SVブーストの弾道測定グラフと各フェイスでの動作図
キャスト開始直後のT1で、スプール回転はトップスピードに到達。インダクトローターはMAXに飛び出し、しっかりとブレーキを掛けながら、バックラッシュしないギリギリのところでスプールの高速回転をキープ。T2はルアーの失速に対してスプールが過回転する第2のバックラッシュゾーン。ブレーキは1段緩まり、飛行を妨げずにバックラッシュを防ぐために、絶妙のスプール回転速度に整え続ける。T3付近、着水寸前では、最後のひと伸びを与えるためにブレーキはオフに
新搭載2段式インダクトローター
SV BOOSTは3ステージのブレーキ力を発揮。フルキャストでは一気にブレーキ力2へとインダクトローターが飛び出し、過剰なスプール回転を制御。ピークを過ぎ回転を緩めたスプールはもう一度、ブレーキ力1で制御した後、ブレーキ力0へと。1ステージ増えたSV BOOSTのブレーキ力は、キャスト後半のもうひと伸びへと貢献する。
SVとはストレスフリー・バーサタイルの略。ストレスフリーとは、バックラッシュの的確な抑制など、ベイトリールにまつわるストレスからの解放を意味する。バーサタイルとは、その1台であらゆるルアー、あらゆるキャストに対応可能な、高い汎用性を持つことだ。つまりは、誰もが描くキャスティングベイトリールの理想の姿。それを為しえたリールにダイワはSVの名を冠してきた。そしてSVブーストとは、さらにその理想像へと加速度的に前進したものなのだ。
で、具体的な進化ポイントだ。まず挙げたいのは、インダクトローターが従来の1段階可動から、2段階可動式になったこと。これがもたらすアドバンテージをフルキャストにおけるインダクトローターの作動を例に説明しよう。
まず、ロッドを振り、親指をスプールからリリースする。瞬間、スプールは猛烈な速度で回転を始める。するとSVブーストは瞬時にMAXブレーキへと可動。過剰な回転を制御し、バックラッシュを回避する。やがてルアーが失速し、弾道の頂点を過ぎて落下体勢に入ると、第2のバックラッシュゾーンが訪れる。失速に対してスプールが過回転してしまうのだ。するとSVブーストはブレーキを1段階下げ、実に絶妙な力加減でスプール回転速度を整え続ける。で、最後、着水直前にはブレーキはオフになる。するとスキージャンパーが着地ギリギリのところでぐーっと伸びていくかような最後のひと伸びが出る。この3ステージ制御がSVブーストの真骨頂なのである。