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チャレンジ編:マダイのカラー魚拓製作法

カラー魚拓の製作には『タンポ』が必需品
製作時間は、約半日~1日を目安として見ておこう

一般的な魚拓は、魚に墨を塗って型を取るスタイルですが、今回みんなにチャレンジしてもらうのは、“近代魚拓”と呼ばれるカラーバージョンの魚拓になります。
和紙(半紙)を魚の上に乗せ、その上から色をのせていくのが特徴的で、真っ黒になりがちな一般的な魚拓とは違い、色合いを見ながら色を重ねてのせていくので、ビギナーでも上手に仕上げることができます。
このカラー魚拓は、綿を丸めて布で包んだ手作りの『タンポ』を筆代わりに使用するので、各自で用意しましょう。なお作品の完成時間は、使用する魚の大きさによって変わりますが、乾かして台紙に貼る工程を考えると、およそ半日~1日かかると見ておきましょう。

厚みのある魚を魚拓にするなら
半身にしてから作業を始めることをオススメ

タンポをたたいて作品を仕上げるカラー魚拓は、製作上(色をのせやすいなど)、平らな魚の方が質感を出しやすく、作業工程も楽になる。しかし魚は、厚みがある魚種が多く、チャレンジ編として挑戦するマダイもその中の代表魚の一つである。
「カラー魚拓をとる上では、この厚みが余分な作業・工程を増やします。そこで私は、魚を半身にしてボディのふくらみを抑える方法を推奨しています」と智海先生。
具体的作業は工程の中で紹介するので、さっそくマダイのカラー魚拓に必要な物から紹介していこう!

魚のカラー魚拓を作る材料

  • 材料は、ホームセンターや100~300円均一ショップでほぼ揃います。
  • 作品サンプルとなる魚や貝
  • サンプルの魚のサイズより大きめの発泡スチロール
  • 油絵具(まずは12色でOK)
  • 薄め液
  • 油絵具を混ぜるパレットナイフ
  • タンポ
  • 和紙(半紙でも可。作品サイズに合わせる)
  • 画用紙
  • 台紙になる厚紙(作品サイズに合わせる)または色紙
  • 吸水紙
  • コピー用紙(A4、A3があると便利)
  • 定規(30cm以上が理想)
  • A4サイズのクリアファイル(透明)
  • 下敷き
  • ベビーパウダー
  • スポンジ
  • 霧吹き2つ(オキシドールと水を入れる)
  • カッター
  • 彫刻刀
  • 油性のラインマーカーもしくはマジック(細字用)
  • 鉛筆
  • 筆(中細、細)
  • のり(障子用と一般用)
  • はけ
  • 先端の大きさが異なる綿棒(極細から太いサイズまで3種類くらいあると便利)

  • 仕上げの裏打ち時(台紙・厚紙に作品を貼ること)に役立つマスキングテープやA3サイズのアクリル板、塗装用ローラー(柔らかめの靴磨きブラシでも可)、消しゴムが必要。目玉のハイライトを出す胡粉、瞬間接着剤、両面テープ、ティッシュ、裏打ちに使うA3サイズくらいのアクリル板も用意したい。また資料として、作ろうと思う魚や貝類などが掲載されている図鑑または携帯やパソコンで検索した画像などがあると参考になります。
  • タンポの作り方は入門編をご覧ください。

上手に仕上げるコツ

  • 色のせの基本は、明るい部分の色からのせていくこと。油絵具は色修正が難しく、濃くのせてしまった場合の修正は、より周りを濃くするしかありません。この特性を頭に入れておきましょう。
  • 色をのせるときは、薄くのせ始めるのが基本。パレットナイフを使い絵具を薄め液で伸ばしてから使用すること。ちなみに濃い状態でのせると、絵具がのり過ぎて、細かい表面模様などが出なくなるので要注意です。
  • タンポで曲線や曲面をたたいてのせるときは、予め吸水紙(画用紙でも可)で作っておいた曲線定規を利用して、色がはみ出ないようにする。
  • ヒレやウロコなど細かい模様がある部分は、小さいタンポを使用。根元を濃くし、ヒレの先にいくほど薄くすることで、コントラスト(陰影)をつけてリアルに見せよう。
  • 凹凸(おうとつ)や丸みのある部分も同様に、凸の部分を濃くすること。濃淡がはっきり出て、より立体感がでます。
  • 元々白い部分は色のせしなくてOK。白地を怖がらないように!

