リールのボディ内部へと浸入する水。塩分を含む海水は、とくに難敵だ。海水は、潮噛み、固着、錆、などをもたらし、リールの寿命を大幅に短くする。これをどう防ぐか?
ダイワとしても、愛機を少しでも長く、初期性能を保った状態でお使いいただきたい。そのために生み出したのがマグシールドである。マグシールドとは、回転の軸となる箇所に、磁性流体オイルを用いた機構をセットすることで、まさに水と油、浸入する海水を、強力にはじき返すというシステムだ。
マグシールドにより、塩によるダメージは大幅に軽減された。だが、水とは本当にやっかいなものだ。従来構造のリールであれば、たとえボディとボディカバーの接地面が高精度で組み上がっていたとしても、完全な機密性は困難だし、大きな負荷が掛かると、たわんでズレてしまい、ミクロン単位の隙間が生まれることもある。たったそれだけのことで、水は浸入してくるものなのである。
では、リールボディそのものが、たわみにくければどうだ? ひとつなぎで作り上げたモノコックボディ。ひとつなぎだから、そもそも水の浸入経路が少ない。高剛性でたわみにくいから、浸入経路となる隙間が生まれづらい。
つまりモノコックボディは、そもそもそれ自体が、従来構造のリールを大幅に凌駕する、高い防水力を備えたものになっているのだ。
最後にひとつだけお願いを。使用後は常温の真水で洗っていただきたい。愛機を末長くお使いいただく秘訣だ。
従来構造との比較
従来構造はボディとボディカバーを3~4本のネジで固定している。ネジ周辺は強い力がかかっているので機密性はあるが、それ以外の部分は、どんなに接地面の精度を上げても、不確かといわざるをえない。防水を確実なものにするためにはパッキンを入れなければならないが、そうなると構造が複雑になるうえ、内部スペースを圧迫するので、ギアを小さくするか、ボディを大きくするしかない。一方、モノコックボディは丸いエンジンプレートの外周にパッキンを入れるだけのシンプルな構造。シンプルがゆえに非常に高精度であり、また内部スペースを圧迫することもなく、高い防水性能が実現可能だ。
MAGSEALED(マグシールド)
マグシールドはダイワオリジナルのリール防水機構。磁性流体オイル(マグオイル)を、ピニオン部、ラインローラー部、ドライブギア両端のボールベアリングなど、防水の要所に配置し、水の浸入をシャットアウトする。