2021年、DAIWAでは、両軸リールの未来基準として「HYPERDRIVE DESIGN」という設計思想を打ち出した。
これは、「強く」、「軽く」、「滑らかに」を追求し、その初期性能が長く続くことを目指すというもの。
DAIWAでの最高峰アイテム、SALTIGAにおいては21SALTIGA ICに、このテクノロジーを採用。
そして、2022年、よりタフな状況で使用される22SALTIGA 15/15-SJは、「HYPERDRIVE DESIGN」で磨きを掛け、数々のテクノロジーを搭載してデビューする。
22SALTIGA 15/15-SJが目指したのは、全ての基本性能の水準を高め、ジギングをより楽に快適にすること。
ハンドルを回した瞬間、ジャーク時、そして魚が掛かった瞬間、卓越した性能を実感できるはずだ!
パワーと滑らかな巻き心地
いつまでもその性能を維持!
MORE
滑らかさの持続と、
巻きの軽さ
MORE
ギアとスプールを高精度、高剛性で支持
こだわり抜いたボディデザイン
MORE
スムーズに作動し続ける
高耐久クラッチシステム
MORE
耐久テクノロジーの追求
初期性能が変わらずに快適に使えるという性能をダイワは追求し続けてきた。
SALTIGA 15/15-SJ/35では新テクノロジーを追加して耐久性の維持を実現!
操作性&使用感の追求
魚をよりキャッチするため、軽快にシャクリ続けるために
フィールドテスターとダイワがタッグを組んで形状、操作性を追求。
これらは、間違いなくアングラーの強い味方になる!
アングラーのスタイルに合わせて
セレクトできるアイテムがリリース。
パワフルな巻き上げと操作性で、
近海~深場、秘境まで
幅広いジギングに対応する。
PE1.5号~4号を使用するジギングにおいて、最も汎用性の高いスタンダードモデル。ワンピッチジャークやジグのスイミングなどの脇挟みスタイルに最適な75-85mmアルミ製クランクハンドルアームを標準搭載。15、15LはPE3号400mのラインキャパシティーとギア比6.3のパワフルな巻き上げと強力なドラグで近海の青物からトンジギやキハダにまで対応する。15H、15HLはPE3号400mのラインキャパシティーとギア比7.1(巻き取り長115cm)でドテラの釣りやジグを飛ばすアクションをする釣りに対応。また、15S、15SLはギア比6.3(巻き取り長103cm)でシャロースプールを搭載。PE1.5号400m、PE2号300mを使用した水深100m以浅でのジギングで威力を発揮する。
清水一成とタッグを組み、スタンダードモデルを磨き込んだ特別仕様。85-95 ㎜のカーボン製クランクハンドルアームを標準搭載し、操作性と軽量性のタックルバランスを追求して開発。ラインキャパシティーはPE3号400m、PE2号600mを備え、ヒラマサ、ブリ、キハダ、近海のカンパチをはじめ、中深海のアカムツ、クロムツなどを狙う釣りに最適。ノーマルギア(ギア比6.3)のハンドル1回転の巻取り長さは、このサイズのリールで使用しやすい103cm。ギア比6.3により、大型魚とのやり取りにおいても圧倒的な巻き上げパワーで、魚との間合いを詰めることが可能だ。また、ハイギア(ギア比7.1)もラインナップ。ハンドル1回転の巻取り長さは115cm。水深があるエリアやドテラ流しでライン放出量が多い場合、スプールのライン巻き量が少なくなることで、ハンドル1回転の巻取り長さが短くなる。そんな状況のスロージギングで活躍するのがこのモデル。巻きスピードの早さに、ジグを大きく飛ばして長いフォールを入れたいという状況などにも活躍する。
シーンに合わせて対応するノーマルギアとハイギアをラインナップ。
パワフルな巻上力を備えるノーマルギアモデルはギア比5.1。ベイトジギングのスタンダードとなるハンドル一回転104cmの巻取り長さを有する。
