軽量化とグリップ性能を
内側からの肉抜きで両立。
妥協を許さない徹底的な内側からの肉抜き
ストレスゼロの形状を果たしつつ軽量化にも徹底的にこだわる。フォアグリップ接続部の削ぎ落としに、ここまでやるのかと驚く。見事な肉抜きを実現しつつ、背骨構造を残して強度も確保している
横から見た構造
最大のこだわりは心地よいグリップに必要な外表面の維持にある。リール取り付け部の下部には緩やかな膨らみを持たせ、トリガー前後は段差をつけない形状。同時にトリガー周りとパーミング部には、内側から強度を保てるギリギリまでの肉抜きを施している
裏から見た構造
リールシート底面部に曲面を幅広く取ることで、グリップやパーミングした際の手当たりの良さを向上。また、トリガー部を薄くスリムにすることで、ダイレクトな握り込み感を実現。多くのテスター陣の声を集約して最適化を図った形状は使い手を選ばない
様々なパーミングにも柔軟に対応
キャスト時はワンフィンガー、リトリーブ時にはツーフィンガーのパーミングと、ベイトタックルの釣りは、動作ごとに握り方を随時変えていく。余計なところに指が当たらず素早くスムーズに握りをシフトできる形状は、ゼロシートが強くこだわった点のひとつ。キャストからリトリーブ、そして握り込んでのファイト。そのすべてが快適だ
ストレスなく、心から釣りを楽しんでもらうことを目指したリールシートの設計思想「ゼロシート」。その設計思想にもとづいて開発されたのが、「キャビティトリガー」だ。目指したのは、徹底した軽量化。軽さは感度につながる。特に水中の情報を繊細にとらえたり、細かいアタリを取っていく釣りでは、感度はできるだけ高いほうがいい。そのためにブランク、ガイド、グリップなどロッドの各パーツはより軽量へと進化した。なかでもリールシートは軽量化への影響が大きいパーツであり、感度重視の釣りほど大胆な肉抜きが施されてきた。
一方、リールシートは釣りのあいだ常に手に触れているパーツである。肉抜きで細くなったリールシートはブランクに直接タッチするような高感度を実現したが、反面、ファイト時など強く握った時にグリップ性能の低下を招いた。キャストやリーリング、ファイトで持ち方を幾度も変えるベイトロッドでは、軽量化にのみ特化した形状は釣り人に違和感や疲労感を与えることもわかった。
感度を高める軽量化は進めたい。だが操作性につながる握りやすさも追求したい。理想の両立と、数値だけでは測れない「ストレスゼロ」をロッドに求めた結果、ダイワは中空(キャビティ)構造を持つキャビティトリガーに至った。手に当たる外表面は操作性を追求し、内側からの肉抜きで軽量化を果たす。技術的に極めて難易度の高いキャビティトリガーを実現したのは、最先端の技術力に加え、なによりフィールドでのテストを徹底的に重ねた結果と言えるのだ。