製作開始 タンポでたたく前の準備

工程① 題材となるマダイの下準備

1-1> 釣り好きな智海先生。題材となるマダイは、釣ってきたものを使用しました。まずはマダイが全て収まる発泡スチロールを用意。ちなみに魚拓は左に頭が来るように取る。

1-2> 腹ビレがあると、腹部の色のせの邪魔になるので、最初に切っておく。そして仕上げの段階で付け足す作業をする。

1-3> マダイを水洗い。その後、内臓処理を行う。

1-4> マダイを半身に切って、その一方を使用する。残りの半身は美味しくいただきましょう。半身にしたマダイの内臓部にキッチンペーパー(ティッシュでも可)を入れて水分を吸収させる。

工程② 発泡スチロールを加工して魚を固定する

2-1> 発砲スチロールに左頭で切り口を下にした半身のマダイを乗せる。

2-2> マジックで半身のマダイの外周をなぞる。

2-3> 発泡スチロールに書かれた線の内側を彫刻刀などで掘る。頭から胸の部分を少し深くすると納まりが良く、マダイも安定する。これでマダイのボディも平面になりタンポでたたきやすくなる。

工程③ 各ヒレに下敷きで作った台座を入れてしっかりタンポをたたけるようにする

3-1> 下敷きを尻ビレにあてて、その付け根にそってマジックで線を引く。

3-2> 下敷きに書いた線を切る。これがタンポを打ちやすくする台座となる。

3-3> 尻ビレ同様、背ビレ、尾ヒレも下敷きを使い、台座を作る。

3-4> 各ヒレの台座の完成形がこちら。なお台座はしっかりテープで魚を乗せた発泡スチロールに止めておくこと。

工程④ エラや尾ヒレにテッッシュで作ったコヨリを入れて凹凸を出す

4-1> 何もしなければ、ボディに馴染んでしまうるエラ。ここをタンポでたたいて色のせしても、上手に表現できません。そこでコヨリ(ティッシュをひも状にしたもの)の出番となる。エラの隙間にコヨリを入れ凹凸(高低差)を出せば、これが解消できるのだ。

4-2> コヨリのセットはエラブタを持ち上げると簡単。エラブタが閉じる場所にコヨリを置いて、そこを瞬間接着剤で止めて完了だ。

4-3> 尾ヒレは、付け根の下側から外周にかけてコヨリをセット。こちらは台座となる下敷きとコヨリ、さらに尾ヒレを瞬間接着剤で止めよう。

4-4> 続いて付け根の上部も同様にコヨリをセットして瞬間接着剤で止める。この作業で台座と尾ヒレの間に高低差が生まれ、タンポで尾ヒレを打った際、メリハリが出るようになる。

工程⑤ 各ヒレを立たせるために台座の下敷きへ貼り付けよう

5-1> 魚は写真でもイラストでも、ヒレが立っている方がカッコイイ。当然、カラー魚拓も同様で、ひとつずつ作業していきたい。まずは尾ヒレ。
指を使って尾ヒレをキレイに伸ばし、写真のように最初の鰭膜に瞬間接着剤を付けて台座の下敷きに止めよう。

