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銀狼CUP


タフコンディションを克服し、福岡県の江平忠雄選手が記念すべき第1回大会を制覇!

大会のグレードアップに伴い競技システムも大きく変更

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尾道市因島の「ホテルいんのしま」で行われた前夜祭。注目の組み合わせ抽選会で予選リーグの対戦相手が決定した。

2016年10月22日(土)~23日(日)の2日間にわたり、広島県尾道市しまなみ諸島にて「第1回 ダイワ銀狼カップ 2016 全国決勝大会」が開催された。本大会は昨年までの「ダイワ スーパーバトルカップ チヌ」がグレードアップしたもの。

従来はマンツーマンの試合を1日1試合行い、それぞれの勝者のなかで5尾の総重量を競っていたが、今回からグレマスターズと同様、初日は4人1組の予選リーグ、2日目は準決勝、決勝を戦うシステムに変更され、より競技性の高い大会となった。

前夜祭が行われた21日(金)には、鳥取県で震度6弱を記録する大きな地震があった。会場となる尾道市も震度4の揺れに見舞われたが、幸い大きな被害はなく、その後の経過も問題なさそうだったため、大会は予定どおりに開催されることになった。

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競技委員長の鵜澤政則さんによる恒例の選手インタビュー。「鵜澤さんに会いに来ました!」という田村選手と一緒に笑顔でパチリ。

記念すべき第1回ダイワ銀狼カップ2016全国決勝大会に参加したのは、全国の地区大会、二回戦・ブロック大会を勝ち上がってきた15名と、最後の「ダイワスーパーバトルカップ チヌ」となった昨年度決勝大会の覇者、二平陽介選手の総勢16名。前夜祭にて行われた組み合わせ抽選会では、16名の選手が4名1組の4グループに振り分けられ、翌日の予選リーグを戦うグループが決定。各試合の勝者には勝ち点3、釣果の有った引分けは2点、釣果の無い引き分けの場合は1点が与えられ、それぞれのグループで勝ち点の最も高い1名が翌々日の準決勝へと駒を進めることができる。それだけに同グループの対戦相手が誰になるかは大いに気になるところで、箱から番号の書かれたクジを引くごとに会場は大いに盛り上がった。

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第1グループは兵庫の内波佑太選手、山口の葛原勉選手、福岡の谷慎也選手、岡山の三宅仁選手の対戦。 第2グループは福岡の江平忠雄選手、広島の末盛明選手、岡山の田村潔選手、広島の鈴木茂之選手の4名。
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第3グループは広島の山本裕二選手、同じく広島の外輪勝也選手、佐賀の山田圭介選手、沖縄の玉木翔吾選手の組み合わせ。 第4グルーブは香川の谷口昌人選手、広島の川西政一選手、昨年度SBCチヌ優勝の宮城県・二平陽介選手、大分の諸冨利英選手の対戦。

釣果なしの選手が続出する波乱の幕開け……。タフな試合が続いた予選リーグ

本大会の会場となる尾道の因島周辺エリアは、瀬戸内の中でも島の密集度が特に高い芸予諸島に属する地域。その複雑に張り巡らされた水道は、潮の干満に応じて激しい潮流が通ることで知られる。ダイワスーパーバトルカップチヌ時代も含めて初開催となるこのフィールドで、いったいどのような戦いが展開されるのか……。

大会初日、予選リーグ第1試合は朝6時30分からスタート。前日までの釣果は非常に好調で、数型ともによく釣れていたとのことだが、潮の動きがあまりないためか、はたまた前日の地震の影響か、30cm以上5尾のリミットを揃えた選手は一人もおらず、0対0の試合も続出するかなり厳しい状況だった。

第1試合から振り出した雨が強さを増した第2試合。タフなコンディションながらも唯一リミットの5尾を揃えた第1グループの内波佑太選手が準決勝進出を決める。

続く第2グループは江平忠雄選手が第1試合、第2試合のいずれも1対0の厳しい試合ながら2勝を上げ、3試合目に対戦となる鈴木茂之選手がすでに2敗を喫していたことから、勝ち点が同じ場合は直接対決の勝者が勝ち抜けというルールに則り、第3試合を待たずに準決勝進出を確定させた。

第3グループは3試合を戦い3連勝した外輪勝也選手が準決勝へ。

前年度チャンピオンの二平選手が属する第4グループは、第1試合はすべて釣果なしという波乱のスタート。第2試合に二平選手を2対1で破り勢いに乗った谷口昌人選手が、続く第3試合も4対2で快勝。第4グループ唯一の2勝で準決勝へ駒を進めた。

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午前4時、尾道市因島マリーナに集結した16名の選手たち。当日使用するコマセを丁寧に練り込んでいく。 第4グループ第2試合、谷口選手対二平選手の対戦。二平選手が先行し、前年度勝者の貫禄を見せたが…。
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その後、谷口選手が2尾を釣り上げ逆転勝利。谷口選手は続く第3試合も勝利し準決勝に進出。 第1グループは当日唯一のリミットメイクを達成した内波選手が第3試合を待たずして勝ち抜け。

コンディションは前日よりさらにシビアに。1尾が重い準決勝戦

翌23日の準決勝は朝6時30分から2試合が同時スタート。

前日の中夜祭で決定した対戦カードは、外輪選手対谷口選手、江平選手対内波選手の組み合わせ。

外輪選手と谷口選手の試合が行われたのは「一本松北」。前半戦は海に向かって左側に陣取った谷口選手が、開始30分ほどで1尾掛けたが痛恨のバラシ。0対0で折り返す。釣り座交代後の後半戦、潮のタルミで1尾を引き出した外輪選手が貴重な1尾を釣り上げ、そのまま逃げ切って勝利を収めた。

