
モノコック構造とはボディ自体がフレームとしての剛性を持ち、ねじれやたわみに強く、省スペースを実現させる構造。極限状況下での耐久力や空間効率を求められるロケットやF1マシンなどに採用されている。小さなボディに150以上ものパーツを組み込むスピニングリールでも、その効果は絶大。ビスを固定するためのスペースが不要となることで、ボディ寸法に対するドライブギアのサイズを極限まで拡大。実にボディの約85%もの面積を占める大口径のドライブギアを収納できるようになった。言い換えれば、従来通りのサイズのボディならば巨大なギアを格納でき、ギアサイズが従来通りならば非常にコンパクトなボディを実現できるということ。強いものを軽く出来る無限の可能性を秘めたテクノロジーであり、ダイワがスピニングリールに求める「LT」LIGHT&TOUGHの中核と言える軽量・強靭テクノロジーである。19CERTATEでは加工精度・耐久性の高いアルミ素材を採用、CERTATEの名に相応しいボディに仕上げた。
リールの中で最も重要なパーツであるドライブギアには、三位一体のエレメント(設計思想・加工技術・ギヤ素材)が不可欠となる。19CERTATEはデジギヤⅡをさらに進化させ、滑らかな回転がより長く続く「タフデジギア」を採用。不意の力が掛かることによって引き起こされる噛み合わせへの影響まで緻密に計算に入れた設計思想。そしてその設計思想を支えるのが、「冷間鍛造+マシンカット」という独自の加工技術。冷間鍛造で高強度に仕上げた素材に、超精密なマシンカットをほどこすことで理想のギアを実現。限りなくノイズレスな回転を実現し、釣り人の繊細な指先の感覚に正確に応える。設計思想・加工技術・ギア素材。この3つの要素が合わさり、これまでのCERTATEが培ってきたハイパワー小型スピニングリールの遺伝子は着実に19CERTATEへと受け継がれている。
極限の環境下で釣りを行うアングラーは、いかなる環境下でもリールにはその性能を維持することを求める。しかし回転構造体の防水は過去からすべての開発者が取り組んできた難題。回転構造体には、どうしても物がまわるための空間が必要なることがその課題の要。防水のためにその空間を閉じてしまえば、回転性能は失われてしまう。これを解決したのが「液体で液体をブロックする」という考え方であるマグシールド。磁性により半永久的に存在できるマグオイルの壁で、リール内部への海水や埃の侵入を防ぐDAIWAのオンリーワンテクノロジーである。2010年に発表したこの画期的な技術は、発表以来ラインローラーへの搭載・ボールベアリングへの搭載と深化しつづけ、今やDAIWAリールにとって、アングラーにとって、必須のテクノロジーになろうとしている。19CERTATEではボディ部はシームレスなモノコックボディ構造とストッパーレス化によりそれだけで高い防水性を誇るため、ピニオンギアとラインローラー部に搭載。過去のシリーズ以上にトータルとして高い防水構造のリールが誕生した。
ストッパーレスボディ
ストッパーを取り去ることでボディ構造をシンプルに仕上げた。水や異物の浸入経路であるストッパーを取り去るという決断により、軽量化や防水性能のアップはもとより、CERTATEというシリーズに求められる過酷な環境下や大物とのやり取りにおいての突然のトラブルに見舞われる不運を最小限に抑える。
LC-ABS(ロングキャスト-ABS)
ABS IIの接触抵抗を減らす思想はそのままに、接点を前にだすことでよりスムーズなライン放出を実現。リング部が前方に出た効果でリング上にラインが乗りにくくなり、従来のABS II以上に約5%の飛距離UPとトラブルレスを向上させた。まさにLC(=LONG CAST)を実現する次世代のABSスプールである。
ATD
魚の引きに追随してドラグ力をコントロールし魚に主導権を与えない。その特性を活かすためには緩めのドラグ設定が有効。フッキングの際には強く効きながらも、魚の引きに対しては常にドラグを効かせることのできるこの設定は大型魚であっても必要以上に暴れさせることなくランディングに持ち込む。
ZAIONエアローター
ラインローラー部の軽量化、および回転軸に対し均等な重量配分がしにくいスピニングリールのベール構造を徹底的に解析し、適正な配分を計算。これらの作業により巻きだしの軽いローターを実現するとともに、小型化されたボディ特性を活かし、ローター回転半径も縮小化。これらにより更に回転の軽いローターを実現させた。
エンジンプレート
モノコックの特徴である巨大エンジンプレートが回転軸のブレを徹底的に排除。パワーロスにつながる要素を除くことで力強い巻き上げ感を実現させる。19CERTATEでは、左右対称にデザインしたことで、シンプルかつ力強い印象が伝わる。
シームレス新形状エアベール
繋ぎ目がない一体ベールを採用。ラインスライダー部の形状を見直すことでより軽量、コンパクトなベールを実現する。特に細いラインを使用したい場合やより繊細な感度が要求される際に効果を発揮する。
2BBラインローラー/ツイストバスターII
常に力の掛かる方向が変わるラインローラー部は2点支持が不可欠。その二つにBB(ボールベアリング)を採用することでより軽い回転を実現する。さらに、ナイロン・フロロを使う際に大きく糸ヨレを軽減してくれるツイストバスターIIを搭載。
マシンカットハンドル/
ハイグリップ軽量ハンドルノブ
軽量ながら高負荷での巻上げでもたわまない新形状ハンドルに、不意に力が掛かってもハンドルノブから指が抜けにくいくぼみデザインとラバロンによるノンスリップ性の高いハイグリップ軽量ノブが相まってしっかりとハンドルノブをホールド。ノブ内部は2ボールベアリング仕様でたわみも追放し、高い巻上げ効率を実現する。
パーフェクトラインストッパー
PEなどの細糸にも、リーダーのような太糸にも対応した新形状のラインストッパー。横長の設定構造は縦方向の省スペース化を実現しスプールの軽量化にも寄与する。