブベールは、数十年にわたって積み重ねられてきた技術の結晶といえるだろう。
傾斜したセッティング
ベールにわずかながら傾斜角をつけることにより、現代のアングラーのラインセッティングに、ストレスをもたらさない糸拾い性能(糸がベールを伝ってラインローラーにオートマチックにセットされる性能)を実現。ラインローラーへとよりスムーズに糸を導きやすくなった。
ベール径をφ2.4へ変更
ベールは、ラインローラー部を構造変更するとともに、ベール径をφ3からφ2.4へと小径化したことで、約33%の重量減(2500番比較)。軽量性と必要強度をバランスよく満たす最適な径を導き出した。
AIRDRIVE SPOOL
エアドライブスプール
磨き抜かれたスプールとしての
「機能」と「美」。
スピニングリールを象徴するパーツのひとつ、スプール。
リールの「顔」としてそのデザイン性が求められる一方、
リールの重量バランスや回転性能も左右する重要パーツでもあるのだ。
スピニングリールの外観において、スプールは「顔」というべき、重要な存在だ。それゆえ、色彩や形状、質感を吟味し、そのリールにふさわしい世界観を、スプールに表現する必要がある。それは作り手の独りよがりであってはならない。使えば使うほどに愛着が増していく美しさでなければならない。
その美しさを表面的なもので終わらせないために、本質としての機能を磨き上げたのが、エアドライブスプールである。まず取り組んだのは、軽量化だ。綿密な強度設計のもと、不要な肉を徹底的にそぎ落とした。スプールの軽量化は、リールの自重そのものと同時に、フロントユニットの軽量化にもつながり、持ち重りも軽減される。また、ハンドル回転に連動して上下ストロークする際に、スプールの自重が軽ければ、動き出しも軽くなり、巻き始めの軽快さやレスポンスの向上にもつながる。つまり、エアドライブデザインの設計思想を実現するうえで、スプールの軽量化は避けては通れない課題だったのである。
加えて、エアドライブスプールでは新開発のドラグ発音機構を搭載した。スプール本体と別体構造にすることで軽量化を図るとともに、ドラグの動作を妨げにくい、摩擦抵抗の少ない構造に変更。なおかつドラグ音そのものも感性に訴える音質にチューニングするなど、情緒的な価値も大切にした。
アングラーと心を通わせることができるリールであるために、ダイワが理想とする「機能」と「美」を追い求めたのが、このエアドライブスプールである。
細密な強度設計に基づく徹底的な薄肉化
綿密な強度設計に基づき、徹底的に薄肉化することで、強度を維持したまま、軽量化を実現。さらに、従来のスプールでは一体形成だったドラグ発音機構を、エアドライブスプールでは独自素材を用いた別体構造にすることで、さらに軽量化を突き詰めた。
ドラグ発音機構断面イメージ図
ドラグ音は、ラインが引き出されスプールが回転する際に、金属製の突起がドラグ発音用の溝と接触して発生する。この溝を非対称形にすることで、ラインが引き出される回転方向のみ摩擦を小さくし、心地よいドラグ音を発しながらドラグがより滑らかに動作するようにした。
OTHER TECHNOLOGY
ATD TYPE-L
エーティーディータイプL
「追従力」が違う。
魚の引きに合わせて、滑らかに効き続けるATDの特性はそのままに、スピニングリールにおけるドラグの初動レスポンスをさらに向上させたのがATD TYPE-L。とりわけライトライン使用時に求められる、よりスムーズな使用感にこだわったチューニングを施し、ラインへの負荷をさらに低減するとともに、魚に過度なストレスを与えず、短時間でのランディングを可能とした。
加速度とドラグ力の関係
ドラグ曲線比較
ATDと比較すると、全体的な特性は似ているが、TYPE-Lはフッキング時など、瞬発的に引っ張られたときのドラグ値の上昇を抑えたセッティングを施している。これにより、現代の釣り方やタックルセッティングに、よりフィットし、ライトライン使用時に瞬発的な魚の走りによるラインブレイクを減少させる。
OTHER TECHNOLOGY
QUICK DRAG
クイックドラグ
瞬時の調整で
主導権を逃さない。
少ないドラグノブの回転で瞬時にドラグテンションの調整を可能としたQD(クイックドラグ)。通常の1/4〜1/2回転でドラグ調整ができるので、魚の急な突っ込みにも瞬時に対応が可能。極限のライトライン使用時でも、攻めのドラグ動作でスピーディーにビッグフィッシュに挑むことができる。
※AIRITY SF2500SS-H-QDのみに採用。
OTHER TECHNOLOGY
TWIST BUSTER III
ツイストバスターIII
糸ヨレ防止機構が進化。
ライントラブルの大きな原因である糸ヨレを解消するための機構がツイストバスター。 AIRITY SFでは、ツイストバスターⅡがさらに進化した、ツイストバスターⅢを搭載。ラインローラー部に新たな溝を設けることで、ラインローラーを通過する糸のバタつきを抑制している。
OTHER TECHNOLOGY
Long Cast-ABS
ロングキャストABS
ラインとスプールエッジの
摩擦を徹底的に軽減。
キャスト時において、ラインがスプールエッジと接触することで起こる摩擦を徹底的に軽減。スムーズなライン放出を工学的に突き詰めた2段形状のスプールエッジ。ロングキャスト実現のため、最大の糸巻き量でベストな設計となっている。非搭載モデル比で飛距離約5%アップ。
OTHER TECHNOLOGY
LINEAR SHAFT
リニアシャフト
滑らかで静粛な
巻き心地を実現。
ハンドルを巻く手に込めた力を、そしてアングラーの想いを、
いささかも無駄にせずラインの先の先まで伝えるために。
支持部に高精度カラーを採用。より静かで滑らかに。
スピニングリールの場合、ハンドルを回す縦の回転は、ローターの横回転へと変換される。これを担うのがピニオンだ。同時にラインをスプールに均等に巻き取るために、スプールは上下動する。これを司るのはピニオン内を貫くようにセットされるメインシャフトだ。この複雑なメカニズムを、いかにパワーロスなく動作させるかで、スピニングリールの回転性能は違ってくる。
そのためにダイワスピニングリールに搭載されているテクノロジーが、リニアシャフトだ。従来はメインシャフトをピニオンの内径で直接、支持する構造だったが、このリニアシャフトは、メインシャフトをカラーで支持し、ピニオンと非接触にすることで摩擦抵抗を軽減。AIRITY SFでは、メインシャフトを支持するカラーをより高精度化。回転ノイズが排除され、滑らかで静粛な巻き心地を実現している。
スピニングリールにおけるギア伝達の仕組み
ハンドルを回すとドライブギアが回転し、メインシャフト上にあるピニオンはドライブギアと直交する方向に回転。ピニオンと同調してローターが回転する。同時にオシレートギアが回転し、メインシャフトを上下動させる。
リニアシャフトの構造
メインシャフトをカラー(①、②)で支持し、ピニオンと非接触にすることで、摩擦抵抗をゼロに。カラーを高精度にすることで、より滑らかで静寂な回転性能を実現した。
リニアシャフト非搭載モデル
リニアシャフト非搭載のものは、ピニオンギアの内径で直接、メインシャフトを支持しているため、摩擦抵抗が発生し、とくに高負荷時のリーリングにおいてはパワーロスが発生してしまう。