常にファイトが死闘となりがちな大型キハダ狙いやヒット直後の一巻きが勝敗を決する大型根魚狙い、深場での大型ジグ回収やドテラの釣りで負荷がかかるシーンなど、巻き上げトルクが武器となるシーンで活躍する。
ハイギアモデルはギア比5.8でハンドル1回転118cmという巻取り長さを武器に大型魚を攻略するモデル。
ハイレスポンスなアクションでの大型カンパチ狙いや、ライン放出によりPEライン残量が減ることで巻取り長さが減少する深場において、ジグをしっかり動かしたい場面で活躍する。
耐久性能
滑らかな回転が長持ちすること。クラッチが作動しつづけること。ベイトリールの構造上、避けられない、水・異物の浸入が引き起こすトラブルに強く、過酷な環境下にあっても壊れないこと。
回転性能
ハンドルを巻いた時に、力強く、滑らかに、気持ちよく巻けること。ビッグフィッシュとのファイトにも力負けせず、トルクフルかつ信頼感をもって巻き続けられること。
操作性能
タックルを持った際、自然に握ることができ、長時間使用でも疲労を感じさせない軽さやバランスに仕上がっていること。クラッチ、スタードラグなどの各パーツがストレスなく操作できること。
両軸ベイトリールはどうあるべきか?それは3つの主要要素が高次元で融合したものであるとダイワは考える。すなわち、軸となる回転性能。そして、耐久性能と操作性能である。これら3つの性能は、互いに絡み合いながら、その相乗効果でさらなるハイパフォーマンスを生み出していく。例えば、耐久性能の高いカッチリとしたボディは、ギアを歪みなく支持しスムーズに巻くための回転性能にも関わってくるように。
ハイパードライブデジギア
滑らかな巻き心地とパワー
いつまでもその性能を維持!
軽く、滑らかさもありながら、強さも併せ持つ回転、そしてその回転を初期段階から変わらずに維持できるようにとダイワがこだわり抜いて作り上げたのが、この新設計のギアシステム。
ダイワ独自のギアテクノロジーがアングラーをサポートする。
精密な歯面のギア
ドライブギア、ピニオンともに耐久性をアップ。さらに耐久性に直結するギアの歯のモジュール(大きさ)は、小さくはせず歯合い率をアップさせる設計。手間を惜しまず、歯面をひとつひとつ精密に削り出すことで、歯面ががっちりと噛み合い、滑らかに回転を伝達する。ドライブギア、そしてピニオンともに進化させたことで、今までにないベイトリールでの巻き性能を実現している。
◆22SALTIGA 15/15-SJ
ドライブギアサイズを5.2%アップ
22SALTIGAには、新設計ギアシステム・ハイパードライブデジギアを搭載。さらにそれだけでは満足せず、圧倒的な巻き上げパワーを求めて、ドライブギアサイズの大口径化へ着手した。それに伴い、ギアボックス・ギアシャフト・ピニオンに至る内部パーツの設計見直しが余儀なくされた。一方、極力コンパクトに仕上げることも同時に求め、これらを両立する最適なサイズを導き出した。22SALTIGAへ搭載したドライブギアは、従来モデル比で5.2%拡大。回転性能を徹底的に磨いた21SALTIGA IC300と比較すると、14.4%アップとなっている。このクラスで過去最大級のドライブギアを組み込んだ、SALTIGA 15。圧倒的な巻き上げパワーを体感してほしい。
◆25SALTIGA 35
更なるドライブギアの大型化
世界の大型魚や深場の魚を獲るために誕生した25SALTIGA 35は、 ヘビーウエイトジグの使用、太糸による水中でのラインの抵抗による巻き 重り、ハイドラグ値による大型魚との根際の攻防などといった過酷な状況を想定して設計されている。
特にその要となるドライブギアは22SALTIGA15/15-SJ開発時同様に大型化を実施。22SALTIGA15/15-SJと比較すると4.1%アップ(ハイギア同士の比較)している。
