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ダイワスーパーバトルカップ投


良型ギスを次から次へ! 香川県の坂手魚神選手が全国大会初出場にして爆発的釣果で初優勝!

手返しスピードの重要性がさらに増す

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2014年9月28日(日)、鹿児島県日置市の吹上浜にて「第11回 ダイワ スーパーバトルカップ投 2014 全国決勝大会」が開催された。出場したのは約1800名が参加した全国各地の地区予選を勝ち抜き、さらに東北北陸、関東・東海、中国・四国・九州の3エリアで行われたブロック大会を突破した19名と、昨年度のチャンピオン早坂直人選手を加えた総勢20名。

大会前日の27日(土)に催された前夜祭にて予選の組み合わせ抽選会が行われ、会場の南側約800mに設定された「レッドエリア」(エリア両端に赤色のノボリを設置)と、北側800mに設定された「ホワイトエリア」(エリア両端に白色のノボリを設置)でそれぞれ10名ずつ分けられた。予選は3時間の総重量勝負で、各エリアの上位2名が決勝戦進出となる。なお、決勝戦はレッドエリアとホワイトエリアの間に設定されたブルーエリア(両端に青色のノボリを設置。約500m)で行われた。

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南側のレッドエリアを予選会場とする精鋭10名。還暦の現役トーナメンター・松尾幸浩選手を筆頭に、第4回大会優勝の國友秀光選手、他大会での全国優勝経験を持つ高橋明男選手など、実力者がずらりと顔を揃えた
北側のホワイトエリアが予選会場の精鋭10名。昨年、一昨年と2大会連続優勝、3連覇を目指す早坂直人選手と、第1、5、6回大会で優勝し、11回中10回の全国大会出場を果たしている鉄人・高橋明彦選手が同組に。果たして誰が抜けてくるのか……

即釣り連発! 史上まれに見る高釣果の予選に

台風16号の余波が懸念されたが、波もすっかり収まり絶好の投げ釣り日和に恵まれた大会当日。薩摩半島の西側に面した吹上浜に対して、この日は波を押さえる方向の北東の風が吹いているので、終日ベタナギが続くと予想される。前日は近場でかなりの釣果が上がっていたが、潮が上げてくるとともにシロギスもさらに手前に差してきて、さらに近場で釣れてくる可能性が高い。当然、数釣り勝負になることから、手返し重視で、トラブルの少ない選手が上位に入ることが予想された。

午前6時30分に試合開始。ここから3時間の勝負である。満潮は午前9時40分頃なので、予選は終始上げ潮を釣ることになる。

開会式の時に露出していた手前の干潟も競技開始時間には見えなくなり、場所によって2色ラインまでシロギスが差してきていた。まだまだ潮は上げてくるので、さらに手前に差してくるはずである。各選手はすでに爆釣モードに入っており、多点バリで仕掛けを絡ませずに連掛けといった様相でガンガン釣っていた。なかにはもう開始1時ぐらいでクーラーにシロキスが入りきらず、役員に釣果を回収してもらう状態の選手もちらほら見受けられた。今回は特別ルールを採用し、魚の鮮度維持の観点から試合開始1時間30分後に選手の判断で、釣果を預けるルールを設定した。

そんな状況下、レッドエリアでトップ通過を果たしたのは今大会最高齢の松尾選手。エリアの左(南)側に入釣した松尾選手は序盤から7~9点掛けを連発。15点掛けが3度もあり、終わってみれば98尾2703gで2位通過した澤谷彰広選手に大差を付ける、140尾4330gという圧巻の釣果での独走だった。

一方、ホワイトエリアはさらなる大爆釣の大混戦。10名中7名が100尾以上、4000g以上という、3時間の釣りとしてはにわかに信じられない壮絶な釣りあいとなった。その混戦を制したのは、香川県から初出場した新鋭の坂手魚神選手と、3連覇を目指す早坂選手の2名。なかでも坂手選手は182尾6052gと、唯一の6kg超えとなる爆発的釣果を叩き出す、全選手中ダントツトップの釣果で決勝進出を果たした。

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夜明け直前。白み始めた空の下、タックルの準備に余念がない選手たち。日中の予想最高気温は34℃。これから熱い熱い戦いが始まる
前日の抽選で引いたくじ番号の若い選手から順にポイントを目指す。スタート間隔は30秒ごと。この30秒、選手達にとっては非常に長く感じられることだろう
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開始早々に6連掛けを見せた松尾幸浩選手。この後もさらに数を伸ばし、レッド組トップで予選を通過した
数だけでなく型もよい。良型を連発し、釣果に差を付けたディフェンディングチャンピオンの早坂直人選手は、混戦のホワイト組を2位で通過
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3回の優勝経験を持つ実力者、高橋明彦選手は波に乗りきれず苦戦。144尾4252gの高釣果を上げながら、なんと10名中6位の成績に。しかしながら、続いて行われたシード権争奪戦では見事ホワイト組のトップとなり、翌年のブロック大会のシード権を獲得した
大会前には開催地である日置市の協力で海岸がきれいに整地され、選手たちは快適な環境で試合に臨むことができた

