田渕 雅生
超深海釣り。 近年の沖釣りタックルの進化により、水深1,000mを超える「漆黒の世界」もいまや遊漁のターゲットとなった。メインターゲットとなるのは、深海釣り師垂涎の的のベニアコウだ。光の届かない漆黒の世界に潜む神秘的とも言える真紅の魚体。その食味もまた秀逸で、なかなか市場には出回らない高級魚だ。 釣り方はいたってシンプル。掛枠に巻いた10本前後の針を付けた胴付き仕掛けに2.5kg~3kgのオモリを付け、船長の合図で順番に海中に入れるだけ。仕掛けが水深1,000mまで到達するのに約15分。 着底したら一旦糸ふけを取ってオモリが海底すれすれをキープするようにして魚信を待つ。潮流を読んで、船を根(緩やかな崖)の手前から流し込んでいくのが一般的と言えよう。時には複雑に幾層にも流れる潮流に負けずに1,000mの道糸と共に仕掛けを引っ張ってこれるロッドパワーが必要となる。 ベニアコウが潜む根に上手く仕掛けが差し掛かってくると、1,000mの海底からとは思えないような明確なアタリが竿先に伝わる。 必ずしも本命とは判別しきれないが、何度経験してもこの待望の魚信に心躍る。20~30分流し込んで巻上げの合図。 ドラグを若干緩め中高速(MAXの2/3程度の速度)で巻上げる。仕掛けが上がってくるまで30~40分。ここでは、海上のうねりによる船の上下動を吸収するロッドのしなやかさと粘りが安心感を生む。 さぁ、どんな魚が上がってくるのかワクワク、ドキドキ感が止まらない。仕掛けを手繰り始めた時に、仕掛けが潮先の方に流され重量感が抜けると本命ベニアコウが針掛かりしている可能性大!ほどなく、数十メートル先に真紅の魚体がボコンと浮き上がる。誰もがベニアコウに劣らず顔を真っ赤に紅潮させ、思わず「ヤッター!!!」と両手を天に突き上げる瞬間だ!これまでキンメやアコウ(バラメヌケ)釣りでご好評いただいているマッドバイパー深海シリーズ(ML、M、MH、H)にHHタイプが加わった。強靭なロッドパワーを持ちながらも、Hよりも全長を5cm伸ばすことでしなやかな粘りを併せ持たせた。正に「超深海釣り」に適したロッドだ。是非このロッドを携えて、世界でも類を見ない「超深海の遊漁」を体験していただきたい。 |