これまでのジギングリールは、ヘビーウエイトジグを深場でもしっかり動かすためにハイギアモデルを使用すると、大きな負荷がアングラーの身体を襲うことになる。
しかし、25SALTIGA 35はHYPERDRIVE DIGIGER×ドライブギアの大型化によって、これまで以上に負荷を抑えてジギングが可能になった。
死闘となる大型魚との対峙においてもアングラーをサポートし続ける巻上パワーは、まだ見ぬレコードフィッシュをキャッチするための大きな武器となるだろう。
回転ノイズ比較
巻き上げ時のギアノイズ(ハンドル回転時に感じるザラつきなど)の測定結果。振れ幅が小さいほどノイズが少ないことを意味する。従来のギアとの比較で、ハイパードライブデジギアのノイズレベルは、50%以下へと大幅に減少(当社比)。滑らかで静かな巻き心地を体感できる。
HYPERDRIVE DIGIGEAR理論
従来の噛み合わせ(イメージ)
HYPER DRIVE DIGIGEAR噛み合わせ(イメージ)
ドライブギアのモジュールは小型過ぎないサイズを標準化。歯面は最適な圧力角となるバレット型シルエットに仕上げることで、ピニオンと無駄なく効率を高めた噛み合い率を実現。従来、互いの歯面が最大2度接触する噛み合わせが、時に3度もの接触を目指した。より緩やかな圧力角が滑らかな回転と優れた耐久性を両立するシステムだ。
歯面強度を維持しながら回転フィーリングをさらに向上するには、何が必要となるのか。ドライブギアが大型になりパワーを増しただけでは事足りない。またピニオンの回転精度が向上するだけでも同じく決定打に欠ける。単体としてはそれぞれが実に優れたタレントだとしても、密接な関係にある両者を互いに機能させるには巧みなチームワークが要となる。突破口を開く鍵は、直接の接点となる歯面に秘められていた。
それが、歯面の“圧力角” というDAIWA独自の采配だった。
スムーズな回転を生み出すには、それぞれの歯面による高い数値の噛み合い率が求められる。従来であれば、歯面の歯自体の数を増やすと共に、それぞれの歯の高さを伸ばすことで優れた性能へと繋げてきた。ところが、その実、それだけに留まらず第3の発想、噛み合い率を上げる“圧力角”が残されていたのだ。
圧力角とは、歯面が立ち上がっている角度。歯面が立ち上がるほど接触点が増えるので、噛み合い率が上がっていくものだ。
通常、ドライブギアとピニオンが噛み合って回転を促す際、それぞれの歯面が最大2度接触するメカニズムが一般的。ところが新たなDAIWAの圧力角は、2度接触する作用線において、最大3度もの接触を促すことを理想とした。また接触が分散されたことで歯面耐久性の向上にも繋がる副産物をも生み出しているのだ。
この理想的な圧力角を実現しているのが、駆動力の要となるドライブギアとピニオンの噛み合い部分。アングラーによるハンドルからの入力をドライブギアが受け止め、スプールに直結するピニオンの回転へと、無駄なく変換することができるのだ。
ピニオンの進化
左:従来ピニオンの耐食性試験結果
右:最新ピニオンの耐食性試験結果
ハイパードライブ デジギアでは、ピニオンも劇的に進化させた。ドライブギアと対になるピニオンは、ベイトリールにとってドライブギアに並ぶ超重要パーツ。そのギア歯面は、ドライブギア同様に精密に削り出し、併せて特殊素材を採用。腐食、固着、欠損などのトラブルが激減する。上の2枚の写真は、過酷な環境下で使い続けることを想定した試験結果。左の従来型の歯面には微細な塩溜まりが確認でき、塩や砂粒の残留によってゴリ感が出てくることになり、時にはギアの歯欠の元となる。一方、右の新型の歯面には、塩溜まりは皆無。当然、ギアは長持ち、回転性能も持続する。
ハイパーダブルサポート
滑らかさの持続と、
巻きの軽さ!
