よくある質問&トラブル

釣りにまつわる素朴な疑問や、ありがちなトラブルを一挙にお答え。釣れても注意が必要なキケンな魚も紹介。安全・快適に釣りを楽しむためにも、釣りに行く前に要チェックです。

釣行前に知っておくべきこと

①釣りに興味があるけどお金はどれくらいかかるの?

対象魚や釣り場によって使う道具は変わるので、それによって道具の値段も変わりますが、たとえば、近所の小規模な河川で、リールを使わずに竿一本で釣るようなシンプルな仕掛けの釣りなら、1万円以内でひと通りの道具をそろえることもできます。
もちろん、そうした釣りであっても、素材や性能にこだわった高価な道具はありますが、ビギナーなら、まずは手ごろな道具で始めてみるのがいいでしょう。
内訳としては、5m前後の万能竿が5,000円くらい。ハリ、糸、オモリ、ウキなどの仕掛けや、それらを収納するケースなどが2,000円~3,000円程度。それと300~500円くらいのエサ代がかかります。
ひと通り道具を揃えれば、あとは毎回、エサ代と仕掛け類で1,000円~1,500円くらいで済みます。

②エサは、どれくらい持っていけば良いのでしょうか?

狙う魚の種類によって違いますが、ほとんどの市販エサが前述した通り500円くらいで1パック購入できます。通常、1パックで半日は遊べるので、それを目安に釣り時間に合わせてエサを用意しましょう。
ちなみに船釣りでは、乗船料にエサ代が含まれている場合が多く、不足した時も船上で購入できるのが一般的ですが、そのことについては、乗船前の予約時に必ず確認しましょう。

③余ったエサを次回の釣行でも使えますか?

乾燥エサなど保存が効くタイプは、日持ちします。活きエサは持ち帰ったとしても鮮度が悪くなるので、オススメできません。基本的にその日のうちに使いきりましょう。

④ライン(道糸)の寿命は?また、交換のタイミングを教えてください。

日頃の手入れが良ければ、1カ月に2回釣りに行ったとしても半年は同じ道糸が使えます。ラインを長持ちさせるには釣行後のケアが大切です。釣行後は真水でしっかり洗ってください。
なお交換のタイミングは、ラインにキズが付いていたり、ヨリがキツくなっていたりすると感じたときです。ボロボロのラインは切れやすくなっているだけでなく、キャスティングの飛距離も伸びません。見た目でキズがわからない場合は、イラストのように指をすべらせ、表面の傷を確認する方法が良いでしょう。

⑤ルアーのフック(ハリ)は交換できますか?

交換できます。大きなキズや錆びている場合などは交換しましょう。
フックは釣具店などで、単体で購入できます。交換はプライヤーを使ってルアーに付いているリングの割れ目を、プライヤーのツメで挟んで開きます。そして開いた部分にアイ(ハリの根元にある輪)を滑りこませ、ズラすようにして外します。古いフックを外し終えたら、再びプライヤーで割れ目を開き、新しいフックと交換しましょう。

釣行中にありがちな疑問やトラブル

⑥「見える魚は釣れない」と言いますが実際のところは?

魚の種類や活性によって異なります。ただ、見える、見えないで判断するのではなく、魚の活性が低かったら(食いつきが悪かったら)マメにポイントを変えましょう。

⑦アタリがあるのになかなかヒットしないのは、なぜ?

まずハリやエサが大きすぎることが考えられます。魚がひと口で飲み込めず、少しずつ食べていると思われますので、そんな時は、ハリやエサのサイズを徐々に小さくしてみましょう。

⑧仕掛け回収時に、ハリを良く刺します。
上手に行うコツを教えてください。

エサ交換などで仕掛けを回収する時に、ハリを上手くキャッチできず指に刺さってしまうのは、ビギナーにありがちなことです。原因は、エサを直接つかもうとしていることが挙げられます。エサは軽く、風に流されたりして不安定ですので、キャッチする時はエサではなく、重く安定しているオモリかウキをつかむようにすると上手くいきます。

⑨エサを交換するタイミングを教えてください。

投入前と形や色が違っていたら交換してください。魚についばまれて投入前より小さくなっていたら交換の目安で、小マメにエサを変えたほうが魚の食いつきも良くなります。アタリがあまりない場合も、交換したほうが良いでしょう。

⑩ハリが指に刺さった場合どう処置すれば良いのでしょうか?

プライヤーやニッパーなどを使って外すことができます。まずは、イラストのように、ハリ先を指の外に出して、カエシ部分をプライヤーやニッパーの元のカッター部分で切断します。そしてカエシが切れたら、軸側へ引き抜いてください。とにかくハリが身体に刺さった時は、あわてずに落ち着くことが重要です。無理矢理引き抜こうとするとキズ口が広がるなど、かえって大けがの原因にもなります。
抜いたからといって安心せずに、負傷箇所を水洗いや消毒などをし、清潔にしておくことも肝心です。キズ口が大きい場合は、必ず病院に行くようにしてください。

⑪船釣りやボートフィッシングでスクリューに仕掛けが絡まった場合、どうすれば良いのでしょうか?

