自分が作ったルアーで魚が釣れる!
そんな感動体験が簡単にできるのがアイデア・ルアーの魅力です。
ルアーのベースとなる材料は、身近にあるクリップや歯ブラシ、さらには落花生などの食材や花の種などなど。これらを、ちょっとしたヒラメキと発想力でルアーに変身させる楽しさも、醍醐味のひとつと言えます。
今回は、入門に最適な2タイプのルアーの作り方を紹介しましょう。
考案者は、ルアーメーカー・スカジットデザインズの皆川 哲さん
さまざまなヒットルアーを手掛けるルアーデザイナー。
アイデア・ルアーは、
“簡単に作れるルアーを通して、子どもたちに釣りの楽しさが伝われば”と始めたそう。
「ちょっとぐらい形がおかしくても気にしないこと。むしろ、作った人もビックリするようなルアーアクション(動き)が生まれ、釣りたい魚に強くアピールするかもしれない・・・と考えて大胆に製作して下さい」とのことです。
皆川 哲(みながわ てつ)
皆川 哲(みながわ てつ、1950年 - )は、福島県出身の日本のプロ釣り師、スカジットデザインズ代表。 幼少の頃から釣りをしており、80年代には河口湖で拾ったライターを改造して作った初の自作ルアーでブラックバスを釣る。 これを機に身近なものを素材にしたルアー作りを始める。今ではトラウト・ブラックバス・ソルトルアーなどオリジナルパターンは数十種類に及ぶ。映画「釣りバカ日誌」やテレビドラマ「晴れたらイイねっ!」の技術指導を担当していた。
こんなものを用意しよう!
- ● えんぴつなどの材料を切るための糸ノコギリやカッター
- ● ウエイトとなる板オモリやガン玉
- ● 反射板になるアルミのキッチンテープ
- ● 各加工に使うニッパーやラジオペンチ、千枚通し
- ● ペイント用の油性のマジック各色
- ● コーティングと接着の役割をする頑丈な2液性の接着剤や瞬間接着剤
「えんぴつミノー」の作り方
こちらはトラウトに効果があるフローティングミノーです。
製作工程は、1時間30分くらい。リップの角度や大きさで動きが変わるので、いくつか作り、その違いを楽しみながら釣ってみましょう!
- 1. えんぴつを削る
- ルアーのテール部を削って作ります。えんぴつは、ボディカラーがカラフルになる色えんぴつをつかうのもオススメです。
- 2. えんぴつを切る
- 糸ノコギリを使い、えんぴつを全長3.5cmで切断します。この長さが経験上、もっとも効果的だそうです。
- 3. リップを作る
- ルアーの空き箱など、固めのプラスティックを使ってリップ(水の抵抗を受ける部分)を作ります。台形に作るのが基本で、ボディとのジョイント部がえんぴつの太さの幅になるよう注意して作りましょう。
- 4. ヒートン(軸となる輪)を作る
- ラインを結ぶアイ(輪)とハリをつけるアイになるヒートンを24番の針金で作成します。千枚通しの軸(2mmくらいの幅の所)に3cm位に切った針金を巻き、ラジオペンチで締め込みます。写真のように針金がクロスする(ネジのように)ように締め込むのがポイントで、完成したら長さ5mm程度に切断しましょう。
- 5. ヒートンを刺し込む穴を開ける
- えんぴつを切った断面の芯の上と、えんぴつの削り出し部に、千枚通しのハリ先を刺し込み、軽く穴を開け、ヒートンを入れやすくしておきましょう。
- 6. 瞬間接着剤を塗りヒートンをつける
- 刺し込む穴に、瞬間接着剤をつけ、すかさず針金で作ったヒートンを入れます。その後はペンチでネジを回すように刺し込んで、輪の付け根まで入れ、しっかり止めましょう。
- 7. リップを刺し込む切れ目を作る
- えんぴつを切った断面より3mmくらい後ろに、リップを刺し込む切れ目を糸ノコギリなどで斜めに入れます。角度は30~40度くらいが目安です。リップを刺し込む前に瞬間接着剤を穴に塗り、刺し込んだ後も追加で塗って、しっかり固定しましょう。
- 8. お楽しみのペイント開始
- 油性のマジックで、こちらも自由にデザインを描きましょう。目玉や口を描くとリアル感が出るので、いろいろな表情を考えて楽しみましょう。
- 9. スプリットリングにフックをセットし、アイにつける
- まずは#4番のスプリットリングにフックをつけましょう。その後はハリ先に注意しながらアイにセットです。
- 10. 2液性の接着剤をボディに塗る
- ボディをコーティングするために、2液性の接着剤をボディ全体に塗って強度を持たせましょう。
- 11. 完成
- 接着剤が乾けば完成です。こちらのルアーでも実際にトラウトが釣れます!
「ピスタチオ ジグヘッド」の作り方
バスやトラウトに実績があるジグです。
ピスタチオの殻の内側に沿って針金を曲げる所とアイの出し方がちょっと難しいかもですが、楽しい工作になりますので頑張ってチャレンジして下ください。製作時間は1時間くらいです。
- 1. ピスタチオを割る
- まずはピスタチオを割って、中身を美味しくいただきましょう。使用するのは殻の一方になります。
- 2. 軸となるアイを針金で作る
- 24番の針金をピスタチオの長さの約2.5倍程度に切り、両サイドにアイを作ります。千枚通しの軸(2mmくらいの幅の所)に、切った針金の先を巻き、ペンシルミノー同様、ラジオペンチで締め込むだけです。
- 3. ピスタチオの殻の内側に針金を合わせる
- どちらかのアイをピスタチオの殻の外側にセットして、まずはしっかりつかみましょう。その後は、ラジオペンチやピンセットで殻の内側に針金を押しつけるように沿わせます。最後にもう片方のアイを反対側の殻の外に折るように固定して終了です。
- 4. ガン玉を半分にカット
- ウエイトとなるガン玉をそのまま使うと、殻に収納しにくいので、ニッパーで切り半分にしておきます。
- 5. 2液性の接着剤を殻に充填
- 2液性の接着剤を良く混ぜ、ピスタチオの殻に7分目くらい入れます。オモリとアイの軸が入ると、ちょうど殻の表面にくるくらいの量になります。
- 6. 軸となるアイとガン玉をセット
- 作り針金で作ったアイを底に、そしてその周りに切ったガン玉を4~5個 入れます。接着剤がこぼれない程度までガン玉を入れて調整して下さい。
- 7. スプリットリングにフックをセット
- 接着剤が乾くまでの間に、スプリットリングにフックをセットしておきましょう。
- 8. ペイントしてコーティングすれば完成です
- 接着剤が乾いたら、油性マジックでペイントを始めましょう。ちなみにペイントにアクリル絵の具を使うのはNGです。2液性の接着剤でコーティングする際、にじみが出る場合がありますから。絵が描き終わったら、コーティングして完成です。
*手作りおもしろルアー製作画像の著作権は皆川 哲氏に帰属します。