スムーズな曲がりが
パワーロスを解消
強く・軽く・細く
VジョイントやVジョイントαによって、しなやかに強くなったジョイント部。そのアドバンテージをどう使うか。たとえば大物をパワーで寄せるショアジギングロッドでは、継ぎ目のあるバット部のさらなる強度アップに貢献させた。写真の鮎竿では強度を増す代わりに必要十分な強度を保ちつつジョイント部を短くすることで軽量化を果たした
あらゆる継ぎ方に対応
Vジョイントは、並継ぎ、逆並継ぎ、印籠継ぎ、それに振出など、あらゆる継ぎ方に対応できる。継ぎ方の違いは、それぞれロッドの特徴にも影響を与えるが、Vジョイントを採用することで、その影響は大きく軽減される。これまでジョイント部の数や継ぎ方によって奪われてきたロッド設計の自由度を、Vジョイントは格段に広げたのだ
ナノプラス素材が強く、細く、しなやかに
高強度のナノプラス素材と、それを小さく繊細なジョイント部に設計・配置できるダイワ独自の高精度技術により実現したVジョイントαの誕生により、ロッドの設計思想にも大きな変化を及ぼした。同シリーズ同番手のシーバスロッド(写真)を見比べてもわかる通り、ジョイント部のしなやかな強さをロッド全体の細さに変換することも可能だ
Vジョイントの構造解説
補強を加えることでジョイント部が硬くなってしまうと、前後のブランクとの間に硬さの差が生まれ、ひずみと突っ張りが生じてしまう。Vジョイントは、斜め45度のバイアスクロスを配したことで、強度を増しつつもひずみなくしなやかに曲がる継ぎ目を実現。ワンピースロッドのようなスムーズな曲がりで、パワーロスを軽減することができた
ロッドの継ぎ目であるジョイント部は、ロッド全体からみれば小さな部位だ。だが、この小さな部位こそがロッド性能に設計段階から影響を与えるボトルネックとなっているのは、意外にも知られていない事実だ。
ジョイント部には負荷がかかる。薄くすれば強度が保てず、補強のために厚くすると硬くなり、ひずみや突っ張りが生じてパワーロスにつながる。ダイワは相反するこの難題を、斜め45°のバイアスクロスを配することで解決した。それが革新的なオリジナルテクノロジー「Vジョイント」である。
結果、ジョイント部自体の強度を十分に保ちながら硬さをやわらげ、しなやかさを持たせることに成功。これにより補強の全体量を減らすことができ、軽量化にもつながった。スムーズに曲がってパワーロスの極めて少ないジョイント部が現実となった。
ダイワの追求はここで終わらない。ジョイント部に高強度素材のナノアロイを採用し、ダイワ独自の精密加工技術を駆使して誕生したのが、さらに強くしなやかな「Vジョイントα」だ。
Vジョイントαはロッド設計の根本を変えた。たとえば継ぎ数の多い鮎竿では、ジョイント部を短くすることで強さを軽さへと転じた。キャストを繰り返すシーバスロッドでは、ジョイント部を薄くすることでブランク全体を細く仕上げ、強さを振り抜きの良さと操作感の向上に変換した。
小さなジョイント部の革新は、ロッド性能を根底から変えたのだ。