坂手選手が独走、それを追う3選手の図式となった決勝戦

そして迎えた決勝戦。試合会場となるのはレッドエリアとホワイトエリアの間にある、およそ500mのブルーエリア。もちろんここは手つかずの更地で、予選同様の激しい釣りあいが予想されるが、潮が次第に引いてくる時間帯となるため、それにどう対処していくかが勝負の分かれ目になった。

11時20分、いよいよ2時間の決勝戦がスタート。まず、エリアの一番左(南)側に陣取ったのが松尾選手、その右に坂手選手、早坂選手、澤谷選手がそれぞれ大きく間隔を空けて釣り座を構える布陣となった。

開始直後から好調なスタートを切ったのは坂手選手。右隣の早坂選手は、狙い通りに掛からないためか納得がいかなそうな表情を浮かべていたが、それでも着々と数を重ねて後に続いていた。一番右に離れて陣取っていた澤谷選手もいいペースで掛けていた。

しかし、試合後に「ポイント選択を完全に誤った」とコメントしていた松尾選手は苦戦の様子で、一番最初にポイント移動を開始。右側の坂手選手、早坂選手を通り越し、早坂選手と澤谷選手の間にクーラーを置き、そこから怒濤の追い上げを見せた。

一方、ひとり離れて釣る格好となった坂手選手は、好調なペースを落とすことなく独走態勢を形成。潮が下げるのに合わせて少しずつ沖目に変えるポイント選択も的中し、後半戦に突入してしばらくした頃には、すでにクーラーは満タンとなった。

最後は坂田選手の独走を阻むべく、全選手が左に寄って接近戦を展開したが、そのプレッシャーを物ともせず数を重ねていった坂田選手が初優勝。2位の早坂選手に43尾の差を付ける、101尾3441gという高釣果での快勝だった。

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決勝戦進出を果たした4名。左から澤谷彰広選手、松尾幸浩選手、早坂直人選手、そして今回の台風の目、予選最高釣果を叩き出した坂手魚神選手
試合後半、着々と数を重ねる前年度チャンプ早坂選手のマークを開始した松尾、澤谷両選手。しかし、その接近戦をよそに、今回のダークホースは悠々とその釣果を伸ばしていた……
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9連掛け、10連掛けを次々と披露する坂手選手。良型をゾロゾロと引き連れるその様は、まるでキスの遠足
注目の検量。予選トップの坂手選手の勢いは決勝でも衰えることなく、唯一の即釣り。101尾3441gのブッチギリの釣果で見事優勝を果たした
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「第11回 ダイワ スーパーバトルカップ投 2014 全国決勝大会」の上位4名。左から2位の早坂選手、優勝の坂手選手、3位の松尾選手、4位の澤谷選手。爆発的釣果続出の近年まれに見る大激戦だった

第11回 ダイワ スーパーバトルカップ投 2014 全国決勝大会
優勝 坂手魚神選手のコメント

「まず、ホームグラウンドの有明浜(香川県観音寺市)に地形がそっくりだったのがよかった。型は吹上浜のほうが大きいんですが、干潮時に干潟が出るところとかは同じで、釣りの要領も同じ。それを応用できたのが幸いしました。ポイントはだいたい3色以内で、よく釣れたのは手前の干潟部分。朝、潮の引いた状態の決勝エリアを通ったときに、『あそこは水が溜まっていて深いんやな』と、ポイントを頭の中に一応入れてたんですが、決勝戦では運よくそこに入れたので、それも勝因になりましたね。あと、下見したときにピンギスが一切混じらなかったため、ハリは7~9号の大きいものを使いました。これも手返しスピードのアップに繋がったと思います。エサは赤ゴカイと青ゴカイ、それとよくわからないんですがこちらで入手した赤ケブというのをローテーションしました。食いはどれも変わらなかったです。地元でチロリを売っている所が一軒もなくて、その時点ではもうダメかと思っていたんですけどね。キスの食いが活発でよかったです(笑)」

[仕掛けデータ]

オモリ自作発泡オモリ 30号
道糸サーフセンサー+Si II 1号(PE)
力糸サーフセンサー テーパーちから糸α 1~6号(PE)
モトス3号
エダス1号3cm 30cm間隔
ハリ7~9号 ※ハリ数は初めの数投は30本、以降は12本前後
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「地元の有明浜に地形が似ていたのが幸いしました」と勝因を語る新チャンピオンの坂手魚神選手は伸び盛りの32歳。これからの活躍が大いに楽しみなキャスターだ