選択肢は45度のみという事実。
繊維の配向角度によって弾性率はここまで変わる
グラフの曲線は、繊維の巻き角度による「曲げ」「ネジレ」「ツブレ」に対する弾性率解析値で、赤線はネジレ、黄線は曲げ、緑線はツブレを示している。グリップから竿先までを直線で結んだ時の方向を0度とした時、それぞれ弾性率が最も高くなる繊維の配向角度は、曲げでは0度、ツブレでは90度、そしてネジレでは45度となる。X45は、こうした科学的な根拠に基づき、左右±45度の「X」に補強繊維を配置している
例えばベイトキャスティングロッドの場合
ガイドにラインを通して曲げた状態。右のX45非搭載ロッドは、ラインが引かれた方向にガイドを倒す力が働くことでネジレが強まっている状態。これによりパワーロスやブレが生じてしまう。一方、左のX45搭載ロッドではラインがガイドを倒そうとしても、±斜め45度の補強繊維構造によりネジレが抑制される
そもそもロッドにはネジレが生じるものである。ネジレとはパワーロスやキャスト時のブレを生むネガティブな要素だ。だが多少のネジレは釣り竿の前提とも言えるものだったから、釣り人がそこに大きな不満を感じることはなかったはずだ。
ところがダイワが、このネジレを徹底的に防ぐための技術を生み出した。適所に±斜め45度の補強素材を組み込むことでネジレを抑制する構造を開発したのだ。それがX45である。
最大のこだわりは、その角度。ロッドのネジレ補強は45度に施すことで最大値を示すことが科学的に証明されている。X45はその名の通り、ロッドの軸長方向に対し左右±45度に斜行したシート状のバイアスクロスを巻きつけることにより、ネジリ剛性を最大限に高めることに成功しているのだ。
ダイワはさらなる高みを目指した。カーボン繊維を用いたX45をティップからバットまでロッドの全身に、しかも最も補強効果の高い最外層に配する、X45フルシールドを開発。その恩恵は釣り人を驚かせた。キャスティング時、エサやルアーの操作時、そして魚とのファイト時に感じる正確性とダイレクト感、パワーの向上は、気づく・気づかないというレベルのものではなく、明らかだったからだ。
使うことではじめて、これまで無意識に受け入れてきたネジレによるディスアドバンテージを、いやがおうにも知ることになる。ダイワがこだわり抜いたX45とは、そんなテクノロジーだ。