スピニングリールは、ドライブギアとピニオンが交差して噛み合っている構造上、入力した力が必然的にハンドル軸方向に逃げようする。従来のスピニングリールはボディとボディカバーを小さな数本のネジで固定していたため、ハンドル軸側に逃げる力を抑えきることができず、ボディにたわみや歪みが生じていた。また高負荷のかかるギアも、剛性が足りなければたわみが生じる。このボディとギアのたわみと歪みが引き起こすギア同士の噛み合わせのズレこそが、力の伝達効率の低下、いわば巻き上げ時のパワーロスを生じさせる原因である。
巻き上げ時のパワーロスは、使用するルアーが大きければ大きいほど、また対峙するターゲットがパワフルであればあるほど実感されるもの。力と力のせめぎ合う苛烈なシーンでこそ弱点はつけ込まれ、アングラーに大きな負担を強いることになる。
DAIWAは、このスピニングリールの宿命を、一体成型のモノコックボディによって克服したが、2号以上のPEラインの使用を想定したソルトウォーター専用モデルであるCERTATE SWでは、モノコックボディの恩恵を最大限に活かすために、随所で独自の再設計が施されている。
LTモデルに対し、ボディを大型化することで、たわみや歪みに対する強度が向上したうえ、ボディ内部のギアスペースも拡大。これにより、ドライブギアの大型化・肉厚化も同時に実現している。それだけではない。ギア駆動部を支えるエンジンプレートも肉厚化することで死角のない盤石な土台を築くことに成功した。
同じ重さなら、できるだけ強く——。
モノコックボディを強さに振り切って設計することで獲得できる、パワーロスのない巻き上げ力。その真骨頂がCERTATE SWなのである。

