リールのタフさを語るときに、まず論じられるのはギアだろう。確かにギアはリールのパワーを生む心臓部だ。もちろんタフでなければならない。
だが、大きな負荷が掛かったときに、ギアがタフであろうと、それを支えるボディがたわんでしまえば、ギアは内部で暴れ、噛み合わせがズレて、力の伝達が阻害される。ズレたギア同士がお互いを傷つけるケースもあるのだ。
つまり、せっかくタフなギアを積んでいても、それを支える土台が脆弱であるならば、元も子もないのである。
従来構造のリールボディは、2つのパーツを組み合わせて構成されている。一方、モノコックボディは、ひとつなぎで作り上げたものだ。もはや直感的にご理解いただけると思うが、強さ、たわみにくさは段違いである。当然、ギアはがっちりと噛み合い、ガタつかず、持てる力をきっちりと発揮してくれる。
そしてモノコックボディに組み込まれるのは、ダイワの誇るタフデジギア。それも、巨大なサイズのものだ。
というのも、従来構造だと、2分割されたボディをネジ留めして組み合わせるため、ボディの内壁にネジ穴が必要になる。そのネジ穴が内部スペースを圧迫するため、積めるギアサイズには一定の限界があった。一方、一体成型のモノコックボディにはネジ穴がない。内部スペースが広い分、ボディサイズが同じでもより大きなギアが収納可能になったのだ。
堅牢なボディと巨大なドライブギア。これらが生み出す、リミットブレイクの剛力を、ぜひ体感していただきたい。
ドライブギア
18イグジスト、19セルテートに搭載されているドライブギアは、アルミを冷間鍛造し、さらに理想的な歯面になるように超精密マシンカットを施した、ダイワが誇るタフデジギア
効率グラフと測定方法
リールはさまざまな部品を介するうち、ハンドルに加えた力に対し、実際の巻き上げのパワーは下がってしまう。巻き上げ効率とは、その力をロスすることなく、どのくらい効率的に伝わるかを示したものだ。19セルテートは16セルテートに比べ、15%もの効率アップを実現した。
モノコックボディ
モノコックボディは、それ自体が巨大なネジの役目も担うエンジンプレートでカバーをされていて、大きな負荷を受けてもズレにくく、たわみにくい構造になっている。また、ネジ穴を必要としない分、従来構造よりもボディ内部のスペースがグッと広くなり、より強力な、巨大なサイズのドライブギアが搭載可能だ。
従来構造
3~4点のネジでボディにボディカバーを留める構造。ボディをたわませる力が掛った場合は、この細いネジを中心に受けることになるため、大きな負荷がかかるとボディとボディカバーにズレが生じやすい。また、ネジ穴の分、内部スペースが狭くなり、内蔵できるドライブギアのサイズもおのずと小さくなってしまう。