絡まったと思っても、無理矢理、リールを巻こうとするのは止めましょう。
ベイトリールならクラッチを切って、スピニングリールならベールを起こして、まずは道糸をフリーの状態にしてください。そして、自分で処理しようとせずに、船長に報告して助けを求めましょう。
スクリューに絡まる原因の多くは、仕掛けの投入と回収時にモタつくことなので、これらの動作を素早くやることを心がけましょう。

⑫釣り場で熱中症になった場合の対処法を教えてください。

気分が悪くなったら無理せず、すぐに日陰で休憩しましょう。休んでいる時は、水分を十分にとり、冷えたタオルや保冷剤で首や頭を冷やします。そうすれば徐々に体調が回復してくるはずです。なお体調が回復したと思っても、その日の釣りは絶対に止めて、必ず家で休むか病院に行くようにしてください。
まずは熱中症にならないように、ふだんから注意することです。特に夏場は、熱中症になりやすいので帽子を必ずかぶり、頭に直接当たる日差しを避け、それと同時に、水分補給を小マメに摂るように心掛けましょう。

⑬釣り上げた瞬間、魚を暴れさせないで、上手くつかむ方法はあるのでしょうか?

魚の頭側から目を隠すように、そっと手をかぶせて捕まえるといいでしょう。そうすることで魚は、今は夜なんだという錯覚を起こし、静かになります。恐がって中途半端につかもうとすると、魚がかえって暴れだします。しっかりと力を入れてつかむようにしましょう。
ただし、魚によっては鋭い歯や尖ったヒレをもった魚も数多くいます。もし手でつかもうとして、そんな歯で噛まれたり、ヒレが刺さったりしたら、大けがにつながりかねません。魚をはさんでつかむことができるフィッシュフォルダーや、魚のあごをつかんで持ち上げることができるフィッシュグリップといった専用道具も売られています。魚を釣り上げたら、なるべくそうした道具を使って魚をつかむといいでしょう。
フィッシュフォルダーやフィッシュグリップは、魚にかかったハリを外すときも便利です。魚はハリを外すときに一番、暴れます。まずフィッシュフォルダーやフィッシュグリップで、しっかり魚をつかって暴れさせないようにしてから、プライヤーで外せば、ハリが指に刺さるなどのトラブルも回避できるでしょう。

⑭フグに毒があるのは有名ですが、
他にも危険な魚はいるのでしょうか?

日本の近海には200種以上の魚が棲息していて、見たこともない魚が釣れることも多くあります。もしそうした魚が釣れた場合は、周りの釣り人に訪ねたりして、安全な魚か確認できるまで絶対にさわらないよう心がけましょう。
以下に一般的な釣り対象魚の中にも、危険部位を持つ魚たちをまとめてみましたので、必ず覚えておいてください。
歯に注意
フグ
比較的釣れる場所:堤防、河口付近、磯、沖
鋭い歯は、なんでもかみ切るので注意が必要です。体の内部には強力な毒も持っているので、持ち帰らずリリースしましょう。
ウツボ
比較的釣れる場所:堤防、磯、沖
噛もうと威嚇してくる獰猛な魚です。鋭い歯で指を引きちぎられる恐れもあるのでハリスを切って海へ戻してください。
ヒラメ
比較的釣れる場所:堤防、砂浜、磯、沖
歯に触るだけでスパッと切れるので、絶対、触らないこと。ハリを外す時はプライヤーを使い、十分気を付けて行いましょう。
ダツ
比較的釣れる場所:堤防、磯、沖
口の中は、ノコギリのような歯が並んでいます。口に指を入れると噛みちぎられるので、こちらもハリ外しの際には、十分注意しましょう。
ヒレやひげに注意
ハオコゼ
比較的釣れる場所:堤防、河口付近、砂浜、磯
マアジの外道として、よく釣れます。背ビレにある15本のトゲに猛毒を持っているので触らないようにしましょう。
ゴンズイ
比較的釣れる場所:堤防、河口付近、砂浜、磯
各ヒレに毒を持ち、刺されると激痛が走ります。打ち上げられて死んでいたとしても、毒が体内に残っているので触れないこと。
アイゴ
比較的釣れる場所:堤防、磯
背ビレ、腹ビレ、尻ビレに毒付きの鋭いトゲを持っています。刺されると半日くらい激痛に襲われるので、ハリを外す際は、フィッシュホルダーなどで体を押さえて慎重に行いましょう。
オコゼ
比較的釣れる場所:堤防、砂浜、磯、沖
ハオコゼ同様、背ビレに猛毒を持っています。刺されると紫色になってはれ上がり、死に至ることもあると言われています。釣り揚げたらハリスを切って逃がしましょう。
アカエイ
比較的釣れる場所:堤防、河口付近、砂浜、磯、沖
ムチのような細長いシッポに、1~3本の毒付きのトゲを持っています。刺された場合、その周囲がはれ上がり、下痢や発熱、呼吸障害などの症状がでますので、こちらもハリスを切ってリリースしてください。
オニカサゴ
比較的釣れる場所:沖
顔周りのトゲと背ビレ、尾ビレに猛毒を持ちます。別名“サソリ魚”の異名をもっていますが、その身は、非常に美味とターゲットにするアングラーが多いのも事実です。釣り上げた場合は、タモ入れから持ち帰りの処理まで船長にお任せしましょう。
シーバス
比較的釣れる場所:堤防、河口付近、砂浜、磯
鋭いエラブタはまるでナイフのような切れ味です。釣り上げた時はフィッシュグリップで下アゴをしっかりと持って、ハリはプライヤーで外しましょう。