5-2> マダイの背ビレは長いので、2カ所で止める。まずは背ビレの前部を止める。こちらも最初は指で背ビレを立てて、瞬間接着剤を垂らして止めよう。

5-3> 続いて背ビレの後部を止める作業。後部から1cm程度の場所にある鰭膜周辺に瞬間接着剤を垂らして止める。

5-4> 鼻の穴から水が出ることがあるので対策しておこう。ティッシュで作ったコヨリを鼻穴に入れて拭いておこう。

工程⑥ 霧吹きでマダイに水をかけたらおおまかにボディラインの線画を書いておく

6-1> マダイの乾燥を防ぐために、ここで一度、保水タイムを持とう。カラカラだと表面が硬くなり、タンポでたたいても細かい模様が出なくなる。マダイにティッシュを乗せて、霧吹きで水を軽くかけておこう。

6-2> 1、2分の保水タイムの後は、後に役立つボディラインの線画作りに入る。まずはA4のクリアファイルをカッターで見開き使用に切ってA3サイズ透明シートを作る。それをマダイの上に乗せてマジックで背ビレから書いていこう。
※マダイの大きさがこのサイズでは収まらない方は、同様にB4またはA3で対応しよう。

6-3> 目周りからエラの位置もマジックで書いておこう。最初に切り取った腹ビレの位置もわかるようにマーキングしておくこと。

6-4> 線画がかけたらコピー用紙の上に置いて形をチェック。ヒレなどのパーツの配置や大きさがわかればOKだ。

工程⑦ 各ヒレの型紙を作ってカッコ良く仕上がるように準備

7-1> ヒレの部分をシャープに描くと作品全体が締まり、カッコ良く仕上がるカラー魚拓。タンポでたたいても、ヒレ以外に絵具がのらないように、予めクリアファイルを利用して型紙を作っておこう。まずはクリアファイルを見開き状に切って準備。それを背ビレに当てて、付け根からヒレ先までを丁寧にマジックでなぞっておく。

7-2> 背ビレをなぞったクリアファイルの空き部分を利用して、今度は尾ビレを同様になぞろう。

7-3> さらにクリアファイルの空き部分に、胸ビレも同じようになぞっておこう。

7-4> クリアファイルになぞった各ヒレをカッターで切って、それぞれにわけておこう。

工程⑧ 最後に付け加える腹ビレの下準備もしておこう

8-1> 腹ビレも下敷きで台座を作っておくこと。下敷きの大きさは、腹ビレの2~3倍くらいでOK。その下敷きにヒレを広げた腹ビレを置いて、瞬間接着剤で止めておく。

8-2> 腹ビレに使う型紙も必要なので、<7-1>の作業同様、クリアファイルに腹ビレ全体をなぞる。

8-3> クリアファイルになぞった部分をカッターで切って、準備完了。

ここからはタンポでの色のせ開始

工程⑨ マダイに和紙を乗せて軽く水を拭きかけ濡らしたスポンジでマダイの姿を映し出す

9-1> マダイより大きな和紙(または半紙でも可)をマダイの上に乗せ、霧吹きで水をさっと拭きかける。

9-2> 目玉周りや唇はゼラチン質で和紙にくっつきやすいので、ベビーパウダーを軽く付けて防止する。

9-3> カップに水を注ぎ、スポンジを湿らせて軽く絞る。

9-4> そのスポンジでマダイを軽くたたいて和紙を湿らせ、マダイの形状がうっすら写す(写真程度)。これをマダイ全体に行う。

工程⑩ ボディパーツごとの型紙を作る 使用する油絵具を出して明るい色から塗りだす

10-1> 工程7で作ったヒレ用の型紙同様、ボディパーツ別にも型紙を作っておこう。<6-2>でクリアファイルに形取ったボディをベースに、写真にあるような6パーツの型紙を作ろう。なお、こちらは魚の角にあてて使うので吸水紙か厚紙で作ることをオススメ。これを使ってシャープなボディラインを作ろう。