ピニオン支持構造の恩恵
ピニオン両端をボールベアリングで2点支持することで、ハンドルを回すパワーを減衰させずにスプール回転へと伝える重要な機構がハイパーダブルサポート。巻き上げパワーの伝達効率を向上させ、負荷が掛かった状態でも力強い回転フィーリングを体感できる。今回、ドライブギアの大口径化に伴いピニオン径も大型化を行った。22SALTIGA15/15-SJは従来モデル比で、6.2%拡大。さらに25SALTIGA 35は22SALTIGA比較で24.1%拡大。これが高負荷時はもちろん、少しでも間合いを詰めたい時にこそ活きるパワーの源となる。
ハイパーアームドハウジング
ギアとスプールを高精度、
高剛性で支持
こだわり抜いたボディデザイン
堅牢だからこそ性能が活きる骨格
スプール、ギア、シャフトなどの内部構造を、高精度、高剛性でしっかりと支え、高負荷時でもブレず、ガタつかず、たわまないことで、パワーにつながるという考えから生まれたハイパーアームドハウジング(FULL-AL)。その条件はフレームに金属素材を用いることだが、SALTIGA 15/15-SJ/35では、アルミニウム合金を採用し、オールマシンカット製法によるフル切削で堅牢無比な高剛性を実現。
ハイパータフクラッチ
スムーズに作動し続ける
高耐久クラッチシステム
高耐久クラッチ
長く使用しても不具合が出ないこと。それが信頼へと繋がる。こと海水域で使用するベイトリールのクラッチは、長期使用において不具合が出やすい箇所である。そんな箇所のトラブルレスを目指した結果、幾度となく稼働するクラッチのON/OFFに耐え、スムーズに作動し続ける高耐久クラッチ構造をついに実現。クラッチレバーをON⇔OFFに切り替えることで、内部パーツが瞬時に稼働し、ピニオンとスプールとの切り離しまで連動するひとつなぎのシステム。スプールフリーや巻き上げの動作に移るための、まさしく駆動の要となる。クラッチトラブルの主な原因は、スプールとボディフレームの隙間から浸入する海水によって内部のクラッチシステムが腐食や固着するというもの。DAIWAは長年、クラッチシステムの改良に取り組み続け、このハイパータフクラッチにおいてひとつの完成形に到達した。
クラッチ操作性すらも改善
従来モデルではクラッチ操作時(ON ⇔ OFF)、親指の可動域が広いことに気付いた。これが地味な疲労蓄積につながっているのでは?と仮説立て、クラッチ操作性の改善へ踏み込んだ。実施したのは、主に2つ。ON ⇔ OFF 時のクラッチレバー作動域の角度改善。そしてクラッチレバー形状の刷新。パーミング側の親指でも届くこと、またハンドル側の手でも触りやすいクラッチレバーの高さ・幅・長さなどを検証し、徹底して磨き込んだ。わずかにでも気になる箇所は徹底して抽出し最適化を図る。すべてはアングラーへ掛かる負担軽減へ。
目指したのは、クラッチ耐久性の向上。
ピニオンと一緒に稼働するパーツが存在する。それがクラッチプレート。クラッチ耐久性の更なる向上を目指すため、このパーツに着目した。従来通り、高強度で耐食性に優れたステンレス素材と新たに異素材のクラッチプレートを重ねた2枚構成を採用。これは2つの役割を担っている。まずは絶縁体パーツとしての役割。ステンレス素材のクラッチプレートとスライドプレートが直接擦れないようにすることで、耐食性の向上を実現。もう一つが、クラッチを作動させる際の摩擦抵抗の低減。従来のステンレス1枚構成だと、ある程度負荷が掛かった状態でクラッチをOFFにしたくても、なかなか切れないことがあった。それは金属同士の摩擦抵抗が原因。大幅に改善したクラッチ構造を、ぜひ体感いただきたい。
ANODE
PROTECTION
アノードプロテクション
塩で腐食しやすいものを
敢えて入れ、他を守る
アノードプロテクションとは、リール筐体(アルミ素材)などの金属腐食の進行をやわらげるために、アノードプロテクションプレート(亜鉛製)を搭載した新たな機能のこと。22SALTIGA 15/15-SJでは、ギアボックス側のアルミ製セットプレート部へアノードプロテクションプレートを搭載している。これはもともと船外機本体を守る「防食アノード」と呼ばれる技術。読んで字のごとく構成部品を電気化学的腐食から守るための亜鉛製パーツ。これをリールに応用して組み込んだのがアノードプロテクション。ダイワリール初搭載(22SALTIGA15)となる。22SALTIGA 15/15-SJでは、ギアボックス側のアルミ製セットプレート部へアノードプロテクションプレートを搭載し、25SALTIGA 35ではハンドル側サイドプレートへ搭載している。