江平選手と内波選手の対戦が行われた「岡村バエ」は、前日の第2試合で内波選手が初日唯一のリミットメイクとなる5尾を釣り上げた磯。それだけに内波選手が有利かと思われたが、釣況は前日と打って変わってこちらも本命のアタリがほとんど見られない超タフコンディション。そんななか、半遊動仕掛けで手前を念入りに探っていた江平選手が前半終わり間際に30cm代後半のチヌを釣り上げ、結果的にこれがウイニングフィッシュとなった。

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準決勝からは4名によるトーナメント戦。昨年度チャンピオンを撃破した谷口選手は、3連勝で勝ち上がった第3グループ1位の外輪選手と対戦。 予選リーグでトータル7尾を釣り上げた内波選手と対戦するのは、1-0、1-0、0-0の釣果で厳しい試合を勝ち抜いてきた第2グループの江平選手。
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外輪選手と谷口選手の対戦は1-0の釣果で外輪選手に軍配が上がった。 内波選手と江平選手の対戦も1-0で江平選手の勝利。釣況は昨日より厳しさを増している。

外輪選手と江平選手の激突となった「決勝戦」。 初代チャンピオンの座はどちらに!?

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決勝を戦うゼッケン3番・江平選手とゼッケン1番・外輪選手。笑顔で握手をかわす二人だが心の中は…

外輪選手と江平選手の対戦となった決勝戦の舞台は「金ヶ崎のスベリ」。当日は小潮で潮の動きは緩めだったが、干満の大きな日はそれこそ激流が渦を巻くポイントで、もちろん高釣果も望める一級磯である。

前半戦は海に向かって左側に江平選手、右側に外輪選手が釣り座を取った。緩いながらも潮は動いているが、その流れは複雑。島と島の間を通す水道の流れは複雑に絡み合い、ポイントによって様々な表情を見せる。基本的に潮下が有利となるのはどの釣り場も同じだが、潮が速い芸予の磯ではその傾向が顕著。にも関わらず、右と左の釣り座では流れが逆方向ということもしばしば起こるので、その攻略は一筋縄ではいかない。

そして、有利な潮下で確実に釣果をきっちり獲っておくことはもちろん、境界線があるため流せる範囲の限られる潮上側で魚を引き出すことができるかどうかも勝敗を左右する大事な要素となる。

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左側に釣り座を構えた前半35分に1尾を釣り上げ、そのまま逃げ切り。厳しい試合を制し、銀狼カップ初代チャンピオンの座に輝いた。

午前10時、いよいよ決勝戦がスタート。前半戦はしばらくのあいだ膠着状態が続いたが、江平選手が開始から35分後に1尾目をゲット。比較的軽めの仕掛けで手前側を主体に探っていくのは、準決勝と同じスタイル。対する外輪選手も軽めの仕掛けを上からソフトに入れていくスタイルだが、右側のポイントが比較的浅めということもあり、遠投を主体に釣りを組み立てている。

その後はお互いに釣果がなく、前半戦が終了。釣り座交替後の後半戦、両選手ともなんとか釣果を引き出そうと懸命に釣り続けたが、残念ながらそのまま試合終了。その結果、1尾712g対0尾で江平選手が「ダイワ銀狼カップ」初代チャンピオンに決定した。

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上位入賞者4名。左から準優勝の外輪選手、優勝の江平選手、3位の内波選手、同じく3位の谷口選手 記念すべき第1回大会を見事制した江平選手を選手全員で胴上げ。

第1回ダイワ銀狼カップ2016 全国決勝大会

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食いの渋いなか確実に釣果を拾った江平選手。コツコツと勝利を積み重ね、ついに念願のトロフィーを手にした。

優勝 江平忠雄選手のコメント

「最初は遠投していたんですが、あまり反応がよくなかったので予選リーグ1回戦の途中から磯際~手前側を中心に狙う作戦に切り換えました。1回戦の最後に際で釣れて1-0、2回戦は引かれ潮の中をゆっくり入れていったら釣れました。この試合も1-0で、3試合目は0-0。準決勝は底が見えるくらい浅かったんで、際からちょっと先のシモリ周りを狙って1-0。決勝も1-0でしたね(笑)。エサは釣り座が変わったときはオキアミでスタートしましたが、エサ取りが多かったのでほとんどネリエを使いました。食ってきたのは全部ネリエです。第1回の大会なのでぜひとも獲りたいと思いつつも、そんなに甘くないだろうとも思っていました。確かに全部厳しい試合で甘くはなかったんですが、運はよかったみたいですね。釣った尾数は少ないですが、最後まで勝ち続けることができて嬉しかったです」

[仕掛けデータ]

竿 銀狼王牙AGS 0.6号-53
リール トーナメントISO 競技LBD
オモリ ウキストッパー下にG4、ハリス中央付近にG5(状況に応じて上に移動)
道糸 ナイロン1.5号
ハリス タフロングレイト Zカスタム 1.25号ほか
ウキ 中通し円錐ウキ G2相当(ウキストッパーより20~30cm上にウキ止め)
ハリ チヌ2~3号
配合エサ 「銀狼アミノXチヌ ど遠投」「銀狼アミノXチヌ 名人ブレンド遠投SP」