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やってみよう!
ジョイントミノー製作法

チャレンジ編のフローティングミノー

ジョイントミノー製作法

想像して創造する!
身近なものを組合せて作るのもアリ!

チャレンジ編は、只今ブラックバス釣りでブレイク中のビックベイト『ジョイントミノー』に挑戦してみましょう。核となるボディパーツ(本体部)は、魚の形に見える物や〝切る〟〝貼り合わせる〟などの加工をすることで魚の形になる物なら何でもOKとのこと。インスピレーション(ひらめき)と発想力を活かして、身近な物でルアーを作りましょう。
ちなみに泉さんは、いまアメリカでブームとなっている尾ヒレに毛を用いたジョイントミノーを塗装などに使う〝はけ〟を使って製作してくれました。入門編の作り方がベースになっている部分も多いので、チャレンジしやすいはず。6つの工程で紹介します。

こんなものを用意しよう!

  • 材料は、入門編同様、ほぼホームセンターで揃いますが、目玉シールやフック、スプリットリングなどは釣具店へ出掛けた方が種類を選べます。
  • ボディパーツとなるはけ(小刷毛30㎜と15㎜の2種類)
  • ビディに厚みを出す板(2㎜くらいの両面テープ付き敷居すべり版)
  • 熱収縮チューブ(内径19.9)
  • ヘッドのアイやジョイント部に使うヒートン(アイ径2.5㎜)
  • ウエイト用のネジ(太さ・タイプ3 長さ10㎜)
  • 木製スプーン
  • 低粘度の瞬間接着剤(多用途タイプで粘度レベル2以上)
  • ノコギリ(目の細かい物が理想)
  • ライター
  • ボディに貼るアルミテープ
  • キリ
  • ニッパー(先細タイプ)
  • ヤスリ
  • サンドペーパー240番
  • ハサミ
  • ボールペン
  • 三角定規と分度器
  • カッター
  • 千枚通し
  • フック(♯4)
  • フックをヒートンに連結するスプリットリング(フックに合わせたサイズ。今回は5㎜)
  • 目玉シール
  • ペイントに使う耐水または油性のラインマーカーかマジック
  • 作業用のゴムマットやシールを剥がすなど何かと役立つ裁縫用のハリ(棒の先端に取り付けるなどの加工をすると、より使いやすい)。スプリットリングを付ける時に役立つリングプライヤーがあると便利。また見本のルアーや画像があると参考になります。

ジョイントミノーの作り方

工程① ボディを作る

1-1> 小刷毛30㎜のはけの先端部を5㎜程度、切り落とす。

1-2> ヤスリで先端部の面取り(角を落とす)をする。

1-3> はけの柄が一番細くなっている部分を2本とも切る。ちなみに15㎜のはけを尾ヒレとして使用。30㎜のはけの部分はデスククリーナーとして使いましょう。

1-4> 切った30㎜の持ち手部(魚の形に見える)の長さに合わせて、敷居すべり板を切って貼る。

1-5> 敷居すべり板の余分な部分をカッターで切り、持ち手の形にする。

1-6> ヤスリで敷居すべり板の面取りをしてボディに丸みを付ける。

1-7> あらかたヤスリで丸みを付けたら、240番(削りと仕上げの2投流の仕事をするスグレモノ)のサンドペーパーで表面をなめらかにする。

1-8> 反対側も同様に敷居すべり板を貼り、サンドペーパーをかけて丸みをつけたボディを完成させよう。

工程② リップを付ける準備

2-1> あらかじめルアーの上下を決めて、わかるようにする。リップはルアーの全長の1割の位置に付けるのが基本。今回製作するルアーの全長は約15㎝なので、ルアーの下側の先端より1.5㎝の位置に、まずは印を付ける。

2-2> リップの角度は45度が基本。分度器を使ってリップを付ける印より45度の方向に目印を付けて、定規で線を入れておこう。

2-3> リップを入れる線に沿ってノコギリで6~7㎜の切り込みを入れ、続いて切り口の2㎜手前(リップの厚さに合わせる)に再度同様の切り込みを入れる。

2-4> キリやカッターを使い、切り込みでできた隙間を削ってリップをはめ込む溝を作る。

2-5> 240番のサンドペーパーを溝にかけて、なめらかにする。

2-6> この状態になるまで、サンドペーパーをかけて仕上げる。

2-7> 木製のスプーンの先端を溝に入れて、リップの長さを決めてハサミで切る。長すぎるとルアーの動きが悪くなるので、最初は2.5㎝くらいで試そう。スプーンは割れやすいので予備が何本か用意しておこう。

2-8> リップの形を成形する。スクエア状(四角い形)だと大きく動くが、バランスを崩しがち。最初は穏やかに動く丸型(だ円もあり)にしよう。最後にスプーンのエッジにヤスリをかけて面取りをしておくこと。