10-2> クリアファイルに白いコピー用紙を入れた簡易パレットを作り、自分が使いたい油絵具を出して色のせの準備に入る。先生はマダイのメインカラーである赤を主体に、黄色、青、白、茶色、黒、などをセレクトし、これらを混ぜて他の色も作っていた。

10-3> 色のせは明るい部分から付けていく。もっとも明るい白は、ベースの和紙の色を使うので、先生は黄色からスタート。タンポにつけ、コピー用紙に擦って色合いを調整した。

10-4> このカラーリングは、「作り手のイマジネーションを働かせ、自由にやって欲しいと先生」。ピカソ然り、驚くような配色で仕上げても作品になるのだ。今回は先生の配色で話を進めよう。まず先生は、うっすら黄色く輝くエラブタ、側線の下、腹ビレから色をのせることを決めた。そして薄く延ばした黄色を付けたタンポを軽くたたいてのせた。

工程⑪ 型紙を利用してマダイ上部のボディラインに色のせ

11-1> 次に頭部を小型のタンポに赤を付けて、型紙越しに色のせを開始。ちなみにタンポは、大きいサイズが繊細な凹凸、ウロコなどを出しやすく、逆に小さいサイズは輪郭部の濃淡を出すのに適していると覚えておこう。

11-2> 貝の色のせでも紹介したが、タンポで色をのせるときに便利なのが写真でも使用している曲線定規だ。形はボーリングのピンの先端を曲げたような形で、吸水紙や厚紙を使用。自作で切って作れるので用意しておこう。ここでは目玉の外周をタンポでたたく時に使用した。

11-3> 頭部の輪郭と目玉まわりの最初の色付けが完了。ここからさらにたたいて濃淡を付けて立体感を出していく。黄色部と被る場所は控えめに赤をのせている。赤の方が強く、のせすぎるとさらに黄色を被せて補強。これを繰り返すと作品全体が濃くなりすぎるので要注意。

11-4> オデコから背ビレの際、尾ヒレへと続くボディラインを出すために赤を付けたタンポを何往復かたたいてエッジを際立たせた。

工程⑫ 尾ヒレに続くボディラインを際立たせ側線部をたたいて側線を浮き上がらせる

12-1> 尾ヒレに続く型紙をボディの際の和紙に当てながら、薄め液で薄く延ばした赤を用意。小型タンポに付けて、細かくたたいて縁の質感を際立たす。

12-2> 水で濡らした和紙にうっすら写る側線部をしっかり出すために、大きなタンポを使用。赤を薄く延ばしたタンポを、弾くように何往復かたたいて側線を際立てた。

12-3> マダイの側線周辺は、赤色の部分が多くウロコもある。そこでウロコがしっかり出る大きいタンポを使用。幅を持たせて赤をのせて写真通りの色を出そう。

工程⑬ マダイ上半部の色のせ総仕上げ

13-1> 工程7で作った尾ヒレの型紙(クリアファイル)を尾ヒレに被せて色のせを開始。骨のように見える線・鰭条(きじょう)をしっかり出すには、タンポを軽く弾くようにたたくのがコツ。

13-2> 曲線定規で目玉を隠すようにして、目玉周りの色を調整。比較的、目の上は赤色が濃いので、それを意識してタンポを打つ回数を考えよう。その他の場所も、図鑑を見てコントラスト(色の濃さ)を真似しよう。

13-3> たたいて和紙に色をのせていくと、糸くずのような毛玉ができる。これを放置して仕上げると、作品に筋が入って見えるので、定期的にチェックしてピンセットで取り除こう。

タンポでの色付け後半戦に突入!

