スピニングリールは、ベイトリールと比べて、構造的に弱い――
この事実を、ご存じですか?
その弱点を克服し、ベイトリールに匹敵する強いスピニングリールを作りたい――
それが、私たちダイワの長年の“夢”でした。
そして、その“夢”は、
「モノコックボディ」というテクノロジーによって、ついに実現したのです。
スピニングリールが
構造的に弱い理由。
スピニングリールの構造的な弱さ――それは、巻き上げ力にあらわれます。
従来構造のスピニングリールとベイトリールを比較してみましょう。
それぞれ同じ負荷をかけてハンドルを回したとします。
ベイトリールが巻き取れる力を100%と仮定した場合、
従来構造のスピニングリールでは、巻き上げ力が約83%(*1)にダウンします。*1 グローブライド社内規定方法により測定した巻上効率。16CERTATEでの「2500ノーマルギア」と「3000ハイギア」 2アイテムの平均値。
従来構造スピニングリールとベイトリールの巻き上げ力比較
では、なぜスピニングリールはベイトリールと比べて、このように巻き上げ力が弱いのでしょうか。
ベイトリールはドライブギアとピニオンが平行に噛み合っており、力の伝達効率が高いうえ、構造的に平行する2本のギア軸をボディにしっかり固定できます。
いっぽう、スピニングリールはドライブギアとピニオンが交差して噛み合っており、もともと力の伝達効率が低いうえ、ハンドルに入力した力がハンドル軸の方向に逃げようとします。
このとき、一定以上の力がかかると、ボディが受け止められなくなって、ドライブギアとピニオンの噛み合わせが悪くなり、よりいっそう力の伝達効率が低くなるのです。
スピニングリールとベイトリールの構造上の違い
実際に一定以上の力がかかると、ボディにどのような変化が起こるのかを見てみましょう。
このように、ボディとボディカバーにわずかなたわみや歪みが起こります。
それによってドライブギアとピニオンの噛み合わせが悪くなり、力の伝達に悪影響を及ぼすのです。
従来構造スピニングリールによる試験映像
スピニングリールの
構造的弱点を解決した
モノコックボディ。
このスピニングリールの構造的な問題点を解決し、ベイトリールに近い巻き上げ力を実現したのが、ダイワテクノロジー「モノコックボディ」です。
従来構造のスピニングリールはボディとボディカバーを小さな数本のネジで固定していました。
いっぽう、モノコックボディは一体成型で作り上げ、大口径高精度のエンジンプレートを、直接ねじ込んで蓋をしています。
これにより、ドライブギアに込めた力がハンドル軸の方向に逃げようとするのをがっしりと受け止め、パワーロスなくピニオンに伝達することができるのです。
従来構造スピニングリール
モノコック構造スピニングリール
それでは、モノコック構造のスピニングリールと従来構造のスピニングリールを比較してみましょう。
それぞれ同じ負荷をかけてハンドルを回したとします。
ベイトリールが巻き取れる力を100%と仮定した場合、
従来構造のスピニングリールが約83%(*1)なのに対し、モノコック構造のスピニングリールでは約94%(*2)の巻き上げ力を発揮しているのです。
このように、モノコック構造のスピニングリールは、ベイトリールに近い巻き上げ力を実現したのです。
*1 グローブライド社内規定方法により測定した巻上効率。16CERTATEでの「2500ノーマルギア」と「3000ハイギア」 2アイテムの平均値。
*2 グローブライド社内規定方法により測定した巻上効率。19CERTATE LTでの「2500ノーマルギア」と「3000ハイギア」 2アイテムの平均値。
モノコック構造スピニングリールと従来構造スピニングリールの巻き上げ力比較
モノコック構造スピニングリールとベイトリールの巻き上げ力比較
実際にモノコック構造のスピニングリールで強い負荷をかけて巻いてみましょう。
強い力をかけて巻いても、モノコックボディとエンジンプレートに変化は見られません。
従来構造のスピニングリールと違い、モノコック構造のスピニングリールはボディがたわんだり、歪んだりすることがほとんどなく、逃げようとする力をしっかりと受け止めています。
これにより、強いギアはがっちりと噛み合ったまま、持てる力を存分に発揮できるのです。
モノコック構造スピニングリールの試験映像
モノコック構造スピニングリールと従来構造スピニングリールの試験映像