デカい魚を獲るために生まれた、
それがSALTIGA35
ベイトリールを使用したスロージギングの名手・清水一成が
開発から関わってきたSALTIGA35。
全ては「BREAK YOUR RECORD」のため、
SALTIGA35は夢を掴み獲るための最大の武器になる。
獲れなかった魚を獲るために
誕生した勝負をかけるリール
SALTIGA 35の開発を始めるとき、僕が提案させてもらったのはPE4号の世界観です。いまの時代の多くのベイトリールとベイトロッドが、PE3号の世界観で作られています。SALTIGA 15も同様で、すべてPE3号がベースです。スロージギングのロッドもPE3号をベースに開発されているものが多い。でも、 PE3号をベースにしていると取れない魚がいる、というのも現実です。
SALTIGA 35では、水深100m以上の深さのフィールドで、PE4号を使って大型魚を獲りにいくことを考えて作られています。ジグウエイトにすると、300g~600gぐらいまでを想定する感じです。
本来、この手のタックルで釣りをするとアングラーへかなり負担がかかりますが、僕がこだわる「身体負荷の軽減」をコンセプトにSALTIGA 35を作り込みました。
この世界観を実現するため、一番にリクエストしたのがドラグです。ドラグがすごく強固で、ドラグで勝負できるリールが作りたかった。ある程度の負荷に耐えられるドラグを搭載できるということは、結局、ピニオンギアとドライブギアが壊れないものを作ることと同じなんです。強固なドラグをもつリールは、結局はリール全体の性能をかなりベースアップする、しなければならないという想定がありました。
SALTIGA 35の最大ドラグ力は13kgです。この数字には満足しています。実際に13kgを掛けたら、普通の人はロッドを立てられないと思います。そのくらいの数値です。実用的な数値ではないにしても、掛かりますよっていう事実が重要。実際10kgも掛けたら、それでお腹いっぱいレベル。でも、SALTIGA 35で10kgのドラグで釣りをするということは、まだリールに余力があるということです。結果的にリールにも負担があまり掛からないし、傷みにくいです。
なぜ、スタードラグなのか?
UTDがもたらす一瞬のタメと主導権
ドラグシステムとして、今回はあえてUTDを選択しました。ATDではなくUTDを選んだのは、UTDのほうが少しだけ粘った後にラインを出すから。ほんの少しだけドラグが粘ってから、グッとロッドが絞られてラインが出るこの少しの粘りの間にロッドを立てることができるんです。ATDは負荷が掛かった瞬間に滑らかにドラグを滑り出してくれる優秀なドラグですが、このリールにはUTDの方が向いているんです。
UTDはほんのわずかの時間の絞りというか、タメがある。これが大型魚を狙う場合には非常に強みになります。この点は、みなさんに理解してほしいところです。ロッドがいきなり下に向いてしまったらもう戻せません。でも、少しの間が得られればロッドを立てて主導権を握ることができます。この考え方は大型の魚を獲るためにはとても大事。ちゃんと胸元までロッドを起こし、フッキングが決まる位置まで持っていけることが重要。こういうシーンを想定したリールがSALTIGA 35なんです。
SALTIGA 35でスタードラグを採用したのは、不意の大物へのドラグの滑り出し対応力、そして大物とのやり取りで中盤以降の勝負の瞬間に、さらにドラグ力を上げて主導権を握るためです。カンパチ狙いの止められるときは止められるドラグ、そしてマグロ狙いの高ドラグでも安定した滑らかな滑り出し。これがレバードラグにはないスタードラグの魅力。PE4号で13kgのドラグ設定でもラインは綺麗に出ますし、巻きも重くならない。しっかり締め込んでおいて、魚が上がってくるにつれてドラグを緩めていく。通常はこれで獲れるし、やり取りの一番の理想形だと思っています。
フルドラグだけど、フルロックではない世界。多くの船長から聞くのも大型リールのスタードラグバージョンが一番大きな魚を取らしてやれるのにな、ってこと。ラインの強度を知っている人なら、レバードラグをおすすめできますが、それがわからない人は絶対にスタードラグがおすすめです。要はロックすることがない、MIN~MAXまで全部使えるドラグってことです。
HYPERDRIVE DESIGNは
安心保障のハンコみたいなもの
SALTIGA ICも同じですけど、SALTIGA 35に関しても HYPERDRIVE DESIGNだから良いリールに仕上がった、というイメージがありますね。ギアの歯の角度とアタリ、強度、あらゆる面での堅牢性など、すべてですね。HYPERDRIVE DESIGNを採用している、ということは安心保証のハンコみたいに思ってもらえばいいと思いますよ。DAIWAがHYPERDRIVE DESIGNって掲げるモノは相当作り込んでいます、ってことです。
SALTIGA 35はいろいろな工夫が盛り込まれていますが、なかでもアノードプロテクションはとくにいいな、と思います。いわゆる防食亜鉛です。要はそっちに腐食を持っていきますよっていうシステムを応用したものです。SALTIGA 15にも採用されていますが、アノードプロテクションのおかげでオーバーホールをするタイミングがかなり遅くなりました。その効果はSALTIGA 15で実感していますね。
製品のレベルの向上というのは、やはり企業、DAIWAがやることの基本だと思います。パワーアップ、 堅牢性とか、全部そうです。それに加え、製品を販売してからもオーバーホールを遅らせるとか、ちょっとでも長く使ってもらえるように、という努力がある。アノードプロテクションを採用したのは、DAIWAの優しさなのかな、と思います。
これからSALTIGA 35で釣りたい魚、といえばやはりマグロ。それから大型のカンパチ。あとはイシナギ、でっかいハタ族ですね。SALTIGA 35は巻きの感度が凄いので、アタリが取りやすいのも魅力。シルキーさも凄いです。そんな性能を活かして深海のキンメも釣り込みたいですね。
みなさんもSALTIGA 35を使って、どんどんデカい魚をキャッチしてほしいですね。「なんかわからんけど、このリールだと楽に魚が取れるよね」って言ってもらえるのが、実は一番の褒め言葉。テクノロジーがどうとか、機構がどうちゃらこうちゃらっていうのは、僕らが気にすることなんで。細かいことは気にしないで、どんどん使って、どんどん釣って欲しいですね。