激戦のフィールドで競いつづけるアングラーが渇望したのは、フィネスの限界域を超えて勝負できるタックルだった。レーシングスペックのマシンが、乗用車の乗り心地を犠牲にしてまでも、スピードやハンドリング性能を求めるように、たとえ汎用的なバランスを捨て去ってでも、その一点を徹底的に鍛え上げたスペシャルタックル。より正確に、よりダイレクトに、アングラーの意志と呼応するように、ルアーをコントロールできる比類なき“操縦性”。
その想いを具現化するスピニングリールの設計思想こそが、SF(スーパーフィネス)コンセプト。
なにを実現できるのか、どんな世界が見えるのか。そのスペシャルなアドバンテージを、藤田京弥の言葉とともに、紹介しよう。
フィネスを超える、未体験のゾーンへ。SFコンセプトとともに——。
藤田京弥Kyoya Fujita
日本のバスフィッシングトーナメントのトップカテゴリーであるJBトップ50に参戦わずか2シーズンで、主要3大タイトルを完全制覇。2022年に渡米。B.A.S.S.バスマスターオープンシリーズ参戦1年目にして、200名以上がエントリーするノーザンオープンで、年間ランキング2位を獲得。異例の速さで2023年度からのエリートシリーズへと駆け上がった。どこまでも精度の高いサイトフィッシングと魚探サイトを得意とし、これまでの常識を覆しつづける26歳。
デビュー以来、破竹の勢いで日本のバスフィッシング・プロトーナメントシーンを席巻した藤田京弥は、スーパーフィネスを最も体現するアングラーのひとり。藤田はトーナメント戦略において、積極的にこの釣り方を取り入れる。たとえば、1gに満たない超軽量ダウンショットリグを用い、水深10mよりも深いボトムにシンカーを着けた状態で、中層に漂った、わずか1〜2inのワームの存在を感じながら操作してバスに口を使わせる。そんな釣りだ。なぜ、そこまでしなければならないのか。そこまでしなければ勝てないことを、藤田は知っているからだ。
同じ湖で試合をしても、バスの反応は毎回変わります。1匹ごとにも変わってきます。「絶対に釣れるアクション」なんて、ありえません。わずかなアクションの違いが、口を使わせる決め手になり、トップレベルの選手はもちろん、その違いを理解しています。ハイレベルになればなるほど、食わせるためのルアー操作イメージは繊細さと精度を増して、数センチ刻みどころか、ほんのわずかなラインの張り具合までも意識します。
「ただ、そこまでわかっていても、道具が足りなければ釣ることはできません。」
魚の釣り方を決めるのは、あくまでも自分。自分がイメージするアプローチやアクションをどこまでも繊細に的確に実行するためには、道具に頼るしかありません。深い場所でも、風が吹いていても、超軽量のリグを意のままに操れる道具に。これまでのフィネスを一歩も二歩も超えた、操縦性を得られるSFに。
ADVANTAGE01
High Sensitivity
水中解像度が格段にアップする、
未体験の高感度
たとえば、ダウンショットリグで、1gに満たないシンカーのボトムタッチを感じられるのは当たり前。EXIST SFを使いこなせば、たるませたラインの先で中層に漂うわずか1〜2inのワームの動きまで明確に感じることも可能だ。ボトムの小さな起伏や底質の違い、ライトラインが受けるわずかな水抵抗、そしてルアーへのバイトをためらった魚の反応まで。スーパーフィネスだからこそ妥協できない水中からの繊細な情報把握を、かつてないレベルで、リールフットやハンドルノブを介して体感できる。未体験の水中解像度は、EXIST SFを使いこなすアングラーを、さらなるゾーンへと、踏み出させることだろう。
「SFの研ぎ澄まされた感度によって、見えていなかったものが見えるようになりました。」
ライブスコープの登場など、魚探の飛躍的な進化によって、水中の釣りは大きく変容を遂げた。水中の地形や魚の位置はもちろん、ルアーの軌道や、アクションに対する魚の反応までモニターから読み取れる今、深場でも魚の反応を見ながらアプローチする、シャローのサイトフィッシングにも近い釣りができるようになった。藤田もまた、最先端の魚探を使いこなす、デジタル時代の申し子だ。
確かに僕がトーナメントを戦う上で、高性能の魚探はなくてはならないものです。ただ、いくらライブスコープで水中が見えると言っても、リグがボトムに着くと、魚探の性質上、消えてしまいます。何も見えないなかで、すべての情報源は、タックルを通して手元に伝わる感度のみです。
水中の「見え方」は、道具の性能によって、格段に変わります。バスにリグを食わせる最も重要な時間は、魚探のモニターではなく、手元に伝わる感覚にすべて委ねられているのです。そしてSFの「見え方」は、まさに未体験の領域です。
ADVANTAGE02
Direct Control Feeling
ルアーを意思通りに動かせる
ダイレクトな操縦性
