リールに「軽さ」と「強さ」をもたらすモノコックボディ。18イグジスト、19セルテートを例にとると、モノコックボディ非搭載の前作に比べて、自重にして30g以上、大幅に軽量化され、強さの指標のひとつである巻き上げ効率は15%もの向上を果たした。
つまり、今までと同等番手の、モノコックボディ搭載リールを手にしたならば、まずは「軽さ」がもたらす恩恵を心から実感していただけるはずだ。
そして「強さ」がもたらすものは、
だが、モノコックボディが秘めるポテンシャルには、もっと奥がある。今回は、それを少し読み解いてみたい。
例えば、軽さだ。強度がアップしているということは、ターゲットによっては、従来よりひとつ下の番手でも、強度的に十分に足りる場合がある。もちろんラインキャパシティや、快適に巻けるハンドル長さ、タックルバランスなどとの兼ね合いもあるので、一概にはいえないけれども、ある一定強度を満たせば大丈夫だというのなら、小さな番手を選ぶ選択肢も出てくるではないか。
番手が小さくなれば、当然、劇的に軽くなる。軽量化をとことん追求したいなら、そんな選択肢もある。頭の片隅に入れておいていただきたい。
また、逆も然り。今までのリールの重量に不満がないのであれば、あえて大きな番手を使って、さらなるパワーを得るという選択肢もある。つまり、リールを選ぶ際、「強さ」を基準にするなら軽さを得られるし、「重さ」を基準にするなら強さが得られる、というわけだ。
ひとつ例を挙げよう。19セルテートのLT5000D-XHは、耐久テスト時にドラグフルロック状態で、10㎏クラスのヒラマサを何本も獲りまくり、アフターチェックでも、不具合が出なかったほどの強度を誇る。なのに、自重は295gだ。これまでショアジギングや、オフショアのライトキャスティング、ライトジギングなど、従来は自重400gオーバー、ときには500gクラスのSWモデルのリールを装着しないと太刀打ちできなかった釣りが、今や300gアンダーのリールで楽々悠々とは驚く。
300gアンダーのリールといえば、従来では3000番クラス。ということは、シーバス用としてもストレスなく使えるうえ、もっとパワーの必要な釣りもまかなえてしまうということだ。もちろん、アングラーの技量やタックルバランスなどが介在してくるので、一概にはいえないが、ジャンルによっては、これまでの標準的なタックルセッティングを、一変させてしまうほどの可能性を、モノコックボディは秘めているのだ。
同じ強さなら軽く。同じ重さなら強く。
同じ重さなら強く
新旧イグジストの自重を比較すると、旧の2508PEと、新のLT3000-XHが、ちょうど同じ195g。ひと番手、大型のボディサイズに大きいドライブギアを内蔵して、パワフルになったものと同重量なのだ。2500番サイズは、港湾や河川内のシーバス、エギングなど、多用途に使えるが、3000番サイズは外洋サーフなどにも対応。大は小を兼ねる汎用性を備えつつ、同重量なのである。
同じ強さなら軽く
今回、ピックアップしたいのは、5000番クラス。ワラサやハマチクラスのブリ族、中型のヒラマサ、サワラ、シイラなど、従来は、SWモデルだと重く、汎用機の大型番手ではパワー不足だと悩んでいたところをすっぽりと埋めてくれる、ミッシングリンクのような存在が、がっしりとしたモノコックボディのセルテートの大型番手だ。タックルセッティング次第では、軽やかなビッグゲームが楽しめる。