COLUMN
コラム
TECHNOLOGY STORY
#03
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#03
AGS TYPE-0(ゼロ)。
AGSファミリーのニューフェイス。
0の名は、ガイドリングの形から名付けられた。まさしく数字のゼロのような、楕円シェイプをしているからだ。
楕円の理由。それは、竿先周辺の、糸絡みの解消と糸抜けのよさを、どちらも両立させることにある。
多くのロッドの竿先部分のガイドは、竿に対して垂直ではなく、やや竿先側に傾いている。この傾斜(ガイドフレーム自体の形状もあるが)により、ガイドに絡むラインが解けやすい。もっと解けやすくするには、さらに竿先側に倒してやればいい。想像しただけでも、いかにもスルリと糸が解けそうではないか。
ただ、すると別の問題が出てくる。垂直に立てたときは真円だったガイドリングが、傾けるにつれてラインの通る有効面積が小さくなり、やがて水平に寝てしまえばラインの通る隙間がなくなる。するとノットなどが引っ掛かり、ガイドに糸絡みする原因になる。
じゃあ、ガイドリングが真円ではなく、楕円ならどうだ? 縦長だから傾けてもラインが通るスペースは残る。
従来のガイドフレームの傾斜角は約60度。対して、TYPE-0(ゼロ)の固定式は約45度の傾斜。だから絡んだラインがスルッと解ける。かつ、リング形状が楕円だから、従来フレームと遜色ない糸抜け性能を発揮してくれる。
遊動式は、従来フレームと同様、60度傾斜だが、楕円リングになった分、ラインの放出がさらにスムーズ。気持ちのいい糸捌き感が味わえることだろう。
磯竿をはじめとする振出竿のティップセクション用ガイド。フレーム素材はSフレームと同じくHVF+樹脂。リング素材はシリコナイト製のNリング。フレームの傾斜角は60度と、従来モデルから変更せず、代わりに楕円形状リングによる糸抜けを重視。上下に波打ちながら放出されるラインがリング内壁にタッチせず、抵抗なく抜けていくようにセッティング
継竿のティップセクション用ガイド。フレーム素材はRフレームと同じくHVFナノプラス+T1100G。リング素材はコバルト合金のCリング。重量は現行のRフレームよりもさらに軽量化されている。フレームの傾斜角は45度と、前方にグッと傾斜し、かつ、ラインが絡んでも解けやすい形状。ロッドアクションの多い釣りに使用しても、とことんトラブルレス
絡んだ糸が解けやすい
右の通常タイプのRフレームも、糸絡み解除性能はハイレベルだが、傾斜角をさらに寝かせた左のTYPE-0(ゼロ)は、さらにレベルアップ。理論を説明するまでもなく、ひと目見れば直観的に解けやすいことがお分かりいただけるかと思う
糸離れと糸抜けの両立
楕円リングと真円リングを、それぞれ45度に傾斜させたときに、リングの投影面積を比較すると、楕円リングの方が縦幅が広い。当然、広い方がラインの抜けはいい。縦幅を重視するのは、ラインは重力によって、おもに上下に波打ちながら放出されていくからである。これはフレームの傾斜角が60度である遊動式の場合も同様で、引っ掛かりなくスムーズにラインを放出することができる