使用後は、しっかりと洗って塩を落とすなど通常のメンテナンスはもちろん必要であるが、過酷なオフショアシーンでのリールの腐食を和らげることで、不意にヒットした大型魚にもリールの基本性能を最大限活かしてやり取りが可能になる。
※アノードプロテクションは、リール本体すべての錆・腐食を完全に防ぐ機能ではございません。
※アノードプロテクションは、メンテナンスフリーではございません。
※アノードプロテクションプレートは消耗品です。使用を続けると腐食が進行しますが、異常ではございません。
※アノードプロテクションプレートには、絶対に塗装などを塗らないでください。防食効果がなくなります。おやめください。
※アノードプロテクションプレートは、使用状況により腐食スピードに個体差が生じます。取扱説明書の●重要!お手入れ方法をよくお読みいただき、使用後はなるべく早く水洗いを行ってください。
※25SALTIGA 35へ搭載のアノードプロテクションプレートの交換は、お客様で行うことができません。
MAGSEALED
BALL BEARING
マグシールドボールベアリング
初期性能を維持する
ダイワ独自のボールベアリング
磁性流体(マグオイル)によって防水化するというダイワ独自の画期的テクノロジー・マグシールド。中でもボールベアリングの内部への塩や異物の侵入は、回転性能の低下に直結する。そこで開発されたのが、マグシールドボールベアリング。ベイトリールは構造上、スプールとボディの隙間から海水の浸入は避けられず、それにより、最も塩噛みの影響を受けてしまうのが、ピニオン部ハンドル側のボールベアリング。特にメンテナンスが行き届きにくい箇所へマグシールドボールベアリングを採用することで、大幅な耐久性向上を実現している。
滑らかに作動する高耐久ドラグ
ドラグには、ジギングにおいても最大限効果を発揮するATDを採用。カーボンワッシャー仕様で、スムーズな滑り出しはもちろん、高負荷時の摩擦熱によるスティックを軽減。最大ドラグ力は、従来モデルから大幅アップ。よりタフなジギングリールへと進化。ギア比毎にそれぞれ設定されている。(ギア比6.3:10kg、ギア比7.1:8kg)。また、ドラグの調整時に鳴るドラグ調整クリックに加え、ドラグ引き出しクリックも搭載。大型魚との攻防においては、シビアなドラグセッティングが必要となる。そのため魚の急な突っ込みに対してクリック音でドラグ作動を把握できることは、アングラーへ大きなアドバンテージをもたらす。更にスタードラグには、締め込み易く調整しやすい新型アルミ製大口径ロングアームスタードラグを搭載。盤石の体制を築いた。
実釣時を想定した
高耐久・高耐力ドラグ
ワッシャーやグリスを一から見直すことで、魚の引きがドラグ値に達した直後のドラグの 効き始めから、食いつきなくスムーズに効き、ラインをムラなく滑り出されるように設計された ドラグ機構。UTDは長きにわたりDAIWAリールのドラグを支えてきた機構であり、その性能は多く のアングラーによって実証されてきている。25SALTIGA 35では、22SALTIGA 15/15-SJと同じATDでなく、あえてUTD(カーボンワッシャー仕様)を採用。その理由は、高ドラグ 設定時のライン放出時に、UTDのほうがドラグの効き始めに一瞬の粘り強さがあると いう理由から。高ドラグ設定時に根際で大型魚をヒットさせた時、この僅かな時間の粘り 性能がアングラーにアドバンテージをもたらしてくれる。滑らかさはATDに劣るものの、このSALTIGA 35のサイズに求められるドラグ性能を求めた結果、UTDドラグを搭載するに至った。さらに最大ドラグ力は、スプールに最大限糸を巻いた状態で、人力でスタードラグを締め付けられる範囲内で「13㎏」をマーク。「実釣時を想定したドラグ力」だからこそ、安心して大型魚と戦うことができる。
THUMB HOLDING
FRAME
サムホールディングフレーム
握る発想から
「指掛かり」への発想転換!
