学ぶ
やってみよう!
さかなストーンアート部門



楽しく、大好きな魚にふれあえる!?
さかな釣りをテーマにした、大好評の手づくり教室。
材料は、川や浜辺にある石だ~。



この石で作るお魚アートは、さかなの形に似た石をひろってペイント(色つけ)する『さかなストーンアート』。
もちろん、作り方はとてもカンタン。
色つけなどのテクニックもわかりやすく説明しているので、とにかくチャレンジしてみてください!!
たくさん作ってお部屋にかざれば、オリジナル(自分だけの)水族館(?)だって作ることもできるはず・・・。
こんな楽しみ方ができるのも石で作るお魚アート(=スートンアート)教室の面白い点だから・・・ね。


作り方を教えてくれる先生は…
八百板浩司(やおいた こうじ)さん
《プロフィール》
さかな、つり、自然をテーマにした作品を手掛けるイラストレーター・八百板さんが、イラストにひき続いて今回も先生だよ。
八百板さんは、日本のみならず、アメリカのフィッシング誌などでもリアルなイラストを執筆し、
ワールドワイド(世界的)な活躍を続けている有名人。そんな先生が、上手に描くワザを教えてくれるからね。

楽しく作るために…こんなモノ(材料)を用意しよう!



ストーンアートを作るには、『さかなに似た形の石』はもちろん(これがないと何もできないからね・・・)、
サンプル(みほん)となるような「さかなの写真、さかなの図鑑・・・」も用意しようね。
そして、アートするために次のようなモノがないとね・・・。

●石に色をぬる、絵の具。
これはアクリル絵の具(水性ではダメです)。そして筆(ふで)。
このアクリル絵の具は、どんなものにも色がぬれ、乾燥すると油性のようにしっかり色つけできるスグレもの。
アクリル絵の具は12色セットなどもあるけど・・・、
よく使う白、青、緑、赤、黄色の5色くらいを用意しておけば大丈夫。
学校で描く水性絵の具と同じ。ほら、この5色を混ぜ合わせるだけでも、いろんな色が作れるからね。
なんたってリーズナブル(安あがり)だし・・・。
筆(ふで)は少なくても2本。大きな面に思い切り色をぬる太筆と、細かい部分をリアルに魚っぽく描く細筆を用意しよう。
●「ジェッソ」と呼ぶ、下地のための絵の具(白い塗料)も必要。
石に下地としてこの白をぬって、他の色がつきやすくなるからね。
●下書きに使う耐水性(油性のもの)サインペン。
●パレットや水さし、かわいているゾウキンとぬれているゾウキン。
●仕上げのコーティング(保護膜)に使うアクリル絵の具用のニス。
●キレイに、そして早く仕上げるには、ヘアドライヤーがあると便利かな(お母さんに借りよう・・・)。

まずは、石えらびは・・・

ストーンアートにはなくてはならない「石」のえらび方には、2つの考え方があるよ。

まずは、自分が描こうとするさかな全体がイメージできる形の石をさがすパターン。
当たり前だけど、みんなが知っている『さかなの形=だ円形で細長い形の石』なら、
いろんなさかなに描けるから、さかなの形を探そう。
平べったいひし形ならヒラメやカレイ、カワハギなどで、矢印みたいならマゴチやハゼといったように・・・ね。
他にもさかなの形っていろいろあるけど、「これって、○○に似ているな~!」って石がいいんだ。

もう1つの考えは、ボクがえらんだような石で、さかなの『ある部分に似ている石』を探すんだ。
石にはいろいろな形があるよね、単純な形ではなくて目立つ(変形、欠けているなどの)石をひろっては、
「この欠けたところはサーモンの口に似ている~」、
「この丸みはニジマスの頭にそっくりだ~」、
「この丸いデッパリはメバルの目だな~」。
こんなように、頭のなかでいろいろ想像して石の形とさかなとをイメージしながら、
アレコレ考えながら石を探す楽しさも倍増するよ。

石の形は、川の上流から下流に下るにつれて丸くなるし、海に面した浜辺や磯などでも形が変わる。
つまり、つりをする場所がかわれば、いろんな石がひろえるってワケ。
さぁ、たくさん集め、これから教える手順で、いろんなさかなのストーンアートを作ってみよう!!