工程⑭ マダイの下半分の色のせに入る 腹部は白だが、輪郭部に影を入れるとよりリアルに見える

14-1> ここからは腹部周りの色のせ作業になる。基本的に腹部は白いが、寝かせて置くと輪郭部には影ができて黒っぽく見える。カラー魚拓では、そこも再現する。まずは輪郭部の色作りから始めよう。先生は青に白と黒を混ぜた灰色を用意した。

14-2> パーツ別に造った腹下の型紙を当てながら、中サイズのタンポに薄く延ばした灰色を付けて、細かく叩く。

14-3> 顎下も同様に中サイズのタンポで灰色をのせる。

14-4> 唇下の部分は、小さいタンポに変えて灰色を薄目にのせて、口元に進むにつれて薄い青に色をグラデーション(変化)させると、よりリアルになる。細かい作業となるので、タンポの代わりに綿棒を使って作業しよう。

工程⑮ 唇周りは細かい作業になるのでタンポを綿棒に変えて作業するのもあり

15-1> 上唇と下唇の色を変えて作るのが先生流で、まずは上唇の作業だ。上唇には膜状の皮が付いているが、ここもタンポで浮き上がらせることができる。型紙で色がはみ出ないようにガード。カラーは、白に赤を混ぜた薄いピンク。これをタンポにつけて弾くようにたたく。

15-2> 下唇にはライトブルーを用いる。こちらも色がはみ出ないように型紙で守ること。細かい場所なのでタンポ代わりに綿棒を使って色をのせよう。

15-3> 歯も浮き出すことができる、カラー魚拓。うっすら和紙に写る歯に、薄い黄色を付けた綿棒をたたいてリアルに出そう。

工程⑯ 色々なカラーが入る胸ビレ周りの細部にこだわる

16-1> 胸ビレは一番動く場所で、付け根は筋肉質でふくらみもあり、うっすらと黒く見えるときもあるし、ヒレの先端はクリアに近い黄色にも見える。この細部は色を重ねてのせることで解決しよう。まずはクリアファイルで作った型紙をセットする。

16-2> 最初に骨のように見える鰭条(きじょう)をしっかり際立たせて出す。これには赤を付けた太いタンポを使用。弾くように色をのせているが、付け根のふくらみ部には色を少ししか入れないのがポイント。その後、付け根から1cm離れた位置から黄色のタンポを型の最終部分までたたく。そして最後に薄い灰色をふくらみの部分に重ねて影を出す。これが皮膚を絶妙に演出。リアルに見せるコツでもあるのだ。

16-3> クリアファイルの型紙を外すと、ガードされていたヒレ上部の白が出るので、そこに薄い赤色をタンポでたたいてのせよう。

16-4> ここで下半分の状況をチェック。尻ビレとボディの際の濃さや、腹周りのくすみ感が弱ければタンポで灰色をたたいてのせよう。

工程⑰ 各ヒレの色のせを行う

17-1> クリアファイルで作った型紙を背ビレにあてて色のせをしていこう。最初に薄い赤色を付けた大きめのタンポを使い、軽く弾いて骨のように見える鰭条(きじょう)をしっかり際立たせよう。

17-2> 背ビレは、ヒレの先端に行くほど薄くなり、鰭膜(鰭条間の膜)も透明になる。これを先生は薄い黄色で表現した。

17-3> 続いて尻ビレの色のせだ。こちらも事前に作ったクリアファイルの型紙をあてて作業に入ろう。尻ビレは付け根周辺がくすんだ灰色に見え、鰭条(きじょう)もその影響で灰色に見える。その濃さの違いをタンポのたたき方で表現しよう。写真のようになれば合格だ。

17-4> 光の当たりようで、尻ビレもピンクがかって見えるので、全体的に赤を薄く入れよう。さらに先端に黄色を少したたいてのせることでキラキラ感も出そう。

工程⑱ 上から光があたる感じで全体のトーンを合わせる

18-1> ハイライト(光があたり輝いて見える場所)を入れることで魚に立体感が出るカラー魚拓。先生は、おでこの上45度から光があたるイメージで色をのせていた。「8割くらい塗れたら全体をチェックして、全体のトーンを合わせて行きましょう」。先生は、あえて塗らなかった尾ビレの下の部分(ハイライトの影になる)に、灰色(青色に近い)をのせて全体のバランスを合わせた。