工程③ ボディに反射板を付けて、分割する

3-1> 千枚通しの先端にサンドペーパーをかけて、先端を軽く潰す。こうすることで、次の作業・アルミテープを切らずに傷を付けることができるようになる。

3-2> 反射板となるアルミテープをボディの長さより大きめに切り、写真のように定規をふたつ使用してアルミテープの表面全体に斜めの線を均等に入れて行く。

3-3> アルミテープを180度回転させて、同様に斜めの線を描いて魚のウロコに見立てたクロス模様を入れる。

3-4> クロス模様を描いたアルミテープにボディを乗せて、千枚通しで線を引いて型を2面分取る。続いて型の線に沿ってアルミテープを切る。

3-5> ボディの長さを図り、頭部7、胴部3の割合で2分割する。

3-6> 切ったアルミテープに頭部を合わせて、その長さを切って貼り、反対側の面にも同様にアルミテープを貼る。入門編同様、ボールペンの胴で擦ると丸みの部分も上手く貼れる。

3-7> リップが入る溝の部分のアルミテープをカッターで切って内側に貼り付ける。

3-8> ボディ胴部の両面に切った残りのアルミテープを貼ってこのパートは終了。

工程④ 尾ビレの準備をして、ボディを耐水加工する

4-1> 柄を切った15㎜の筆のはけ部分の付け根をニッパーで挟んで、毛を扇状に広げる。これが尾ビレのジョイント部になる。

4-2> 尾ビレのジョイント部の先端をボディ胴部の尾側の幅に合わせた位置で切る

4-3> 熱収縮チューブをボディ頭部の長さ+2ミリで切り、中に頭部を入れる。

4-4> 熱収縮チューブに入れた頭部を火で炙り、収縮させる。これによって頭部面の防水加工ができる。

4-5> ボディ胴部も同様に熱収縮チューブに入れて炙って防水加工する。

工程⑤ 各ジョイント部にヒートンを入れて連結する

5-1> 頭部と胴部を連結する断面を揃えて、ヒートンをネジ込む印を平行に2カ所付ける。ちなみに1か所だと上下にも動いてしまい安定しないので要注意だ。

5-2> 印を打った全ての場所にキリで5mm程度の穴をあける。

5-3> アイ径2.5㎜のヒートンを全ての穴にネジ込む。

5-4> ネジ込んだ場所の全てに、低粘度の瞬間接着債を流し込み、それぞれ最後にニッパーなどでアイをつまんで巻き締めして止める。この際、頭部と胴部のヒートンの向きをタテ、ヨコ食い違うように付けること。同方向だと連結できなくなるので気を付けよう。

5-5> 頭部の先端にヒートンをネジ込み、ラインを結ぶアイを作る。先端の中央部より下側にネジ込む(ボディ上下の向きに注意)とルアーの動きが良くなるので覚えておくこと。

5-6> 先端部にネジ込んだヒートンにも低粘度の瞬間接着債を流し込み、最後にニッパーなどでアイをつまんで巻き締めして止める。

5-7> 5-1同様、胴部と尾ビレ部にヒートンをネジ込む。

5-8> 連結する片方のヒートンのアイを全てニッパーで開ける。

5-9> 開いたアイを連結するアイにくぐらせ、ニッパーで開いていたアイを閉じてジョイント完了。

5-10> コレが、全てのパーツの連結完了写真。

工程⑥ リップを付けてペイント。最後にフックを付けて完成

6-1> 使用するフックの大きさを考慮して、頭部と胴部にフックを付けるヒートンをネジ込む。こちらも従来通り、キリでネジ穴を空けてから、ヒートンをネジ込み低粘度の瞬間接着剤を流し込んで巻き締めする。ちなみに使用フックは♯4番。頭部はライン絡みを考えて先端から3㎝の位置に。胴部頭部よりから1.5㎝の位置につけた。

6-2> ウエイトの代用にネジ(太さ・タイプ3 長さ10㎜)を使用。頭部に付けるとルアーの動きが良いため、ヒートンの後にネジ込んで、同様に巻き締め作業を行う。

6-3> 熱収縮チューブで閉ざされているリップの溝をカッターなどで取り除き、低粘度の瞬間接着剤をたっぷり流し込んでリップを差し込んで止める。この際、リップ全面に接着剤を塗って、強度と防水性を高めることも同時に行おう。

6-4> 瞬間接着剤を乾かす。

6-5> 思い思いのペイントを行う。センスを光らせてカッコイイルアーに仕上げよう!

6-6> 尾びれがVの字になるように切ってスタイリッシュなルアーにする。

6-7> スプリットリングを介して♯4番のフックを前後のヒートンのアイに付けて作業は完了。

6-8> 完成形がこちら。これを水槽(ない場合は浴槽などを利用)に入れて、浮き具合や泳ぎの確認を行い、リップを削るなどの微調整を入れて、実釣に出掛けよう!