スッと巻けて、ピタッと止められる。
スピニングリールにおけるローターの役割
ローターは、スプールにラインを巻き取るために回転するパーツで、ベールやラインローラーなどをセットしたローターユニットとして機能する。リールハンドルを回す力は最終的にこのローターへと伝わるので、つまり軽量であるほどレスポンスのいい軽快なリーリング・コントロールが可能になる
回転体として理想の球体形状
中心軸から両ベールアームへと、左右対称に円弧を描いて伸びていく、球体をすっぽり切り出したかのようなアーチデザインに注目していただきたい。これによりバランスのいい、滑らかな回転が得られるのである
重量比較、慣性比較
EXIST2500番で比較すると、22EXIST搭載のエアドライブローターは、ローターユニットで約16%の軽量化に成功(*1)。ダイワスピニングリール史上、未踏の領域へと突入したのである。それとともに慣性力も最大約16%軽減(*2)。操作性や回転性の大幅な向上も図られている
*1 軽量化の比較値はサイズにより異なります。
*2 慣性力の算出値はサイズによって異なり、2500番で最大化。
強度シミュレーション
赤くなるほど負荷が集中していることを示す。エアドライブローターの「軽くて強い」秘密は、綿密な高精度解析によって、負荷が集中するところは補強する一方、負荷の少ないところは肉抜きをすることで最適化を実現。これにより、従来のローターと同等の剛性を維持しながら、軽量化に成功した
スピニングリールのハンドルを回すと、精密な内部構造が次々と作動し、最後、ローターが回転してラインを巻き取っていく。このローターについて、ダイワは、軽量であるほどメリットが多いと考える。ローターを回転させるときに働く慣性力は、ローターの自重が軽量であるほど小さくなるからだ。
身近なものに置き換えて考えてみよう。例えば車だ。車重の軽い車ほど、止まった状態から軽い力で瞬時に加速し、ブレーキング時には短い制動距離で停止できるだろう。ローターも同様だ。重量が軽ければ巻き出しが軽く、止めたいときに止めたいところでピタッと止まる。つまりアングラーが意のままに操れるというわけなのだ。
一方、軽いものは、どんなものであれ、強度や耐久性に不安があるとされる。メリットを活かすためにデメリットを受け入れざるを得ないのか。そうではない。ダイワが目指すべきは「軽くて強い」という二律背反の実現だ。そして、その結実が、エアドライブローターなのである。独自理論により、回転体として理想的な球体形状を導き出し、さらに高精度の剛性解析により、従来と同等の剛性を維持しつつ、大幅な軽量化、低慣性化を実現した。その機能性は、外観からも見て取れるだろう。ビスのない美しい曲面は、ローターへの糸絡みを抑制する二次的効果ももたらせている。
ぜひハンドルをゆっくりと回していただきたい。静かに滑り出し、どこまでもスムーズに、上質な回転をその手に伝え続けてくれるはずだ。