フィネスフィッシングにおいて、食わせ方のバリエーションは多ければ多いほどいい。このことは、ハイレベルなアングラーが共有するまぎれもない事実。フィネスを超えるスーパーフィネスなら、なおのこと。実際、魚の目の前、数センチのところにルアーがあっても、アクションのリズムの幅、または動かす方向をわずかにでも誤れば、魚は口を使ってくれない。こうした状況に対し、エキスパートほど「正解はある」と確信しているものだ。正解の釣り方をイメージできなければ、狙って釣ることはできない。たとえイメージできたとしても、意思通りに動かせなければ、釣れないことに変わりはない。EXIST SFは、リールの軽量化・コンパクト化による絶対的な操作性の向上によって、ルアー操作のグリッドを細分化する。求めるグリッドは数センチか、数ミリか。EXIST SFが可能とするのは、その単位の操縦性。アングラーの意思にピタリとマッチする、どこまでも繊細なルアー操作を、手に入れることができるのだ。
ADVANTAGE03
Long Cast Performance
軽量ルアーを遠投できる
キャストバランス
繊細な魚を相手にするフィネスフィッシングでは、不要な警戒を与えないために、ロングディスタンスがものをいうシーンも多い。魚との距離を取ることこそが、食わせへの最適解となる状況下で、投げるのは1g前後の超軽量ルアーというジレンマ。この時、飛距離を伸ばす決め手となるのは、キャスト時のシャープな振り抜きスピードにほかならない。どれだけ細身で軽量なフィネスロッドを用いても、リールが重ければバランスは崩れ、キャストにブレが生じる。超軽量なフィネスロッドに合わせるべきは、超軽量かつコンパクトに設計されたSFコンセプトのリール。それでこそ、バランスの取れた一体感が生まれ、ブレのない瞬発的な素早い振り抜きが可能となる。その結果、超軽量ルアーや空気抵抗の大きい、いわゆる「投げにくいルアー」の飛距離を、大幅にアップすることができるのだ。そのロングディスタンスは間違いなく、強力なアドバンテージとなるだろう。
風や水の流れなど自然現象に左右されやすい超軽量リグや、抵抗感の乏しいルアーを使うなら、タックルは軽いほどいい。ただ、たとえロッドだけが革新的に軽くても、それに合わせるリールとのバランスが悪ければ、性能は半分も引き出せない。タックルに求めるのはまず軽さ。さらにバランスが最適化されることで、繊細な釣りに必要な操作性を手に入れることができる。さらにその上の、操縦性にたどり着くこともできる。
タックルが軽くなると、体の力みが減り、あらゆる動作をより少ない力で高精度に行えるようになります。SFを使うと、超軽量のルアーや空気抵抗のあるルアーのキャストフィールが格段に向上します。力まないからモーションも小さくなり、アキュラシーが増して、さらに飛距離もアップします。
飛距離、アキュラシー、ラインさばき、アクション精度、魚とのファイト
「SFの操縦性が、あらゆる動作の精度を高めます。」
ADVANTAGE04
Accurate Cast Performance
質の高いキャストアキュラシーと
ラインコントロール
ルアーの着水点は、魚にルアーを正確にアプローチするための重要な起点。水中に流れがあれば、逆算して上流側に投じる必要があるし、ルアーを魚の目前に送り込む角度が少しでもズレれば、それだけで口を使わなくなることも多い。特に風や波の影響を受けやすい状況下では、キャスト後のラインメンディングがルアーのコース取りやレンジ把握の精度に直結する。それはリグが軽量になればなるほど、困難を極める。ハイレベルなラインコントロールこそが、スーパーフィネスの練度を高めるといっても過言ではない。EXIST SFが、元々の耐久性とパワーの一部を犠牲にしてまでも実現した、自分の手の一部になったかのようなタックルの取り回しの良さ、ショートスプールによるフェザリングのしやすさは、キャストアキュラシーとラインコントロールの精度を、一段も二段も上げてくれるはずだ。
ADVANTAGE05
Good Drag Response With Light Line
よりスムーズな、ライトラインのドラグレスポンス
バストーナメントのスモールマウス戦は、2lbのフロロカーボンラインが当たり前の世界。マイクロスプーンを駆使するエリアトーナメントでも、1.5lb以下のナイロンラインや、0.3号のエステルラインの使用が必要不可欠とも言えるほど、現代のトーナメントシーンでは、ラインの極細化が進んでいる。緊迫した試合のなかで、少しでも過剰な負担をかけてしまえば、いとも簡単にラインブレイクを招いてしまうことだろう。そんなギリギリまで追い込んだセッティングを、トップアングラーたちは余儀なくされている。いっぽう、メバルやアジのような海をフィールドとするライトソルトでは、思いもかけない大物がヒットする可能性も高い。EXIST SFは、4lb以下(フロロ・ナイロン)もしくは0.6号以下(PE)といった、超ライトラインの使用に特化して再設計された。ラインキャパシティを減らし、スプール幅を狭めたことで、ドラグ作動時におけるライン放出抵抗のバラツキが少なく、なめらかで一定のドラグの滑り出しを実現。急激な魚の引きに対し、しっかり追従し、ラインに負担をかけず、スムーズにランディングへと導いてくれる。