ラインブレイクを極限まで抑え、できるだけ短時間で獲る。
ATDとは、魚の引きの強弱に合わせて滑らかに作動するドラグのことです。
例えば、小型スピニングリールで細いラインを使ったエリアトラウトやアジングなどの場合、従来のドラグシステムでは魚の急な引きに対してラインがスムーズに滑り出さないことがありました。そうなると瞬間的にラインの強度を超えた負荷がかかってしまい、アワセ切れや、ファイト中のラインブレイク、口切れなどが起こってしまいます。
そこでATDは、従来のドラグよりも、初動の滑り出しがより滑らかになるようチューニングするとともに、いったん滑り出してからは、魚の引きの強弱に合わせてスムーズなブレーキを常に掛け続け、魚をできるだけ短時間でとりこむことを実現しています。
さらに、ATDの特性をそのままに、ライトライン化が進む現代の釣り方やタックルセッティングにフィットさせたのが、ATD TYPE-Lです。初動レスポンスを、さらに向上させたチューニングを施すことで、ラインへの負荷をさらに低減し、ライトライン使用時におけるラインブレイクのリスクを減少させています。
一方で、20kgを超えるヒラマサや30kgを超えるキハダマグロとのファイトでは、従来のドラグシステムでは、引き出される距離に応じて、ドラグ力が著しく低下していきました。長距離を走られることが前提の大物釣りにおいて、それは大きな弱点となりえます。ATDでは、その耐久性を見直し、長い距離を引き出されたときのドラグ力の低下を最小限に抑えることに成功しました。これにより、大物との長時間のファイトでも、アングラーの体力的な消耗を抑えるとともに、ファイト中のドラグ調整を減らし、フックアウトやラインブレイクを極限まで抑え、スムーズに取り込むことが可能になったのです。
大小の、極端なターゲットを例に説明しましたが、もちろん、どんなターゲットが相手でも、ATDはいつも滑らかに、まさしく魚の引きに追従するという表現そのままの動作で、アングラーをサポートしてくれることでしょう。
ATDは、魚の引きに合わせて最適にブレーキ力が掛かるように設計されていますので、アワセの際にもドラグが滑りすぎてフッキングが甘くなるということもありません。つまり、アワセとファイト中で、アングラーがドラグノブを緩めたり締めたりしながら、設定値を細かく操作する必要はありません。つまり一度、適正に設定すれば、あとはマニュアルで操作せずともスムーズに動作する、まさしく理想的なドラグなのです。
※設定値、ロッドやラインなどのタックルセッティングによっても変わります