18-2> 続いて、胸ビレ周りをチェック。胸ビレの付け根付近からアゴ下の部分に影を入れた方がバランスとれると判断。先生は灰色に青を少し混ぜて伸ばした色をタンポに付けて、たたいて色をのせた。アゴ下のボディラインに続くカラーとしてグラデーション効果もねらったのだ。

18-3> アゴ下周りから尾ヒレの付け根の下に続く見事な灰色の影。タンポのたたき方ひとつで筋に見せたり、グラデーションに見せたりと、様々な表現ができるカラー魚拓。
先生は和紙に渇きを感じて(常にしっとり状態が理想)、水を入れた霧吹きを2、3回吹きかけた。

18-4> 予め書いた線画を作品に当てて、塗った面積が同じくらいになっているかやパーツの位置を確認。足りなければ色をのせ、あっていれば仕上げの作業に入る。

和紙を剥がして仕上げに突入!

工程⑲ 和紙をめくって魚と分離 余分なゴミを取り除く

19-1> 魚の上の乗っている和紙を、端からゆっくりはがしていく。

19-2> 和紙が魚にくっついているときは、水を付けた筆を使用。そその部分をこするとはがれてくれる。

19-3> 最後まで気を抜かず、ゆっくりはがしていく。

19-4> はがし終わったらデスクに置いて、糸くずのようなゴミを先曲がりのピンセットで取り除こう。

工程⑳ 切り取っていた腹ビレを作品に付ける作業に入る

20-1> 工程6で作った線画を作品の上に置いて、腹ビレが付いていた位置を確認する。

20-2> 予め下敷きにセットしておいた腹ビレを線画でチェックした位置に置いて角度を調整する。その後、下敷きを作品の下に移動させる。

20-3> 濡らしたスポンジで和紙をたたき、和紙に腹ビレの形がうっすら写る(写真程度)まで湿らす。

20-4> 腹ビレが浮き出たら、こちらも予め作っておいたクリアファイルの型紙を上に乗せる。

工程㉑ 腹ビレに色をのせ作品になじませる

21-1> 腹ビレはボディの下にあり、ハイライトの影響も受ける。付け根付近はくすみ、鰭条(きじょう)もその影響で黒っぽく見える。まずはその色をタンポでたたいてのせていこう。

21-2> 尻ビレ同様に光のあたり方で、赤や黄色交じりに見えることもある。これはタンポで色を重ねてのせていくことで再現しよう。先端に行くほど薄くしてヒレの質感を出すことを忘れずに行おう。

21-3> 仕上がりはこちら。最初に入れたくすみと相まって付け根は締まって見え、グラデーションも本物の腹ビレのように仕上がって二重マルと言えよう。

工程㉒ 背ビレと尻ビレの鰭膜にも色を入れてリアルさを出そう

22-1> まずは背ビレ。鰭膜をキレイに出すには、自作の曲線定規2枚を使用するのがイチバンだ。写真のように一枚の曲線定規で鰭条(きじょう)の上側を隠し、もう一枚を隠した鰭条の8割の長さの位置から90度に折り変えした位置にあてがうのだ。そしてその隙間を薄い赤色を付けた中サイズのタンポでたたこう。

22-2> 鰭膜に色を入れた完成がこちら。ヒレの先端のギザギザ感が出て、ハイライトも入っているのでメリハリも付いている。これを背ビレの後部まで行うと、しっかりしたヒレになるので、実践しよう。

22-3> 尾ヒレの鰭膜は小さいタンポを使用。隙間に重ね塗りをするが、尾の先に行くほど弱くあててグラデーションで仕上げることをオススメする。ヒレの先端に行くほど透明感が増して、本物のように見えます!