ストーンアートには2時間くらい!
アクリル絵の具は、重ねてぬりができるので何度もなおせる!
失敗は気にせず、思いっきり描こうね!!

ストーンアートには2時間くらい!
アクリル絵の具は、重ねてぬりができるので何度もなおせる!
失敗は気にせず、思いっきり描こうね!!


1.石をしっかり洗ってヨゴレを落とす。サンプルの写真や図鑑をよく見える位置おいてスタート!

キレイに色をぬるために、石はしっかり水洗いしましょう。
ひろってきた石には砂やホコリなどが付いている。
そのまま色をぬっても、ムラになっったり、仕上がりが汚くなるからね。
水洗いしたら、石をよ~くかわかして、石が滑らないようにかわいたゾウキンの上に乗せかわくのを待つこと。
また、アートするために参考になる写真などを近くにおいて、工作の準備をしようね。

2.色の乗りを良くするように石に下地「ジェッソ」をぬる
 
絵の具の色がキレイにぬれるため、そして発色(みばえ)を良くするために、
白い塗料の「ジェッソ」を下地にぬるんだ。
これは、細かい穴があいていたりする石の表面をなめらかにスベスベ(?)に
コーティング(おおう)する役目もあって、色のにじみやムラなどを防ぐからね。
 「ジェッソ」は一度ぬったらドライヤーで乾かして再度ぬる、二度ぬりが基本だよ。

3.下書き(線画)を耐水性のサインペンで描く

描こうとするさかなのサンプル(写真や図鑑)をよ~く見て、
石の向きや方向(角度)を合わせて、まずは下書き(線画)を始めるんだ。
そして、いちばん似ているところ(写真の例では、口)から線を書き出し、
「目、エラ、ヒレ」など、さかならしい部分を自分のイメージ(想像する)とおりに描いていくんだ。
この時、下書きは、さかなの形がわかるようになればOKだよ。この下書きは、
色わけをするために線を描くだけで、ベース(さかなの身体の色)となる色をぬったら、
もう一度こまかい部分を描き足すからね。

ペンは耐水性(油性のもの)のサインペンなどをつかうこと。
下書きの上からアクリル絵の具をぬって色をつけをするので、
水性だとにじんじゃうから、最初からやり直しになってしまうからね。

4.ベースとなる色からぬり始めて、おおまかに、さかな全体の色わけをする

描こうとするさかなの、メインカラー(いちばん目立つさかなの身体の色=多くつかわれる色)から
順番にぬるのが基本だよ。
ここでは下書きを気にせず、上からおおまかにぬって色わけするだけでいいからね。
この後、また下書きをして、今度は細かくぬっていくから。
色わけはおおまかでOK。せなか側やはら側のように2~3色くらいをぬって、さかならしく見えるような感じでね。
写真にあるサンプルは、ボクが北アメリカでつり上げたアトランティックサーモン(サケの一種)。
写真でも分かるように、いちばん多い色はヨコ面(体の側面)で茶褐色(ちゃかっしょく)だよね。
まず、ここからぬって、次にお腹から顔にかけての薄いピンクをぬって、ボクは終了。
こんな感じでいいからね!


【色ぬりのワンポイントアドバイス!】
思いっきり、だいたんに色をぬっても、問題ナシ!
アクリル絵の具は乾きが早いから。
色ぬりに失敗しても、何度もぬりなおせる

さかなの色って、実はズバリ、この色がないんだ。
光のあたり方しだいで、虹色に輝いたり、みどりや赤っぽくも見えたりするからね。
そこで、アドバイス。まずは、思った色をベースとしてぬってしまおう!
もし、なんとなく違うな~、と思っても、それはアート。
自由に自分の思う色、そうオリジナルのさかなとして、色をぬればいいんだ。
何も気にすることはないよ。そんな色のさかながいるかもしれないし、色をたのしむのも面白いよ。
 アクリル絵の具のメリット(良い点)は乾きが早いこと。
もし気に入らなかったら、重ねぬりして何度もなおせるので安心してね。


