銀狼、銀鱗きらめく百戦錬磨の黒鯛(チヌ)。
そして銀狼ブランドは、知略に長けた黒鯛(チヌ)を追い詰める、狩人のための武器である。
長い歴史が育んできた黒鯛(チヌ)釣りという文化は、今なおその歩みを止めようとはしない。
釣り方が進化すれば、タックルもさらに進化する。
もっとクールに、アグレッシブに。黒鯛(チヌ)という永遠の好敵手の、一歩先へ。
「アワセ」というアクションはラインに
想像以上の負荷を与えている
まずは下の表をご覧いただきたい。上段のドラグ張力100gは、いわゆる“ゆるゆる”の状態だが、30m離れた場所から大アワセを入れても、ドラグMAXのナイロンと緩い状態のPEラインの値はほぼ同じだ(いずれも当社試験データ)。さらにはMAX同士の比較になると実に2倍の負荷が掛かっている。クッション性に乏しいPEラインには、アワセ時により大きな負荷がかかることがおわかりいただけるだろう。直線強力の高いPEラインも、瞬間的に加わる衝撃には脆い側面がある。それを補完するのが銀狼LBQDに搭載されるクイックドラグ。ノブ半回転でアワセ切れを防ぐゆるゆる状態から、やり取りできるドラグテンションにスピーディーに移行することができる。この機能は、黒鯛専用に開発したものであるため、メジナ(グレ)のようにアワセと同時に走り、根に張り付く魚には不向きな側面もある。
■ナイロン・PEライン アワセ力比較ナイロンでのドラグ張力MAX時のアワセ力を1.0とした場合の指数比較(当社社内比較による参考値です)
タックルをセットした道糸の先にゲージを取りつけ、30m離れた所から大きくアワセを入れた力を計測。
実験の結果、ドラグが緩い状態(張力100g)のPEラインとドラグMAXのナイロンラインにおけるケージにかかる負荷が同等であることから、ナイロン使用時と同等のアワセが効いていると推定できる。
クイックドラグ(QD)での釣り方
アワセが大きくなりがちな黒鯛(チヌ)釣りでは、特にクイックドラグ(QD)が有効。
ドラグがゆるゆるの状態でもラインに加わる力は想像以上に大きく、しっかりとハリ掛かりする。
仕掛け投入後にノブを半回転させてドラグを緩める
仕掛けを流し、アタリに備える
合わせを入れたらノブを半回転させてドラグを締める
必要に応じてレバー操作をしながらやり取りする
最新のLB機能を踏襲し、
PEライン対応のクイックドラグ(QD)搭載。
ドラグを締める⇔緩めるをドラグノブ半回転で調整できるクイックドラグ(QD)をフカセ専用機に初搭載。黒鯛(チヌ)釣りにおける、細糸使用時のアワセ切れトラブルを削減。アワセ時は「緩めのドラグ設定」→やり取りは「ドラグを締めて」を瞬時に調整できる。チタンベールを採用したZAIONエアローターを搭載し、軽量化と軽快な回転性能を実現。ライン放出性能をアップさせたLC-ABSスプールを搭載。ブレーキが効くまでの時間を短縮しレスポンスを向上、更には軽い力でブレーキ力を発揮するBITURBOブレーキを搭載。
黒鯛(チヌ)釣りにおけるPEラインの優位性
いま、ウキフカセ釣りの世界で「PEライン」が脚光を浴びている。
コシがないためガイドに絡みやすく、軽くて風に浮き上げられやすいPEラインは、ウキフカセ釣りとの相性はあまりよくなかったが、近年はエステルなどの比重のある繊維を使用した磯用PEラインが登場し、多くの釣り人がPEラインを導入するようになった。
直線強力が高いPEラインは、ナイロンより格段に細い号数が使えるため、より遠投が効くようになる。沖のポイントをダイレクトに狙う遠投釣法では、このメリットは非常に大きい。そして、伸びがほとんどないPEラインは、アタリがよりダイレクトに伝わる。沈め釣りにおいてこの効果は絶大で、ウキを浮かせる釣りでも反応がより鋭敏に表れることから、今まで見過ごしていたアタリや、食い込みに至らない黒鯛の気配、反応が、より一層感じとれるようになった。
磯用PEラインの登場によりウキフカセ釣りも新たなステージに突入
飛距離に優れたPEラインは、黒鯛の遠投釣法で力を発揮!
PEの利点を高める『SMT』、弱点を補うLBQD
2020年秋デビューの「磯デュラセンサー×8SS+Si2」は、PE×4本、エステル×4本を編み込んだハイブリッドタイプの8ブレイドライン。8本撚りにすることでエステル量が多くなり、ナイロンと同等の比重を実現。張りも従来より長持ちし、ガイド絡みもさらに減少しており、よりナイロンに近い感覚でPEラインのメリットを享受できるようになった。
2そして、アタリの伝達性が高いPEラインのメリットを、さらに引き出すのが『SMT(スーパーメタルトップ)』である。フラッグシップの「王牙」をはじめ、銀狼シリーズのロッドには超弾性チタン合金を穂先に採用した、『SMT』モデルがラインナップされている。カーボンソリッドと比較して、手元に伝わる振動が大きく表れる『SMT』と、PEラインの組み合わせは、まさに鬼に金棒。他のタックルではまず味わえない、超感度の世界を体感することができる。また、王牙の『SMT』モデルは穂先部のガイド数を従来よりひとつ多くすることで、ライン絡みの抑制が図られている。
2さて、ウキフカセ釣りに多くのメリットをもたらしたPEラインだが、使用する人が増えるにつれ、これまであまり語られてこなかったデメリットも聞かれるようになった。それは「アワセ切れ」の問題である。直線強力の高いPEラインも、テンションが緩んだ状態で急激な負荷がかかると、ほとんど伸びがないという特性がマイナスに作用し、一瞬でプツリと切れてしまうことがある。合わせ切れを防ぐには、ドラグを緩く設定しておくのが効果的だが、やり取りに移行する際にドラグノブを何回も回して締め込むのは、手間と時間を要する。その弱点を補うために、銀狼シリーズの新LBリールに搭載されたのが、わずかな動作でドラグ力が大きく変わる、「クイックドラグ(QD)」という機構である。
PEラインのアワセ切れを防ぐのがクイックドラグ(QD)の役割