工程㉓ カラー魚拓に目を入れて命をふきこむ

23-1> 目の入れ方次第で、魚拓の雰囲気が変わるので、どんな目にするかをまずは考えよう。今回は凛々しく力強い目をテーマに描こう。なお目玉だけは墨の魚拓同様、筆を使用しよう。まずは瞳を中心より、やや前方の位置に黒色でうっすら配置する。その後、ボディカラーと同じ赤で、瞳の上下にまぶたを描く。写真のように描くのが定番で、このまぶたの上部にも白地を活かしたハイライトを入れることを忘れずに行おう。

23-2> 瞳の外周をしっかり線画で残して黒目を際立たせた後、瞳とまぶたの間に黄色をのせる。

23-3> 瞳の中を外周に作った輪を消さない程度に黒色をのせ、ハイライト(白で三日月型)を入れ、対極の位置に写真にあるような白い点を付ける。その後、黄色をのせた瞳とまぶたの間に赤色をのせてオレンジ色っぽくする。

23-4> 瞳の外周の外側にクリーム色の円を描き、瞳を際立たせ、さらに目の中央部にもハイライト風の帯をクリーム色で入れて凛々しい目の完成だ。

工程㉔ マダイの特徴的なカラーを入れてカラー魚拓を完成させる

24-1> マダイ特有のブルーのアイシャドウを目の右上45度の位置に、綿棒を使って描く。

24-2> ボディに散らばるブルーの斑点も綿棒で付けていこう。

24-3> 背ビレの後方部の鰭膜にも黄色い斑点を入れてリアル感を出そう。

24-4> 尾ヒレの先端が黒くなっているのも、マダイの特徴的な部分と言える。ここも写真のように綿棒を使って忠実に再現する。これでマダイのカラー魚拓の色のせは完了だ。

作品を額に入れて完成形にしよう

工程㉕ 作品に消毒液を拭きかけ裏打ちの準備に入る

25-1> カラー魚拓の色落ちや黄ばみを防ぐために、霧吹きに入れたオキシドール(消毒液)を拭きかける。

25-2> 続いて、作品がすっぽり収まるアクリル板か硬めのプラスチック板に作品を裏返して置いて霧吹きで水を吹きかける。

25-3> はけを使って水分を均等にいきわたらせる。

25-4> 作品より一回り大きいサイズの台紙(厚紙)に、3倍に薄めた障子用ののりをまんべんなく塗る。

工程㉖ 裏打ち作業パート2

26-1> アクリル板に置いた作品の上にノリを付けた台紙を貼り付ける。

26-2> 多少ズレてしまっても後でフォローできるが、なるべく台紙の真ん中に作品がくるように貼ろう。

26-3> 台紙を貼ったら、空気を抜く作業に入る。専用のはけや塗装用のローラーなどを使って余分な空気を払い出す。四方にローラーを押し当てた後、叩いて気泡を潰し出すのがセオリーになっている。

26-4> のり付けした台紙が、めくれ上がらないようにマスキングテープで固定する。

工程㉗ のり付けの密着時間は最低でも3~5時間 その後に剥がして総仕上げを行って完成となる

27-1> 作品サイズにもよるが、ノリ付けしたら最低でも3~5時間はそのままにして、台紙と作品を完全にくっつけよう。今回のマダイは、一日様子を見て、しっかり台紙に作品がくっついていることを確認。角をめくり剥がしに入った。

27-2> 台紙に完全にくっついた状態がこちら。和紙と台紙の区別化つかないくらいに仕上がるのが、カラー魚拓の真骨頂だ。

27-3> この完成品を飾るには、額に入れるのがベスト。作品に合わせた額を買って、枠通りにカットして飾ろう。

27-4> 額に入れた作品がこちら。はじめからこんなに上手くいかないかもしれないですが、製作は楽しいので、ぜひチャレンジして下さい。自由な発想、色使いの作品を楽しみにお待ちしています!!