サムホールディングフレームとは、スプール内側へ向かって傾斜角度を設けた新たなフレーム形状を指す。従来のコンパクト化メリットを覆す優れたパーミング性能が特徴であり、傾斜角度にこだわった独自設計だ。ジギングリールは、大きさもさることながら自重も重くなりがち。より握りやすく、握り疲れず、操作しやすい形状を検証し続けた結果、親指の動きが重要なことに気が付いた。親指は、フォール時、ジグの操作時、フッキング時、ファイト時とポジショニングが変化する。親指を据える場所を作り込むことでパーミングのしやすさに貢献する事実を掴んだ。アングラーを全力でサポートする、そんな役割を実現することができた形状だ。スプール内側へフレームを傾斜させたことで、濡れた状態でもすっぽ抜けは激減、さらに力を入れやすいため、重いジグでも力強く引くことができる。それは傾斜形状に親指をフック(引っ掛けられる)できるために他ならない。払い出すPEラインの角度に関わらず、どんな釣り座や立ち位置でも滑りにくいため容易にジャークアクションへと持ち込める。親指の役目は、握り続ける発想から指掛かりの発想へ。これが“握る”という概念を変えるサムホールディングフレーム。
従来モデル(15SALTIGA)よりもフロントピラーの幅を広くすることで、人差し指の手当たりを改善。しっかりとリールを握り込むことができ、巻き上げ時のブレが大幅に軽減された。
CARBON&ALUMINUM
CRANK HANDLE ARM &
T-SHAPE POWER KNOB
カーボン&アルミニウム
クランクハンドルアーム&Tシェイプパワーノブ
より快適にハンドルを操作!
さらに強さも装備
◆22SALTIGA15/15-SJ
スタンダードモデルと、
スロージギングスペシャルモデル、
これら一体どこが違うのか?
をひも解いていきたい。
まずは外観。主にハンドル周りの仕様が目に留まる。
スタンダードモデルは、ゴールドカラーが目を引くアルミ製スタードラグ×アルミ製75-85mmロングクランクハンドルアーム仕様となっている。一方で、スロージギング特別モデルは、SALTIGAカラーのスタードラグ×カーボン製85-95mmロングクランクハンドルアーム仕様と、パっと見て判別できる違いがある。
いずれにおいても快適さを追求したハンドル仕様とのこと。ここでは特にカーボン製ロングクランクハンドルアームについて言及していきたい。
もともとこのハンドルアームの開発はロッド設計チームの協力の元、今まで培ってきたカーボンテクノロジーを存分に盛り込んで完成へと至った逸品。特別仕様とだけあって、その製作工程も特殊だ。ハンドルリベット部の強化はもちろん、切削工程、カーボンシートの積層パターンや厚さのコントロールなど、ダイワ独自の構成で開発されている。
開発に携わった清水一成いわく「求めたのは、アルミ製ハンドルより高剛性で軽い、外観にも拘ったカーボンハンドルです。これは、そう簡単には作れません」と言う。「なぜなら、ダイワのロッドテクノロジーがふんだんに盛り込まれているから。すべてはロッド技術に協力をしてもらった結果に他ありません。均一で美しい外観と性能を両立出来たのは他には無いです。」
結果、カーボンハンドルアームの自重はアルミハンドルと比較して約20%の軽量化を達成。
「すごくないですか?約20%の軽量化は異次元です。テストで散々いじめ抜きました、強度にせよ使用感にしても想像を2つも3つも上回ったデキ、当然の自信作です。」
スタンダードモデルとSJ特別モデルのハンドル仕様差だけで、リール本体の重量バランスが驚くほど改善され、明確な差が生まれる。サムホールディングフレームとの相乗効果でハンドル側は軽くなり、パーミング側のホールド力がアップするからだ。
