胴付3本バリが主流なカワハギ仕掛けであるが、この仕掛けは長年の釣行経験からのノウハウをフィードバック、４個のフックビーズを配し、正確に決められたそれぞれのビーズの位置をカワハギの活性や釣り方に合わせて使い分け釣果に繋げて行き、シンカーの根掛り時にも素早く釣りを再開できる仕掛けである。 

「RM スタンダード」は状況を選ばない設計となっており、下３個のビーズを使う場合は、底を切ったシンカーをヒラウチさせ、そのフラッシング効果に興味を示して近づいて来たカワハギに先ずシンカー間近のエサを発見させることができ、フッキングミスをしたとしても、次の短い枝間分下げれば次のエサ、また次のエサとカワハギにプレゼンテーションできる。 また、シンカーを底に付けてアタリを待つゼロテン釣法などでは、底に生息するゲストの活性が高い時は、上から３個のビーズを使いエサを底から離してセッティングすることができる。そして、仕掛け上部に中オモリを取り付けると斜めに倒し込んで行く釣り方ができるが、シンカーから離れたそれぞれのフックビーズ位置により誘いのスピードが変化しカワハギを誘う。 「RM ボトム＆レンジ」は、カワハギの活性が低い時などに、底からあまり離れようとしない時に、底付近にエサを集中して配す場合に有効な枝間となっている。一方高活性で宙に反応がある時などにも有効で、やはりシンカーに興味を持ったカワハギを下バリで掛けるイメージで、掛け損ねても少し仕掛けを下げてやれば次のエサをプレゼンテーションしヒットに繋げることができる。 また仕掛けのビーズには「フックビーズ」を使用しており、より軽量、小型で吸い込み重視としている。 

沖に点在する根回りは、カワハギにとっての格好なエサ場であり、一級ポイントとなる。またそれよりも根が荒いポイントもあり、たとえば関東では、剣崎沖の急峻な根回りを攻めることもある。そんなポイントでは、仕掛けを投入して一旦底を取り、そこから自分の釣りに展開して行く上で、どうしても根掛かりしてしまうことがあるものである。根掛かりをする度に極細ＰＥラインが高切れしてラインシステムを組んでいるようでは、実釣時間が大幅に失われ、ゆえパターンを掴むことに遅れ、しいてはそれが釣果に直結してくる。根掛かりがシンカーだけであれば、シンカーをセットしたスナップに繋がる捨て糸を切るだけで仕掛けを回収することができ、用意しておいた捨て糸付きのシンカーをハリス止めに挟み込めば即座に釣りを再開することができる。また捨て糸はハリス止めに挟み込んで固定しているので、ヒラウチなどでそこから弱ってきてしま。そのためコブが三ヶ所付いており、最初はスナップから遠い方のコブからハリス止めに掛けていただき、概ね２時間位経ったところでその次、その次と掛け替えていただけたらと思う。この捨てオモリ式の仕掛けは、競技の釣りでも真価を発揮している。 またスイベルには、驚異の回転力で仕掛けが長持ちするサクサススイベルを使用しており、適度な張りがあり扱いやすいDフロンハリスを幹糸、ハリス全てに使用している。  

2019年のDKO（ダイワカワハギオープン）では、予選から決勝まで「RM　スタンダード」に近い枝間の仕掛けを使った。それは、キャストして広範囲を狙うことを想定してのことで、仕掛けが船下ではなく自分から離れれば離れる程海底では斜めになるので、スタンダードの上３個のビーズを使い、その上の中オモリを揺らしカワハギにアピール、食わせる間を取るといった、基本的な釣り方をブレずに通したのである。 これも、斜めになっている仕掛けのエサの位置を想定してのことだ。DKO決勝では開始1時間半は全く釣れなかったが、アタリが増え出しチャンスが到来すると連釣できたのも、この仕掛けを信じ、自分を信じて釣り進めた結果だと思っている。