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やってみよう!
身近なもので作るルアー製作法

入門編のリップレスルアー

Ⅰ字形ジョイントルアー製作法

まずは何に使用するか?
また、どんなタイプのルアーにするかを決めよう

「ルアー製作の初めの一歩は、〝何用〟で〝どんなタイプ〟を作るかを決めることから始まります」と泉さん。今回は、身近にある物を使ったオリジナルのルアーになるので素材や形式にコダワルことはありませんが、ボディパーツ(本体部)を選ぶ時やイメージを膨らます意味でも、それが必要となるので最初に決めておきましょう。
泉さんは、今もっとも人気のあるジョイントルアーのお手軽製作法を紹介したいとタイプを決定。その後、小型主体のトラウト用が入門編に最適と考え、作業工程の少ないリップレスのI字型ジョイントルアーの構想が生まれ、材料を集めました。さっそく工程を紹介して行きましょう。

こんなものを用意しよう!

  • 材料は、ほぼホームセンターで揃いますが、目玉シールやフック、スプリットリングなどは釣具店へ出掛けた方が種類を選べます。
  • ボディパーツとなる木工ダボ(大、小2種類。今回は太さ8㎜と6㎜)
  • 熱収縮チューブ(大、小の木工ダボが入る大きさを2タイプ。今回は内径6.8と8.9)
  • ヘッドのアイやジョイント部に使うヒートン(木工ダボの大きさに合わせた2種類。今回は2.5㎜と1.3㎜)
  • 低粘度の瞬間接着剤(多用途タイプで粘度レベル2以上)
  • ライター
  • 反射板の役割を担うアルミテープ
  • キリ
  • ニッパー(先細タイプ)
  • ハサミ
  • ボールペン
  • フック(木工ダボの大きさに合わせた2種類。今回は♯6と♯8)
  • フックをヒートンに連結するスプリットリング(フックに合わせたサイズ。今回は3㎜)
  • 目玉シール
  • ペイントに使う耐水または油性のラインマーカーもしくはマジック
  • スプリットリングを付ける時に役立つリングオープナーやリングプライヤーがあると便利。また資料として、作ろうと思ったルアーのサンプルや本、携帯やパソコンで検索した画像などがあると参考になります。
  • 木工ダボとは、木材を継ぐ時に、両方の材にまたがってはめ込みズレを防ぐ〝小片〟のこと。

工程① 木工ダボを加工して反射性と耐水性を強化する

1-1> 木工ダボの「大」の両面および「小」の片面のセンター部にヒートンをねじ込む印をボールペンで付ける。

1-2> 印を付けた3箇所にキリで5㎜ほど穴をあける。

1-3> 穴をあけた木工ダボの「大」がジョイントルアーの前方部。「小」が後方部になることを確認しよう。

1-4> 木工ダボ「大」の長さに合わせた印を反射板の役割をするアルミテープに付ける。

1-5> 印を付けた幅で10㎝程度アルミテープを切る。

1-6> アルミテープのシールを剥がし、木工ダボ「大」に1周巻き付けて切る。同様に木工ダボ「小」にもアルミテープを巻き付けて貼る。

1-7> ボールペンのボディ部で擦りながら(キズが付きにくく、きちんと貼れる)、木工ダボの両面の面取り部にアルミテープをしっかり貼る。

1-8> アルミテープをしっかり貼った木工ダボ「大」「小」に合わせて、熱収縮チューブを切る。左右1㎜程度余るくらいに切るのが理想的(収縮した時、面取り部に被さるので)だ。

1-9> 熱収縮チューブの中にアルミを貼った木工ダボを入れたら、ライターで先端から順に全体を炙って収縮させる。これで反射性と耐水性を強化する作業は終了。

※収縮作業は、木工ダボを手で持って炙れる程度ですが、火を使う際は火傷に十分注意してください。

工程② 加工したパーツにヒートンをネジ込み連結させる

2-1> 加工した木工ダボ「大」および「小」に付いている印の位置にヒートンをねじ込んで(大に2.5㎜。小は1.3㎜使用)しっかり止める。この時、木工ダボ「大」のヒートンのアイの向きを両面同じ向きに止めるのがポイントです。

2-2> 木工ダボ「大」のヒートンのアイ部(輪)をニッパーで広げて開く

2-3> 木工ダボ「小」のヒートンに、開いた「大」のヒートンをくぐらせる。

2-4> くぐらせたヒートンをニッパーで閉じて、木工ダボ「大」と「小」を連結させる

2-5> 連結の完成形がこちらになります。

2-6> 連結した木工ダボ「大」にフックを付けるためのヒートンをネジ込む。
ネジ込む位置が頭部に近いとラインとフックが絡まるので、頭部より2㎝くらい後方の位置にキリで5㎜程度の穴をあけてからネジ込もう。

2-7> 連結した木工ダボ「小」にもフックを付けるためのヒートンをネジ込む。
こちらも事前にキリで5㎜程度の穴をあけるが、こちらは使用するハリの大きさを見て、前部のハリと後部ハリが重ならない位置で、かつ前部のヒートンと平行になる場所にネジ込むこと。

2-8> これが連結して全てのヒートンをネジ込んだ形だ。頭部のラインを結ぶヒートンのアイとフックを付けるアイの向きが対象的で、前後のフックを付けるヒートンのアイの向きが同じになるのが理想的なので、ここで微調整しておこう。

工程③ 瞬間接着剤でヒートン部を固定してペイントして完成

3-1> ネジ込んだヒートン部に低粘度2以上の瞬間接着剤を流し込み、乾かして固定する。アイの部分に接着剤の膜ができてしまっても、最終的にキリなどで削れるので接着剤をたっぷり目にかけて耐水性を上げよう。

3-2> 瞬間接着剤が乾いたら、耐水または油性のラインマーカーもしくはマジックで色を付けよう。チューブの下にアルミが貼られていて光沢感があるので、部分的に塗るのもアリ。いろいろ考えて楽しくペイントしよう。

3-3> ルアーにエラやヒレなどの模様を入れて、さらにオリジナル感を出そう。ちなみに泉さんは、自分のサインを模様に見立てて入れるアイデアを教えてくれました。

3-4> 目玉を入れて、生き生きとしたルアーにしよう。目玉は手書きで入れる方法もあるが、今回は、バリエーションが豊富なシールを使用。作るルアーの大きさに合わせていくつか用意すると、いろいろな表情が楽しめる。

3-5> スプリットリングを介してフックを前後のヒートンのアイにつけて作業は終了。

3-6> 完成形がこちら。リップレスのジョイントルアーは、ロッドアクションでさまざまな誘いが可能。実際に釣りに出掛けて、トラウトを誘い出して釣ってください!