ハンドルアームの素材が与える影響度合いを、多くのアングラーに体感いただきたい。
僅かな違いだが、この違いだけでも長時間の使用において使い心地が変わる。
◆SALTIGA 35
SALTIGA 35では、大型魚対応、力強いジャークを想定して強靭なアルミ製100-110mmのハンドルアームを採用。
ノブにおいては、SALTIGA 15同様に清水一成がスケッチから作成し、何本もの試作品を削り込んで完成した。
特にSALTIGA 35は半年以上の歳月をかけて削り込んだが、アングラーが一番触り続けるハンドルノブは清水一成が特に拘った部分である。
ヘビージグの使用や大型魚がヒットしたシーンを考慮して大型化されているため、1日を 通して疲れにくく、リーリング時には力強く握ることが可能。ロングハンドルアームとの相乗効果で力強い巻取りが可能となる。
SPOOL
スプールの大口径化
15サイズΦ52mm
35サイズΦ65mm
大容量キャパシティーと
巻糸変化量の最適化
◆22SALTIGA 15/15-SJ
Φ52mmスプール
あと50mでもラインキャパが増えてくれたら……。そんな従来モデルでの強い要望に応えるため、狙いのコンパクトなボディサイズを外さないまま、スプール大口径化という手段を選択。この15サイズで近海ジギングを網羅するのに求められるラインキャパシティーは、PE3号-400m基準。近海の人気ターゲットならコレ1台で対応出来る懐の広さを目指した。結果、従来比133%ものラインストック量を確保するに至った。また、スタンダードモデルへ新たに15Sをラインナップ。これはPE2号-300mを狙ったシャロースプール搭載アイテム。水深100m未満の海域でのジギングに最適と捉えていただきたい。単純に浅溝化しただけではなく、巻糸面のナロー化まで施した。敢えてライン放出時の巻糸変化量を狙った独自設計。ボトムタッチ後の1シャクリ目から巻き上げの軽さを体感できる。今回はスプール径Φ52㎜へ整えたため、SALTIGA15サイズ全アイテムいずれにおいてもスプール互換性を有するのもポイント。
◆25SALTIGA 35
Φ65mmスプール
SALTIGA 35では、大型魚や深場の釣りを 視野に入れるために PE1.5-1200m/PE3号 -600m/PE4号-500m/PE6号-300mの巻糸量を備えている。また、15サイズ同様に糸の放出 に伴う巻取りスピードの変化量まで考慮し、ナロースプール形状を採用。巻糸変化量が最適だからこそ、適正なドラグ性能を発揮し、軽い巻上げや魚とのの間合いを詰める巻取りパワーに寄与している。
SPOOL LOCK
スプールロック
ジギンガーを守る、
ラインカット機能
根回り、海底の起伏が激しいボトムを探るジギングにおいて、厄介なのが根掛かり。根掛かりが発生した際、強引に根から外そうとして引っ張ってしまうと、ギアやスプールシャフト、ボールベアリングなどの内部パーツへ余計な負荷を掛けてしまう恐れがある。そのような場面で活躍するのがこの機能。ボディー側面のスプールロックレバーをONにし、クラッチレバーをOFFにすることで、スプールとピニオンギアを切り離した状態でスプールの逆転をロック。この状態でロッドをラインと直線に構えラインカットすれば、リールにダメージを与えることなく対処することが可能だ。なによりも安心安全にジギングを楽しむため、欠かせない機能のひとつ。
DRAG CLICK
ドラグクリック
ギリギリの攻防を音で支える。
新構造のドラグ引き出しクリック