◆色をぬるときは、ほんの少しだけ筆に水をつけるのが基本。
 絵の具がよくのびるからね!
 ただし、水をくわえすぎるのはダメ。かさねぬりするとき、色がのりにくくなるから。
 絵の具の理想の状態(ぬりやすいのは)は、クリーム状って覚えておこうね。


◆ぬりおわった筆は、必ず水洗いしておくこと。
 乾くと固まって、次につかえなくなるからね!道具は大切に。


5.うすく残った下書きを描き直そう

さかなの身体らしいベースの色をぬって、見えづらくなってしまった下書きを、
今度はアクリル絵の具の黒色をつかって、もう一度描くよ。
エラや口、目など輪郭(さかなを形づくる線)をできるだけ細かく描くのがキーポイント。
このデキで、リアルさ(ホンモノっぽく見える)がキマルからね。

細かい線を描くテクニックは、写真のように描く手の手首を、あいている手でしっかりつかんで固定すること。
細筆をつかい、いっきに線を描くのでなく、ていねいに少しずつ線をのばしていくと、じょうずに描けるからね。


6.細かい色わけと重ねぬりで、ホンモノのさかならしくしよう

細かい色わけは、色の濃い(暗い色)部分からぬるのが基本だよ。
このアトランティックサーモンの場合は・・・。
背ビレ側から側線にかけてがいちばん暗く、緑から茶褐色に変化(グラデーション)している。
まずは、この色(緑と白、そして黄色を混ぜる)を作り、濃い部分・背ビレ側からぬって、
少しずつ水でうすめていきながら、だんだんと色が変わるように(グラデーション)ぬろう。

このグラデーションも少し大げさに色をぬっても構わないよ。
さかなって、オモチャのようにハッキリ色分けされてなくて、
あいまいな部分もあるから、そのままホンモノどおりでなくてもOKってワケなんだ。
むしろ、色のさかい目はボカシ効果をつかってリアルに見せよう工夫をしようね。
ベースとしてぬった色をうすめに作り、タタくようにかさねぬりすると、
少しずつ色が変わっていき、うまくボカシができていくよ。
続いて、濃い場所の目のフチ。
じっさいは、白く見えるけど、ここは暗い感じにした方が迫力が出るので、
ここでぬってしまうんだ。これも、ちょっとしたテクだよ。


7.続いて明るい部分、そして顔をぬる

ぬる面積(ひろさ)が多い部分からぬっていこう。このさかなの場合は、体側にあるピンクがかった帯状の線だね。
次に顔のパーツだ。
目玉のまわりは黄色帯っぽく見えるので、明るさをよく見て、黄色を描き入れる。
このとき、目のひとみの外側に薄い青を入れたりすると目に凹凸ができて、カワイクなるからね。
覚えておいて!!

【立体感や迫力を見せる方法...】
続いてハイライト効果っていうんだけど、
色の濃い部分のキワに明るい白系の色をなぞるように描き入れると、輪郭が目立ち立体的に見えるんだ。
また、ひとみに白を入れると、生き生きとした表情になり、
くちびるにある歯のようなもようを描くと迫力が増して、うまく仕上がるよ。

8.最後に斑点(はんてん)をいれ、ニスをぬってコーティング

このサンプルの場合、最大の特徴である斑点(点々)は、最後の作業だよ。
こちらも斑点のフチに白を入れるハイライト効果を利用して際立たせるんだ。
そして最終的に、ニスをぬって、表面をコーティングして完成だよ。

※八百板先生の最後のアドバイス... 
「あまり細かいことを気にせず、大胆に描いてほしいですね。あくまでも自分の作品ですからね。
また、思い切りよくあまり色をぬらず、石そのものを生かしたりするのもテクニックのひとつですよ」
とアイデアもくれました。
さぁ、たくさん作って練習です。
いろんなさかなを楽しく描いていると、いつの間にかうまくなるので、どんどん石をさかなに描こうね!