アングラーは、使用するラインとラインシステムの限界値を把握し、その数値に合わせてラインブレイクしないようにドラグを設定し、ターゲットへプレッシャーを掛けていく。魚が掛かって走り、ラインを出して行く時、ドラグ引き出しクリック音が鳴ったほうが、どのくらいの勢いで走ったのか、どのくらいの距離を走ったのかなどを把握しやすい。
従来構造の改善項目として、①耐久性、②ドラグの締め込み具合に左右されるドラグ音量の不安定さ、③音質の3つを抽出し、改善へ取り組みを行った。22SALTIGA15/15-SJ、25SALTIGA 35では、ドラグ引き出しクリック構造を最新バージョンへ刷新。主にドライブギア内側の音出しラチェット構造および音出しピン構造を大きく変えたことで手にした性能となる。これにより、ドラグの締め込み具合に関係なく、ドラグ引き出し時には同じ音質・音量を提供することが可能になった。
SPOOL CHANGE
スプールチェンジ
素早いスプール交換が可能!
刻々と変わる状況に応じたライン号数変更や不意な高切れ、ラインブレイクでラインシステムを組む時間が無いときなど、替えスプールを準備しておくことで安心して挑める。この安心感があるかないかでは、大きな差が生まれる。
素早く交換対応が出来るよう、ギア側サイドプレートスクリューによる3点支持構造を採用(25SALTIGA 35は5点指示構造)。付属のスプール交換用トルクスレンチで、サイドプレートスクリューを緩めるだけで、簡単にギアボックスカバーの取り外しができる。サイドスクリューは、緩めても外れることが無い脱落防止構造により、船の上での作業でも安心だ。
REEL FOOT
リールフット
1mmがもたらすリールサイズの
変化を体感して欲しい
リール本体が本来あるべき位置から、
たった1mmだけ変わった瞬間、
アングラーはどう印象が変わるのだろうか?
清水一成と開発陣で、上記の仮説・検証を行った。
目的は、「どんなアングラーにも、SALTIGAを握った瞬間にリールサイズをコンパクトに感じてもらいたい!どうしたら体感できるか?」というもの。すべてはアングラーへの負担軽減を体感してもらうためだけに考え抜いたこだわりのポイント。
実は、15-SJシリーズだけハンドル仕様以外にも特別仕様を実施している。それがスロージギングにおけるリール本体位置の最適化だ。
何をしたか?というと、スタンダードモデルのSALTIGA15より、たった1mmだけリール本体位置をティップ側へスライドさせたセッティングを施している。
清水一成いわく、
「最大2mm、リール本体位置をティップ側へスライドさせてテストをしました。様々なリールシートとの相性の観点から、1mmだけスライドさせる選択をしました。個人的にはもっと試したい欲求にかられるほど、明確に差が生まれました。肘当てスタイルでリールを包み込むようにグリップする際、リールを握る親指の角度を低く寝かせてあげることで、コンパクトに感じさせるようにしました。こんなこだわりは聞いたことがないと思いますが、SJモデルは特別なのでここまで本気で取り組みました。」という。
数名のアングラーへ対して、敢えて何も言わずスタンダードモデルとSJモデルをロッドへセットし握り比べてもらうと「あれ?リールがなんとなく小さく感じます。これ本当に同じリールサイズですか?これ騙してますよね?」と錯覚させるのに充分であることを目の当たりにした瞬間、1mmスライドの採用が決まった。
25SALTIGA 35においても、複数パターンのリールフット位置を試作し、製品化にたどり着いた。1mmのこだわりがアングラーの負担軽減へ繋がる。